じじぃの「科学・地球_303_人権の世界ハンドブック・平等・所得」

Richest Countries in the World by GNI Per Capita

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=cDHG62zjV-0

List of countries by GNI (nominal) per capita

世界・人口1人あたりの国民総所得ランキング

世界171の国と地域を対象とした人口1人あたりの国民総所得(名目GNI)[購買力平価(PPP)ベース]についてのランキングです。
人口1人あたりの国民総所得(名目GNI)[購買力平価(PPP)ベース]ランキングマップ
日本の人口1人あたりの国民総所得は、37,630ドルで、世界ランキングの順位は18位です。
ランキングの1位はカタールの123,860ドル、2位はシンガポールの76,850ドル、3位はノルウェーの66,520ドルです。
ランキングの最下位は中央アフリカ共和国の600ドルです。
http://top10.sakura.ne.jp/IBRD-NY-GNP-PCAP-PP-CD.html

『地図とデータで見る人権の世界ハンドブック』

カトリーヌ・ヴィトール・ド・ヴァンダン/著、土居佳代子/訳 原書房 2021年発行

人権の歴史 より

人権は時を超えるものとしてイメージされるべきではない。それは政治的・哲学的思想のゆっくりとした成熟ののちに、ある時期、ある場所、すなわち17世紀と18世紀ヨーロッパで姿を現わした。
1789年にフランスでおごそかに宣言され、その後徐々に法文に組み込まれた「人間と市民の権利宣言」も同様に社会の精神構造と慣行に根づいたものである。こうした具体化は民主主義体制の定着と強化をともなった。だがこの具体化が不完全で、さらには脆弱であったことは、20世紀前半の、独裁への回帰や、全体主義あるいは第2次世界大戦の残虐性の経験が示すとおりである。

平等

平等は、その反対である不平等によって測ることができる。不平等は収入、財産、教育、能力など、さまざまな形態がある。しかしながら、不平等のなかでもっとも重大なのは収入の不平等だろう。ほかの形の不平等をかなりよく要約しているうえに、なにより容易に測定できる。

世界の不平等

世界規模では、収入の格差は巨大である。2016年、その差は住民1人あたり1年間で、中央アフリカ共和国の700ドルからカタールの12万7000ドルまで開いた。数字が入手できる175ヵ国の分布は単純だ。所得がもっとも少ない国はアフリカと東南アジアに、もっとも多い国は中央ヨーロッパと西ヨーロッパ、オーストラリア、北アフリカアラビア半島に集中している。この非常に大きな差は縮小しつつある。世界でもっとも貧しい10%は、2001年にも、2016年と同様、世界全体の収入の1.7%を受けとっている(収入が全員同じの場合は10%になるはずのところ)一方で、2001年に全体の収入の46%を受けとっていた裕福な人々の収入は、2016年には全体の33%に減っている。
これでもまだ、地球でもっとも裕福な10%に含まれる人々が、もっとも貧しい10%の20倍の収入を得ていることを意味する。所得差の広がりの縮小は、中程度あるいはかなり所得の低い国では効果があったが、非常に貧しい国の利益にはならなかった。2001年に達していた水準と2001年から2016年にかけての1人あたりの収入が増加を比較することで、それがわかる。グラフ上で確認できるように、もっとも進歩があった国々はその時期、住民1人あたりの収入が2500から4000ドルのあいだにあった。2万ドル以上では、伸びがもっとずっと緩慢であり、1500ドル以下ではさらに遅い。
この数字は国ごとの平均所得にもとづいているので、各国内での格差は無視している。ところが状況はじつにさまざまである。ラテンアメリカでは、富裕層上位10%の収入は貧困10%の収入の30倍を超えている場合が多い。(ブラジルで34倍、コロンビアで31倍、ホンジュラスで37倍)。南アフリカでは50倍にのぼる。アメリカでは19倍に達している。反対に、ヨーロッパでは、富裕層と貧困層の関係はもう少しだけバランスを保っている。(スペイン14倍、フランス8.5倍、ノルウエー、デンマークフィンランド6倍)。予期しないじゃ太刀で、平等は旧共産国においてより保たれていて(ウクライナスロヴェニアで5倍、ルーマニアセルビアベラルーシ6倍)、まるで寡頭政治、平等が自由より好まれた過去を破壊するにいたらなかったようだ。
世界全体の変化と反対に、比率が2001年と2016年のあいだに6.8から8.5倍になったフランスやドイツ(7.5から8)、イタリア(10.5から12.5)など多くの国の内部で不平等が増大している。