じじぃの「科学・地球_294_現代優生学・能力は生まれつきなのか」

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睡眠時間もDNAによって作用されている?

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T4作戦

ウィキペディアWikipedia) より
T4作戦は、ナチス・ドイツ精神障害者身体障害者に対して行われた「強制的な安楽死」(虐殺)政策である。
1939年10月から開始され、1941年8月に中止されたが、安楽死政策自体は継続された。「T4」は安楽死管理局の所在地、ベルリンの「ティーガルテン通り4番地」(現在同地にはベルリン・フィルハーモニーがある)を略して第二次世界大戦後に付けられた組織の名称である。
【犠牲者数】
これらの政策により、精神病患者などがおよそ8万から10万人、ユダヤ人が1,000人、乳幼児が5,000人から8,000人、労働不能になったロシア系などを含む強制収容者の1万人から2万人が犠牲となった。ただし、現存する資料に基づくこの数字は、実態よりかなり少ないと見られており、犠牲者の実数はこの二倍に上るのではないかとも見られている。占領地にあった精神病院でも患者の殺害が行われたが、彼らの殺害にはT4組織は直接関与はしておらず、殺害方法も射殺や餓死などの手段が主にとられた。

ショートスリーパー

ウィキペディアWikipedia) より
ショートスリーパー(short sleeper)とは、短い睡眠時間で健康を保っていられる人間のことであり、短眠者(たんみんしゃ)ともいう。
ショートスリーパーは、平均的な睡眠時間(7-8時間)の人間と比べて、レム睡眠が圧倒的に少ない。ノンレム睡眠の時間はほとんど差が無い。その為、通常の人よりも睡眠時間が短くても、特段不調を訴えることはないとされる。睡眠専門医の多くは、睡眠時間は遺伝子で決められているため、睡眠時間を縮めることは不可能だと指摘している。

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『「現代優生学」の脅威』

池田清彦/著 インターナショナル新書 2021年発行

第6章 能力や性格は遺伝で決まるのか より

知能はどれほど遺伝するのか

ここまで見てきたように、人類の歴史上、国家や社会、そして個人は常に優生学の誘惑にさらされてきました。T4作戦や無癩県運動は、現象としては極端な例かもしれませんが、歴史を俯瞰すると思想的にはむしろ凡庸でありふれたものだということがわかります。
優生学の根幹にあるのは、「人間は人為的に改良できる」という思考です。消極的優生学は「能力の劣った者の遺伝を断つことで、優れた人間の比率を上げていこう」という発想ですし、もう一方の積極的優生学は「優れた人間の人間同士を交配させる、もしくは胎児や精子卵子の段階で優れた形質となるように改変したい」という要求に行き着きます。
現代的な消極的優生学を示す現象として。わかりやすい例を挙げるとすれば、年金・医療・介護といった社会保障の切り捨てや、相模原市の事件のような極端な思想を持つ者による障害者の抹殺になるでしょう。こうした現象の背後にあるのは、少子高齢化や財政基盤の脆弱化、そして長く続く経済の低迷です。
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現在、出生前診断で遺伝子異常を発見できるようになったこともあり、「胎児が障害をもって産まれてくる可能性があるなら、中絶を選択する」という人が増えてきました。妊婦の血液を採取し、わずかに含まれる胎児由来のDNAから染色体を調べることで「障害の有無」がわかるようになったわけですが、こうした遺伝子の扱いを巡る倫理的な議論は、依然として深まっているとは言えません。この章では、出生前診断や行動遺伝学、ゲノム編集など、遺伝学と現代優生学との関係について検討していきます。

行動遺伝学

もし能力や性格、形質のほとんどが遺伝情報によって決定されるとするならば、一卵性双生児の遺伝子は完全に一致しているので、極端に違う育て方をされない限りはほぼ同じ能力を示すはずです。実際、「行動遺伝学」という分野では双生児を用いた研究が進められてきました。
たとえば心理学者の安藤寿康の研究グループでは、1万組以上の双生児ペアを調査し、遺伝子が100パーセント一致する一卵性双生児と、普通の兄弟姉妹と同様に50パーセント程度一致する二卵性双生児とで、相似の蛍光に違いが出るのかどうかを調べています。
その研究でわかったのは、指紋や体重といった表現型に関するものでは一卵性双生児に非常に強い相似性が現れたものの、IQについては「やや強い相似性」が見られる程度ということでした。IQの個人差は、「50パーセント程度は遺伝によが、残りは生育環境によって決まる」というのが安藤の結論です。
この研究は、あくまでも「異なる集団を統計的に比較したときに、有意な傾向が現れる」という話であって、個人レベルでの「遺伝子と資質の相関」はいまだよくわかっていません。結局のところ膨大な遺伝情報のうち、どの情報が情報がどのような行動を規定するのかは、まったく解明されていないとうのが実状です。
単純な機構の生物であれば、外界からの刺激をレセプター(受容体)が受け取ることで、特定の行動を起こすということは多々あります。ただ人間の場合、脳の構造が複雑怪奇といってもいいほど精妙につくられているので、ある刺激に対して単一の反応をするということはありません。同様に、ある特定の遺伝子の因子ひとつで、人間の行動が規定されるということもないのです。

ショートスリーパー遺伝子

ゲノム編集は、「背を高くする」「筋肉量を増やす」といった「肉体的なこと以外の能力強化」にも利用される可能性があります。たとえば、2019年に「短い睡眠でも健康を害さず精力的に活動できる『ショートスリーパー』の人たち特有の遺伝子が見つかった」という興味深い研究結果が発表されました。その研究をしていたグループが、3世代にわたってショートスリーパーが生まれている家庭を調べたところ、ショートスリーパーとそうでない人を分かつのは、「『β-1アドレナリン受容体遺伝子(ADRB1)』の塩基に、突然変異が生じたかどうか」であることが解明されたのです。さらにこの突然変異は、およそ10万人に4人の割合で発生することがわかっています。
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ショートスリーパーになりたいかどうかはともかく、多くの人が望むような資質が、こうした遺伝子の差異によってもたらされるとわかった場合、そのような遺伝子をもつ人との結婚、あるいは人工授精が盛んになってしまうかもしれません。テクノロジーによって受精卵の段階から、ゲノムを編集しようとする人たちが現れる可能性も考えられます。

しかし、生物の形質は遺伝子の相互作用や細胞同士の干渉、あるいは後天的な環境要因など、様々な影響によって発現の仕方が変わってくるので、そうした行為がどのような結果になって現われるのかは誰にもわかりません。複雑な要素の多い遺伝情報を操作することで生じた「失敗」の責任を誰が取るのか。あるいは、何をもって「失敗」とするのか。そうした判断を下すことなど、誰にもできないはずです。