じじぃの「森林伐採・植物油・パーム油の何が問題なのか?暮らしのSDGs術」

熱帯雨林が伐採されアブラヤシ農園に

パーム油の問題点

パーム油調達ガイド
●パーム油は、環境・社会面でさまざまな問題を抱えています
パーム油はアブラヤシの果実から搾油されたものです。
アブラヤシ農園(プランテーション)は、効率的に生産を行うために数千から数万ヘクタールの土地を転換してモノカルチャー栽培を行うため、森林減少やそれにともなう生物多様性の喪失など、環境面への影響が以前から問題視されてきました。
しかしそれだけでなく、広大な農地を必要とし、また労働集約的な産業であるという性質上、その地域に昔から生活している地域住民との土地を巡る紛争や労働者の権利侵害など、社会的な側面からの問題も各地から報告されています。パーム油の主な生産国は、政府のガバナンスが脆弱な途上国であるため、こういった問題の背景には汚職が絡んでいる場合も少なくありません。
https://palmoilguide.info/about_palm/issue

『暮らしのSDGs術 : 地球を救う実践版』

ライフ・エキスパート/編 KAWADE夢文庫 2022年発行

2章 買い物を見直して食の消費をエシカルに! より

深刻な環境問題を引き起こしている植物油とは?

いま、パーム油が深刻な環境問題を引き起こしている。そう聞いて、すぐにピンとくる人は、それほど多くはないと思います。普段私たちが「パーム油」を直接目にするこっとは、ほとんどありません。しかし、パーム油はいま世界でいちばん使われている植物油なのです。
たとえば、マーガリン、パン、チョコレート、ポテトチップス、アイスクリーム、インスタントラーメン、ビスケット、調理済み冷凍食品、さらに食品以外では、洗剤やシャンプー、石鹸、口紅などなど、こうした製品の原材料表示に「植物油脂」「植物油」と書いてあれば、パーム油のことだと思ってよいでしょう。また、コーヒーフレッシュなどに使用される「乳化剤」も、パーム油からつくられています。
このように、パーム油は私たちの身の回りのさまざまな製品に使われています。その需要は、世界の人口増加とともに年々増えています。生産量は過去20年で2倍以上。今後も生産量は増え続けることが予想されています。
それでは、このパーム油の何が問題なのでしょうか?
パーム油の原料となるアブラヤシは、その85%がインドネシアとマレーシアで生産されています。これらの地域では、熱帯雨林がアブラヤシ栽培のために開拓され、伐採されているのです。
WWF世界自然保護基金)によれば、1985年にはインドネシアスマトラ島の58%を覆(おお)っていた森林は2016年には24%に減少。マレーシア、インドネシアブルネイの3国が領土をもつボルネオ島では70%(2005年)から53.9%(2015年)へと減少しています。
森林資源の減少そのこと自体も問題ですが、森林の減少は生態系にも影響を与えます。この地域の熱帯雨林は、オランウータンやアジアゾウなどの絶滅危惧動物の生息地となっていて、森林の減少により、こうした動物たちの棲(す)む場所がなくなるだけでなく、食料を求めて連接するアブラヤシ農園に出没するようになり、害獣として駆除される事態にもなっています。
また、アブラヤシ栽培は、森林だけでなく、周辺の泥炭地にも影響を与えています。インドネシアには、約2000万ヘクタールの泥炭地が広がっています。泥炭地とは、植物が完全に分解されずにできた土が堆積している土壌のことで、大量のCO2を蓄えています。
この泥炭地をアブラヤシ栽培のために開墾すると、この大量のCO2が大気中に放出されることになります。東南アジアの泥炭地に貯蔵されているCO2は、少なくとも420億トンと見積もられていて、これは、地球全体で1年間に排出される量(2018年の世界のCO2排出量は約335億トン)よりもずっと多い数字です。
さらに、開拓による乾燥化と荒廃化で大規模な火災が頻発していることも問題です。
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このような事実から、いまやこの地域の熱帯泥炭地は、「地球の火薬庫」と呼ばれているのです。
これだけ問題が指摘されているパーム油ですが、それでは生産をやめましよう、ということには残念ながらなっていません。その理由は、他の油で代替することが難しいからです。
パーム油は、とても生産量が高い植物油です。1ヘクタール当たり生産量は約3.8トン。これは、菜種(なたね)油0.59トン、ひまわり油0.42トン、大豆油0.36トンに比べて群を抜いています。
つまり、仮に同じ量の油を他の植物油だ代替しようとすると、4~10倍の耕作地が必要となり、さらに森林破壊が進む可能性があるということです。パーム油の問題は簡単に解決できる問題ではないのです。
アブラヤシの生産、使用をいますぐゼロにすることは現実的には難しいでしょう。そんななかで、私たちにできることは、できる限り使用を控(ひか)えること、そして、購入するならRSPO認証のパーム油を使用した製品を購入することです。
RSPOは「持続可能なパーム油のための円卓会議」という団体で、アブラヤシ栽培時の環境への配慮から労働者の人権への配慮まで、さまざまな厳しい基準を設け、これらの基準を満たしたパーム油に認証を与えています。
つまり、購入の際にRSPO認証マークのついた製品を選ぶことは、パーム油問題の解決の際にわずかでも貢献することになります。
一部の通販サイトでは、「RSPO認証」で検索することでRSPO認証の加工食品や洗剤類をチェックすることができます。

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どうでもいい、じじぃの日記。

このように、パーム油は私たちの身の回りのさまざまな製品に使われています。その需要は、世界の人口増加とともに年々増えています。生産量は過去20年で2倍以上。今後も生産量は増え続けることが予想されています。

それでは、このパーム油の何が問題なのでしょうか?

世界の人口は、現在の77億人から2050年には97億人になるそうです。
今世界では飢えに苦しむ人々が8億人いるそうです。
南米のパラグアイ
現在、約1万人の日系人が暮らしているそうです。
移住史の始まりは、今から約80年前の1936年。日本の国策移民最大の受け入れ国だったブラジルが外国人移住者の制限を設けたことから、新たな移住先としてパラグアイへの入植が始まったのだそうです。
そのパラグアイは今、世界第4位の大豆輸出国になっています。
ほとんどが、日本人が開拓したものだそうです。
なぜ、パーム油が問題になって、大豆は問題にならないのか。
大豆は栄養価が高く、大切な食料としてのイメージが高いからでしょうか。
まあ、こういうのを一括りにして文明と呼んできたのでしょうか。