じじぃの「科学・地球_317_新しい世界の資源地図・中国・中国製造2025」

China 2049: The Superpower Of Planet Earth

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【豊島晋作】中国 VS アメリカ!?米中半導体戦争を徹底解説!!【セカイ経済】

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https://www.youtube.com/watch?v=b6WrKiwXK3A

「中国製造2025」

岐路に立たされる「中国製造2025」

2020/06/05 PROVE
新型コロナウイルスにより中国の成長率は1992年以来初めて落ち込み、数十年かけて注力してきた「中国製造2025」の計画は岐路を迎えています。
中国製造2025は米国では戦略的な脅威として認識されているが、日本にとって中国への市場開拓・販路開拓においてメリットがありました。
この記事では、コロナウイルスによって危機にさらされた中国製造2025のプロジェクトが与える日本への影響や、今後の中国製造における課題についてお話します。
https://www.provej.jp/column/MadeInChina-2025

新しい世界の資源地図――エネルギー・気候変動・国家の衝突

ヤーギン,ダニエル【著】〈Yergin Daniel〉/黒輪 篤嗣【訳】
地政学とエネルギー分野の劇的な変化によって、どのような新しい世界地図が形作られようとしているのか?
エネルギー問題の世界的権威で、ピューリッツァー賞受賞者の著者が、エネルギー革命と気候変動との闘い、ダイナミックに変化し続ける地図を読み解く衝撃の書。
目次
第1部 米国の新しい地図
第2部 ロシアの地図

第3部 中国の地図

第4部 中東の地図
第5部 自動車の地図
第6部 気候の地図

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『新しい世界の資源地図――エネルギー・気候変動・国家の衝突』

ダニエル・ヤーギン/著、黒輪篤嗣/訳 東洋経済新報社 2022年発行

序論 より

本書では、この新しい地図を読み解いていきたい。世界における米国の地位はシェール革命でどう変わったか。米国vsロシア・中国の新冷戦はどのように、どういう原因で発生しようとしているか。新冷戦にエネルギーはどういう役割を果たすのか。米中の全般的な関係は今後、どれくらい急速に(どれくらいの危険をはらんで)「関与」から「戦略的競争」へ推移し、冷戦の勃発と言える様相を帯び始めるか。いまだに世界の石油の3分の1と、かなりの割合の天然ガスを供給している中東の土台はどれくらい不安定になっているか。1世紀以上にわたって続き、すっかり当たり前になっている石油と自動車の生態系が今、新たな移動革命によってどのような脅威にされされているか。気候変動への懸念によってエネルギー地図がどのように描き直されているか、また、長年議論されてきた化石燃料から再生可能エネルギーへの「エネルギー転換」が実際にどのように成し遂げられるか。そして、新型コロナウイルスによってエネルギー市場や、世界の石油を現在支配しているビッグスリー(米国、サウジアラビア、ロシア)の役割はどう変わるのか。
第1部「米国の新しい地図」では、突如として起こったシェール革命の経緯を振り返る。シェール革命は世界のエネルギー市場を激変させ、世界の地政学を塗り替え、米国の立ち位置を変えた。シェールオイルシェールガスが、21世紀の現在まで最大のエネルギーイノベーションであると言える。
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第3部「中国の地図」は、いわゆる「国恥の100年」(100年来の屈辱)と、ここ20年にわたる経済力と軍事力の飛躍的な伸長、それに世界最大になろうとしている経済(見方によってはすでにそうなっている)のエネルギー需要にもとづいて描かれる。中国は地理から軍事、経済、テクノロジー、政治にいたるまで、あらゆる方面で勢力を拡大しつつある。「世界の工場」は今、バリューチェーンの上流にのぼって、今世紀の新産業で世界の盟主になろうと狙っている。また、南シナ海のほぼ全域に対して、自国の領有権を主張してもいる。南シナ海は世界の海上通商路の枢要をなす海域であり、現在、米中の戦略上の対立が最も先鋭化している場所だ。中国よるこの領有権の主張にはエネルギーの問題が大きく関わっている。
中国の「一帯一路」構想は、アジアとユーラシア、さらにその先まで広がる経済圏を描き直し、世界経済の中心に「中華帝国」を据えようとするものだ。

