じじぃの「浅田彰×先﨑彰容・ウクライナ情勢と世界・プーチンの国家観とは!プライムニュース」

20220314【前】浅田彰×先﨑彰容対論 ウクライナ情勢と世界 プーチンの国家観とは

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浅田彰×先﨑彰容対論 ウクライナ情勢と世界 プーチンの国家観とは 【後編】

動画 fnn.jp
https://www.fnn.jp/articles/-/331415

浅田彰×先﨑彰容対論 ウクライナ情勢と世界 プーチンの国家観とは 【後編】

動画 fnn.jp

ユーラシア主義

ウィキペディアWikipedia) より
ユーラシア主義(Eurasianismus)とは、ロシア革命ボリシェビキ政権に対する反応の1つとして、1920年代に白系ロシア人(非ソビエト系亡命ロシア人)の間で流行した民族主義的思想潮流。
ロシアはアジアにもヨーロッパにも属さず、地政学的概念である「ユーラシア」というものに属することを主張する。
「非欧州」と「ロシア正教会」を主軸としたロシア文明の再構築を構想しつつ、ロシア革命ボリシェビキ政権(ソビエト政権)を、そこに至る必要な一過程として、肯定的に捉える。代表的人物として、ニコライ・トルベツコイ等がいる。

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プライムニュース 「浅田彰×先﨑彰容対論 ウクライナ情勢と世界 プーチンの国家観とは」

2022年3月14日 BSフジ
【キャスター】新美有加、反町理 【ゲスト】浅田彰(京都芸術大学教授 批評家)、先﨑彰容(日本大学危機管理学部教授 思想史家)
ロシア軍による軍事侵攻で緊迫の情勢が続くウクライナ。この戦争はなぜ起きたのか?戦後、そして冷戦後に構築された国際秩序は破壊され再編に向かうのか?この新たな局面に日本が国家として取るべき姿勢と立ち位置は?
1980年代にベストセラーとなった著書『構造と力』で、「ニュー・アカデミズム」ブームのきっかけを作った批評家・浅田彰氏と気鋭の日本思想史家・先﨑彰容氏が対論。

浅田彰×先﨑彰容 ウクライナ情勢と世界 プーチンの国家観とは

●緊迫した情勢が続くロシアによるウクライナの軍事侵攻
今から約40年前の1983年に発売され思想書としては異例のベストセラーになった「構造と力」の著書を当時26歳の若さで執筆し、浅田彰現象とも呼ばれるニューアカデミズムブームを巻き起こした批評家・浅田彰と、気鋭の思想史家・先﨑彰容を迎え、ウクライナ侵攻の本質と日本がとるべき姿勢について徹底議論する。

