じじぃの「科学・地球_268_366日風景画をめぐる旅・ベルギーのレイエ川」

Emile Claus and Others #272

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=7grb8ISDl14

エミール・クラウス 「野の少女たち」

エミール・クラウスとベルギーの印象派

2013-06-09 アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
東京ステーションギャラリーで開催中の “エミール・クラウスとベルギーの印象派” に行ってきました。
こちらは、ベルギー印象派の巨匠エミール・クラウスをテーマに取り上げた日本初の美術展です。
エミール・クラウス (1849~1924) 作品の特徴は、何と言っても、その明るさ。
《野の少女たち》 も、
https://ameblo.jp/artony/entry-11547145051.html

『366日風景画をめぐる旅』

海野弘/解説・監修 パイインターナショナル 2021年発行

画家たちが愛した風景 7 ベルギーのレイエ川(Leie in Belgium) より

19世紀末、印象派からモダン・アートへの転換期に、ベルギーはユニークな役割を果たした。イギリスとフランスの新しい流れを結びつけたのである。首都ブリュッセルにはおびただしいアール・ヌーヴォー建築がのこっている。それを見て歩いた時の旅がなつかしい。夜はベルギー名物のムール貝を食べた。
ベルギーのアーティストは、イギリスのラファエル前派、ウィリアム・モリスのアーツ・アンド・カラフツ運動をフランスへ中継した。そしてラファエル前派の影響を受けたフェルナン・クノップフなどのベルギー象徴派があらわれる。
ベルギーの画家たちはフランスで学び、印象派の影響を受けたが、独自の、象徴派と印象派を融合させたスタイルを形成してゆく。ベルギーの批評家オクターヴ・モースは1880年に「20人会」、1894年に「自由美学」を結成して、その展覧会にモネ、ルノワールオディロン・ルドンなどを招き、クノップフ、ヤン・トーロップなどベルギーで活躍する画家たちと一緒に展示した。フランスの印象派の画家たちはむしうベルギーの「自由美学」展で評価されたのである。
フランス中心に語られてきた近代美術史はこのところ、ベルギーの象徴派、印象派の画家たちをあらためて評価している。
エミール・クラウスもその1人だ。クラウスは印象派の影響を受け、「ルミニスム(光輝主義)の名でベルギー印象派グループをつくった。1882年からベルギーのゲントの近くのレイエ(リス)川のほとりに住み、「陽光荘」というアトリエをつくり、レイエ川の風景を描きつづける。パリからも多くの画家が訪れ、レイエ川沿いのアステヌは芸術家村となる。
1904年、クラウスは「生と光」というグループを結成し、ブリュッセルで活動する。ブリュッセルではヴィクトール・オルタなどのアール・ヌーヴォー建築が町を飾っていた。
パリ近郊のセーヌ河のほとりに芸術家村ができたように、ベルギーのレイエ川にも芸術家村ができた。象徴派、印象派アール・ヌーヴォーが混ざり合っていたベルギーの世紀末に興味がつきない。

                  • -