じじぃの「科学・地球_305_人権の世界ハンドブック・平均寿命」

World Life Expectancy Ranking History & Projection (1950~2100)

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=ZGw-v_2QAdQ

各国の平均寿命

平均寿命

ウィキペディアWikipedia) より
世界保健機関(WHO)の世界保健統計(World Health Statistics)のデータベースによると、2019年の世界の平均寿命は73.3歳(男性70.8歳、女性75.9歳)。発展途上国で乳幼児の死亡率が低下したため、2000年時点より6.5歳延びたものの、高所得国が80.9歳であるのに対して、アフリカ大陸などにある低所得国は65.1歳と、国の経済水準による格差が大きい。
CIA World Factbookによる2021年のデータによると、平均寿命が特に短い国はアフガニスタン中央アフリカ共和国ソマリアモザンビーク南スーダンなど。一番短いアフガニスタンは平均寿命が53.25歳であり、男性が51.73歳、女性54.85歳しかない。
特に長い国はモナコ89.4歳(男性85.55歳、女性93.4歳)、シンガポール86.19歳(男性:83.48歳、女性:89.05歳)、マカオ84.81歳(男性:81.89歳、女性:87.86歳)、日本84.65歳(男性:81.73歳、女性:87.74歳)、サンマリノ、カナダなど。つまり、アフガニスタンの平均寿命は、日本の約60%程である。

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『地図とデータで見る人権の世界ハンドブック』

カトリーヌ・ヴィトール・ド・ヴァンダン/著、土居佳代子/訳 原書房 2021年発行

個人と集団の権利の前進と尊重 より

ここ70年の人権の進化については、楽観的な解釈を提供することができるだろう。この点にかんし、人権の主張が一般化したこと、認知された権利の段階的な進展、市民権と参政権、経済的、社会的、文化的権利が不可分であることの宣言、権利と自由の実定法への記載がこの権利と自由の侵害を罰するための統制のメカニズムの発展とともに、完全に根こそぎにされたというにはほど遠いとしても、植民地やアパルトヘイトや人種差別は完全に法の保護の外に置かれたことを指摘しよう。
しかしながら、国際共同体の保護のもとに置かれた人権原理へのほぼ普遍的な賛同が、かならずしも人権に対してもたらされつづけている侵害に対しての保障となっていないことは、認めざるをえない。

健康権と障害に対する闘い

健康を享受する権利は、容易に理解できる権利で、1966年に採釈された経済的、社会的および文化的権利に由来する基本的な権利である。教育を受ける権利や住居権などと同様に、すべての民主的社会に必要な権利だ。皆にとって、健康を守るシステムにアクセスできることと同様、だれもが質のよい健康への手あて(医療)が受けられることを意味する。この権利は非常に重要なので、自明のことのように思われる。しかしながら、語義を調べると、この権利は自明とはほど遠い。

もし、WHO(世界保健機構)が1946年の憲章のなかで明言しているように「健康とは肉体的、精神的および社会的に完全に良好な状態のこと」であり、たんに病気や障害がないだけではないなら、だれも、どんな制度も、どんな憲法典も、どんな国家もあきらかにそのような権利を保障することはできない。したがって、健康権を、医療へのアクセスと定義しよう。

どんな手あて?

フランスでは効率を考えて、保健衛生の領域と社会領域が分けられた(1975年7月法)。別の言い方をすれば、社会医療施設と純粋な医療施設が区別された。訓練を受け評価を得た、高度な専門知識をもったプロフェッショナルたちによって推進される、新しく非常に高性能の施設のために、施療院の慈善的なユニバーサルデザインに終止符が打たれた。
そうすることで、アプローチの2つの方法を分けたのだ。
・キュア――治療そのもの、たとえば外科あるいは蘇生、非常に専門的で、その領域で基準であり、世界中で一般的である適正な実践に従う。
・ケア――もちろんそれよりは専門的でないが、同じくらい多くが要求される。付き添い、看護、注意、聴取、衛生、おそらく好意や他者への心づかいも。だがほかの要素も入ってくる。行政医療への配慮や医療経済への配慮である。暗黙のうち、そして倫理意識から「健康には値段がない」ことがふさわしく、医療や介護を受ける権利をこの尺度で議論することはできないのではあるのだが。

さまざまな局面

今日では健康の5つの局面に遭遇するだろう――健康の予測、予防的ヘルスケア、治療、リハビリ、そして5つ目が緊急医療だ。