キエフに残っている日本人、高垣典哉に現地の情報を聞いた。
高垣典哉は「若い人たちは戦うと言っている。徴兵制はあるが、一般国民は志願制。妻と小さい息子がキエフから50km離れた所に避難している。ロシア軍が攻めてきたら、戦う。無理だと思ったら隠れる」と語った。
ウクライナへの侵攻の本質について
プーチン大統領は「ウクライナの中立化、非武装化」「ウクライナの非ナチ化」「クリミア半島でのロシアの主権承認」「『ドネツクルガンスク人民共和国』を主権国家として承認」を要求。
これらの「ロシアの安全保障上の正当な利益」が無条件で考慮される場合にのみ、問題解決は可能だと一方的に表明した。
浅田彰、「僕が住んでいる京都はキエフ姉妹都市プーチンがここまで追い詰められたからやるだろうと思っていた部分と、こういう形でやるとは思わなかったという部分の2つがある。旧ソビエト連邦の崩壊は20世紀最大の地政学的カタストロフィー。ソビエト共産主義国家、社会主義連邦を違う形だが復活させたい思いがずっとある。旧ソ連圏のワルシャワ条約機構に対峙して北大西洋条約機構NATO)があった。東欧民主化の直後にドイツ再統一があって、西ドイツはNATOに入り、東ドイツワルシャワ条約機構だった。これを西ドイツに合併する形で統一した。その分、NATOのフロンティアが東に来る。プーチンは就任直後にはロシアもNATOに入っていいと言っていた。G8にも入っていてクリミアで除名された。ロシアから見るとベラルーシウクライナジョージアが最後に残った防衛ライン」
●東西冷戦と冷戦後の国際秩序
浅田彰、「今回の1つの見方は冷戦の終わり方を間違ったことが今に至っている。第1次世界大戦が終わった段階でケインズが警告したにもかかわらず、敗戦国・ドイツに過大な賠償金を科して、約10年経った段階で世界大恐慌もあってドイツが経済破綻し非常に不安定化してナチスになる。悪い教訓として第2次世界大戦が終わった後は敗戦国であるドイツや日本に対しても援助して復活させて、冷戦が起こりかけていたから西側の一員として組み込もうとした。冷戦が終わった時、ゴルバチョフの上からのペレストロイカがどこまでうまくいったか分からないが、あんなに恐ろしい国で共産党のトップに上り詰めた後で情報公開し民主化をやろうとした人が出たから、これに賭けてみようという話があったが、現実主義者が徹底的にやっつけた結果として、ゴルバチョフペレストロイカは失敗した。その後、エリツィンが出てきて急激な資本主義化でオリガルヒが跳梁するような大混乱になり、大混乱を抑えるにはものすごい豪腕のストロングマンがいるということでプーチンが出てきた」
浅田彰、「『一体性論文』が出た直後にゼレンスキー大統領が『アベルとカインの話みたいだ』と、うまい受け答えをしている。アダムとイヴの息子のカインが弟のアベルを殺す。人類最初の殺人。人殺しの兄に抱きつかれても困るという意味」
先﨑彰容、「戦前の1930年代がポイント。ユーラシア主義はロシアにとっては1917年のロシア革命が大きくて、ロシア革命によって多くの知識人や貴族たちが亡命する。最初にアイデンティティクライシスが起きる。ヨーロッパにも属さない、アジア的なものでもない、独自的な空間を作って独自の民族の価値観を持っているという考え。フランスはヨーロッパの最先端の象徴。それに対して常にコンプレックスを抱き続けるのがロシアという地域。1回目のユーラシア主義はヨーロッパ、近代化。今回は米国を中心とした世界観に対して強烈に批判、否定がある。プーチン大統領は先祖返りしている。自分たちのことをネオユーラシア主義という価値観を持った国だと言っている」

浅田彰、「象徴は大統領。ゼレンスキーは元々コメディアンで、ドラマを演じて有名になった。コメディアン上がりと思っていたら、英雄的に抵抗していて素晴らしい。ゼレンスキーは台湾の蔡英文が明日から独立すると言っているようなもの。かなり不用意だったと思う。その点、蔡英文総統は現状は独立しているようなもの、独立を声高く言わない。うまい綱渡りをしている。米国はソ連が核大国だから直接は戦わない。彼らの立場としては交渉するしかない」

先﨑彰容、「ウクライナはロシアと戦うという選択肢と、逃げるという選択肢の2通りのやりかたがあった。難しい問題だ」
●ロシアによる現状変更と日本の安全保障

Q.ロシアによる現状変更が日本の安全保障上の脅威につながると思うか

思う    81%
思わない  11%
先﨑彰容、「安全保障上の脅威になっているということは不安になっているということ。こういう番組で取り上げることによって安心を得るということはある」

【提言】 「国際社会の現状を日本はどう見据えるべきか」

浅田彰 「〇XはX」
 ロシアが完全にXなのか、逆に米国が完全に〇なのか。自問してみる。
先﨑彰容 「自問自答」
 日本自身がこれを(ロシアによるウクライナへの侵攻)を踏まえて何をすべきかを自問をする。

●聞きたい事・言いたい事
視聴者、「日本国内の報道は西側のフィルターに偏り過ぎている。日本のマスメディアの現状やあり方をどう考えるか」
浅田彰、「いま世界の大半は反プーチンになっていて、そう伝えざるを得ない。感情的なあおり方は良くない」
先﨑彰容、「正義のヒーローが悪を叩くような構図ではないという思考を持つことがひいては戦争を起こさない」
視聴者、「核を持った国家に対して核を持たない民主国家は勝てないのか」
浅田彰、「プーチンは悪い前例を与えてしまった。リアリズムでいくしかないということではなく、法秩序をやり直さないといけない」
視聴者、「ウクライナ侵略は、近代とは何かを問われていると思う。仕方なく欧米追従していくしかないのか」
先﨑彰容、「違う道を歩む必要性はない。欧米を中心とした国際秩序作りについていけば良かったが、インド太平洋戦略がそうであるように主要国の一角を担わないといけない」
https://www.fnn.jp/subcategory/BS%E3%83%95%E3%82%B8LIVE%20%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9