じじぃの「科学・地球_269_366日風景画をめぐる旅・サフォーク(イギリス)」

John Constable: A collection of 248 paintings (HD)

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Y_xe6XgenQI

ジョン・コンスタブル 「ヴァリー・ファーム」

3つのキーワードから紐解く。イギリス風景画の巨匠、ジョン・コンスタブルの表現世界2021.3.21 美術手帖

イギリス風景画の巨匠といえば、まずJ.M.W.ターナー、そしてジョン・コンスタブルの名が挙げられる。
彼らは、当時ヨーロッパにおいては下位におかれていた「風景画」というジャンルを刷新し、その地位を大きく引き上げることに貢献、印象派にも影響を与えた。三菱一号館美術館では、日本では35年ぶりとなるコンスタブルの回顧展が開催中。本稿では3つのキーワードをもとに、コンスタブルの描く世界、そして展覧会の見所を紹介する。
https://bijutsutecho.com/magazine/insight/23743

『366日風景画をめぐる旅』

海野弘/解説・監修 パイインターナショナル 2021年発行

画家たちが愛した風景 8 サフォーク(イギリス)Suffolk(England) より

ロンドンの東北、イースト・オブ・イングランド地方のサフォーク州イースト・バーゴルトにジョン・コンスタブルは生れた。製粉所の息子であった。1799年、23歳の時、ロンドンに出て画家になる決心をする。ロンドンで修業し、ふるさとにはたまに帰るだけであったが、1809年、彼はイースト・バーゴルトの風景を描きはじめ、それ以来、サフォークのスタウア川の流域が<コンスタブル・カントリー>となる。1819年、スタウア川の大作シリーズの第1作「白い馬」が発表される。スタウア川はサフォークを西から東へ流れ、海に注ぐが、ストラトフォードとイースト・バーゴルトの南あたりの両岸にコンスタブルの好きな風景が並んでいる。デダムの水門と製粉所からフラットフォードの水門と製粉所にかけてである。
コンスタブルは名所ではなく、自分が親しんだ、ありふれた風景を描いた。「白い馬」も馬が主題ではなく、川と向こう岸の田舎家が中心で、馬は左手で、舟に乗せられて川を渡っている。ほんの端にいるだけだ。
スタウア川シリーズ第2作「ストラトフォードの製粉所」(1820)、第3作「ほし草車」(821)が発表され、コンスタブルは画家として認められる。この頃、<スカイング>というそらの雲の動きをとらえようとする習作をいっぱい描いている。
第4作「デダム近郊のスタウア川の眺め」(1822)、第5作「水門」(1824)、第6作「跳ねる馬」(1825)を描いた。
1827年、コンスタブルはロンドン郊外のハムステッドに引っ越した。しかし翌年、妻マリアが亡くなる。その頃から、スタウア川を訪ねることが少なくなるが、それでも、晩年になるとまたサフォーク州のなつかしい<コンスタブル・カントリー>をしばしば訪れている。
自分の原風景を描きつづけるというコンスタブルの世界は、印象派などによって受け継がれた。スタウア川の名とその風景は、コンスタブルによって不滅なものとなった。

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