じじぃの「科学・地球_262_366日風景画をめぐる旅・ノルマンディー」

【フランスに乾杯】ジヴェルニー

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=xgPU9MJ7ImY&t=59s

モネの足跡をたどって

ノルマンディー地方を訪れる

フランス北部のノルマンディー地方は、言わずと知れた印象派発祥の地。 リンゴの蒸留酒カルヴァドスや、活気溢れる港街の風景を楽しみましょう。
https://jp.france.fr/ja/campaign/folder/kanpai_normandy

『366日風景画をめぐる旅』

海野弘/解説・監修 パイインターナショナル 2021年発行

画家たちが愛した風景 1 ノルマンディー(Normandie) より

パリからセーヌ河を下って河口に達するとノルマンディー海岸である。印象派の画家たちが描いた海だ。夏は海水浴でにぎわう。海辺にはおしゃれなホテルがある。マルセル・プルーストも夏にやってきた。『失われた時を求めて』の「花咲く乙女たちのかげに」はここが舞台である。夏になるとココ・シャネルもやってきて、店を開いた。
プルーストの跡をたずねてノルマンディー海岸をめぐった旅がなつかしく思い出される。小さなお城が売り出されていて、いつかこれを買って住みたい、などと友人と話し合ったりした。
さて、リゾート地としてのノルマンディー海岸を発見したのはイギリス人だという。なにしろ海水浴というのをはじめたのはイギリス人で、ノルマンディーに海水浴をするためにやってきて、フランス人に教えたのだそうだ。
ここの風景に注目したのもイギリス人の画家であった。かつてはアングロ=ノルマン王国(ノルマン朝)として、イギリスとノルマンディーは一緒であったが、その後、別々になった。ナポレオン戦争では英仏が対立した。それが終わってディエップやル・アーヴルにイギリスから定期船がやってきた。イギリスの画家ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーやリチャード・パークス・ボニントンがそれでやってきて、ノルマンディーを描いた。
ターナーの絵はフランスの画家を刺激し、彼らもノルマンディーを描くようになった。セーヌ河口の左岸のドーヴィル、トルヴィル、オンフルール、右岸のル・アーヴル、サン=タドレスなどに画家がやってくるようになった。さらに海岸を東にたどると、奇岩のあるエトルタはさまざまな画家に描かれた。そしてフェカン、プールヴィイル、ディエップ、カイユー、エタプルからダンケリクまでのノルマンディー海岸が人をひきつけるようになった。
1840年代からジャン=パティスト・カミーユ・コロー、ジャン=フランソワ・ミレー、ギュスターヴ・クールベ、モネ、ヨハン・ヨンキント、シャルル=フランソワ・ドービニー、ジェームズ・マクニール・ホイッスラーなどがやってきた。オンフルール出身のブーダンはノルマンディーの主であった。またラウル・デュフィル・アーヴル出身で河口付近の風景をよく描いた。
パリから鉄道が開通し、ノルマンディーにやってくる観光客が増えた。そして画家たちが描いた風景をあらためて眺めた。

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