第3部 中国の地図 より

第24章 米中問題――賢明さが試される

2018年10月の演説で、当時のマイク・ペンス副大統領は新しい見方を詳しく論じた。ペンスによれば、中国は「米国の技術をごっそり盗み取り」、「世界に類のない超監視国家」を築いた国であり、今や「米国の軍事的な優位を切り崩し」、「米国を西太平洋から追い出そう」としていた。しかし「米国はひるまない」とペンスは結んだ。ほかのことでは党派の対立が根深い米国の政界で、このペンスの発言は党派を超えた意見の一致を反映していた。そのことは、のちに2020年の大統領選で明らかになった。
中国はこれに対し、国防白書「新時代の中国の国防」を発表した。穏当な部分――軍事を含め、米中の協力分野について述べている部分――もある一方で、この白書は「新時代」を大国間の「戦略的競争」の時代と定義していた。中国側の視点では、非は「米国で強まっている覇権主義、パワー・ポリティクス、単独行動主義」にあった。米国は「絶対的な軍事的優位」を追求し、「国際的な安全保障環境を損なねている」とされた。また、アジア・太平洋地域が「国家間の競争の中心的な舞台になっている」のは、「域外の国々」(つまり米国のこと)が「不当に中国の領海や、中国の島嶼部の周辺水域や空域に侵入して、中国の安全保障を損ねている」せいだとされた。そして、中国の地位を脅かすあらゆる脅威に立ち向かうという宣言がなされていた。
白書はさらに続けて、台湾の独立の動きを助長している「外部勢力」(これも米国のこと)を批判した。北京で白書を発表した上級大佐の呉謙は、台湾の独立の動きに対して、人民解放軍は「ただちに行動を起こす用意がある」と述べ、すでに明確になっている姿勢をあらためて明確に示した。
中国の国防白書と、米国の2つの文書から読み取れるのは、あるアナリストが冷静に分析しているとおり、「既存の超大国と新興の超大国との戦略的な対立が強まっているという明らかな警告」だ。この対立は「米中両国の今後数十年間の行方を左右することになる」。両国の安全保障期間はどちらも、互いを将来の敵国として注視している。
新型コロナウイルスとその起源をめぐるいいがみ合いから、関係はさらに悪化した。
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貿易戦争の背後には、「未来の技術」への深い関心がある、両国のあいだでは、すでにハイテク・アルゴリズム兵器の開発競争が始まっており、とりわけ人工知能の技術で激しい競り合いが演じられている。

中国政府は2015年、10のハイテク分野で世界のトップに立つことを目指した「中国製造2025」戦略を打ち出した。そこでは中国の1人当たりの国民所得がまだ米国のわずか6分の1であり、「中所得国の罠」に陥って停滞するのを避けるためには、バリューチェーンにおける地位を高める必要があると指摘されている。そこで目標にされているのも、米国に「追い付く」ことだ。ペンスはこれに関して演説で、中国の「共産党」は最終的には「世界の最先端産業の9割を支配」し、「21世紀経済のコマンディング・ハイツ(管制高地)を獲得」できるようになるだろうと述べている。

米中の技術競争はすでに5G(第5世代移動通信システム)接続をめぐって、とりわけ中国の企業ファーウェイをめぐっても繰り広げられている。世界最大の通信企業、5G技術の先頭を走るファーウェイは、中国を代表する企業であり、中国の技術力と商業力の象徴だ。米国政府の主張では、ファーウェイの技術が中国政府による監視や不正操作を与え、ファーウェイ自体、裏で政府や共産党とつながっているとされる。米国政府はファーウェイを国内の通信ネットワークから排除するとともに、他国にも同じ措置を講じるよう働きかけている。第一次世界大戦前の英国とドイツの建艦競争を思い出させる5Gとファーウェイの問題は、現代の新しい対立を体現していると言える。
米中の緊張関係が高まる中、「敵意とゼロサムの計算」がいかに危険かについて警告を発したのは、2005年に国務副長官の立場から、「責任ある利害関係者」としての中国という考え方を提唱したロバート・ゼーリックだった。ゼーリックはその15年後、もとの講演の題名の中では「利害関係者」という語のあとにクエスチョンマークがついていたと指摘した。当時も確かなことは何もなかった。しかし、明らかな緊張関係の中で、中国は実際にさまざまな方法で、欧米や日本によって築かれた国際体制に参加していた。ところが今、米国は中国を追い詰めて、「ルールのまったく違う独自の国際体制を別に築こうとさせてしまっている」。このままでは経済の面でも、政治の面でも、大きな代償を支払うことになりかねない。
経済的な相互依存がこれまで、軍事的、戦略的な対立のバラストとして機能してきたが、そのバラストが今、過剰な重みに耐えきれず、それに伴っていた協力的な態度もろとも、南シナ海に没しようとしているように見える。経済的な関係の新たな不安定化によって、「事故」や、対立や衝突を制御できなくなるリスクは増す。
米国も中国も「退去」しないことははっきりしている。緊張が高まっても、両国は同じ惑星で共存していかなくてはならない。大型合意は難しいかもしれないが、現実的な解決策と賢明さによってリスクを和らげることはできる。海図からあの「危険海域」を引っ張ってきて、21世紀の新たな地政学の地図に取り入れざるを得なくなるより、そのほうがずっといいはずだ。