じじぃの「科学・地球_308_人権の世界ハンドブック・インターネット切断」

Internet Shutdowns: These Countries Shut Down Access the Most in 2020 | Explain This

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=2Jq5GcoY9Qg

インターネットへのアクセスを遮断

世界各地のインターネット遮断のマッピング

2021年12月22日 反監視情報
この1年間、世界中の何十億もの人々が、家族や友人との連絡、オンラインでの学習、在宅勤務、コロナウイルスパンデミックに関する重要な情報の入手など、インターネット接続に大きく依存してきた。
2020年のCOVID-19では、需要が高まっているにもかかわらず、インターネットへのアクセスを遮断した29カ国のうち、インドがトップとなった。
https://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/hankanshi-info/knowledge-base/mapping-internet-shutdowns-around-the-world/

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『地図とデータで見る人権の世界ハンドブック』

カトリーヌ・ヴィトール・ド・ヴァンダン/著、土居佳代子/訳 原書房 2021年発行

権利の危機、危機における権利 より

1948年から2018年のバランスシートは?
1948年の世界人権宣言は、人権を国際共同体の保護下におくことによって、人権の歴史においてもっとも重要な段階を画した。
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だが、人権が全体として受け入れられる状況にある場所においても、勝利を叫ぶのはむずかしい。根絶したとされた貧困が裕福な国にふたたびしのびこんで、新しい形の排除を生んでいる。多くの孤立した無法地帯や専制主義の地域があり、さまざまな形の差別が存続している。たとえば外国人の境遇や、住民の監視装置の強化とますますの高度化だ。安全性の至上命令を理由にしているが、それは常にエスカレートし、いまや追加の正当化事由をテロの脅威の恒常化に見いだしているのだ。
こうした客観的状況は、人権がたえず改善しているという楽園的なヴィジョンに賛同するのは難しいことを思わせる。しかしだからといって、けっして人権の約束をたんなる幻想だと考えてはならず、それが実現するように闘いを続けなければならない。

インターネットと新しいテクノロジー

28年前に誕生したインターネットは、世界の人口の半数以上によって利用されている。知識と変化を手に入れられる、信じがたいような道具だ。インターネットとデジタルテクノロジーによって、教育の新しい形態や遠隔医療が可能になり、人工知能ビッグデータをあたえられたアルゴリズム)が決定を助けてくれる。携帯電話とモノのインターネット[IoT。モノがインターネットに接続され相互制御する]によって、つながった人間が幾何級数的に増加している。

どれだけ安全なのか?

こうしたデジタルがもたらすものは危険なしではいない。膨大な数のデータを収集し、その出所をジオロケーション[地理的位置決定、または推定]するのだが、普遍的なストックや同意のない個人情報の使用は、アイデンティティの不当な取得、ハラスメント、差別をひき起こし、誤った情報の伝達は、民主主義の機能を侵害する。この道具は、国家や企業や個人の、他人の私生活に入りこむ能力を増大させる。こうしてGAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)は「無償」のサービスを提供しているが、その代価は、彼らが売り、彼らの経済モデルであるターゲットをしぼったマーケティングに利用するデータの目に見えない集約的な使用であり、彼らはすべてを意のままに支配しようとしている。購買の提案、価格の差別化、アルゴリズムがある人物について「危険がある」と判断した場合のサービス提供拒否など。さらにすべてのデータは、アメリカやヨーロッパの情報機関にもたらされる可能性があることは、エドワード・スノーデンが2013年に明らかにしたとおりである。

閲覧の自由とは?

2012年、国連はインターネットへのアクセスは基本的権利であり、「個人がオフラインで享受できる権利、とくに表現の自由はオンラインでも保護されるべきである」と評価した。しかしながら、多くの国では国家の安全保護、反乱の防止あるいはテロ、犯罪との闘いの名のもとにインターネットの切断やソーシャルネットワークの検閲を強行している(イラン、カメルーン、中国、ミャンマー、チャド、スーダンコンゴ民主共和国、インド、ナイジェリア、パキスタン、シリア、バーレーンアラブ首長国連邦、マレーシアなど)。こうした措置は権利の侵害である(ジャーナリストの活動、人権活動家など、そして企業の活動に対しても同様だ)。これらの国では、反体制派、活動家、ジャーナリスト、危険な徴候を警告するような人々は、おどされ、刑務所に入れられ、暗殺されることさえある。
たとえばエジプトでは、活動家は彼らの通信内容がすべて当局に知られ、罰せられることになるような悪意のリンクをふくんだメッセージを受けとっている。
バーレーンでは、人権活動家のナビール・ラジャブが、ツイッターにイエメン戦争とバーレーンの刑務所での拷問を告発したかどで、2018年1月に5年の禁固刑を言い渡された。
中国では、反体制派や腐敗を告発するジャーナリストの弾圧にくわえて、市民すべての態度を判断するためのビッグデータが利用される。顔認証に連動した監視カメラによるかインターネット上で、ひとりの人間が現実生活でなにをしているか全部知ることで、逸脱者を罰しようとしている。
このような権利の侵害を前に、一般的利益と犯罪との闘い、デジタルエコノミー、そして自由の尊重のあいだでのバランスを保証するような国際協約が要請されている。