じじぃの「韓国・台湾の躍進・日本経済を徹底討論・日本はG7にとどまれるか?プライムニュース」

日本経済を徹底討論! 西村康稔野口悠紀雄 真田幸光の日本再生案 【後編】

動画 fnn.jp
https://www.fnn.jp/articles/-/301985

西村康稔野口悠紀雄&真田幸光 日本人の危機感と経済成長

労働生産性低い日本、G7の座韓国に奪われる」日本の碩学が警告

野口悠紀雄一橋大学名誉教授 日本経済
Jan 13, 2022  KED Global
日本の所得水準が先進国の平均はもちろん、韓国にも立ち後れているという統計が相次いで出ている中、日本のある碩学が10年後には、日本の代わりに韓国が主要7カ国(G7)加盟国になると展望した。
大蔵省(現財務省)官僚出身の野口悠紀雄一橋大学名誉教授(81)は最近、週刊ダイヤモンド、現代ビジネス、東洋経済など、日本の経済専門誌に寄稿文を連載し、日本の経済政策を強く批判した。
https://www.kedglobal.com/newsView/ked202201130002?lang=jp

プライムニュース 「日本経済を徹底討論! 西村康稔野口悠紀雄 真田幸光の日本再生案」

2022年1月19日 BSフジ
【キャスター】新美有加、反町理 【ゲスト】西村康稔(前経済再生担当大臣)、野口悠紀雄一橋大学名誉教授)、真田幸光(愛知淑徳大学教授)
「日本はG7にとどまれるか」。停滞する日本経済にこんな警鐘を鳴らすのが、野口悠紀雄一橋大学名誉教授だ。
野口氏はG7で日本と韓国が入れ替わる可能性にも言及している。すでに日本は、さまざまな指標で韓国に抜かれ、まもなく1人あたりのGDPも追い抜かれるという。日本はなぜ、このような事態に陥ってしまったのか。

韓国・台湾の躍進 日本経済を徹底討論 日本はG7にとどまれるか?

●日本人の危機意識と経済成長
国民にどう危機感を持たせるべきか。
野口悠紀雄、「日本は今先進国の位置を滑り落ちようとしている。このことに多くの人が気づいてほしい。韓国、台湾が追いついてきている。これが世界の今の状態」
1人あたりGDPグラフ(世界銀行のデータより野口名誉教授が作成):OECD平均を1とする指数(米国・日本、韓国・台湾)。
真田幸光、「海外に積極的に売っていく姿勢を持っているかどうかが大きなポイント。日本の場合は国内のマーケットでかなり食べていける余力があった。韓国や台湾は内需が小さいので海外から稼いでこないといけない。良いものを高く売るような努力をやっている。日本や先進国が行かない地域にリスクを取りながら攻めていく。日本も海外から富を中に入れて膨らませていくことを先に取らないといけない。政府の様々な支援をきめ細かにやっていけば日本は十分に再生できる力があると思っている」
西村康稔、「日本は豊かさを更に追求して、金銭的、物質的なものだけではなく衛生や治安の良さを含めて豊かな生活を更に追求して世界のリーダーとして世界の課題にも果敢に挑戦していく国であってほしい。チャレンジする人を応援する税制や予算、規制改革」

反町理、「日本は韓国に負けてしまうのか」

西村康稔、「日本が韓国に負けることはない。しかしコロナ後の新しい経済社会を作っていくという強い危機感を持っている」

低成長が続く日本経済は再生できるのか。
日本経済研究センターが去年12月15日に公表したアジア経済中期予測にあたる1人あたりのGDPのグラフを紹介。
日本の1人あたりのGDPは韓国には2027年、台湾には2028年に追い抜かれる予測になっている。
野口悠紀雄、「韓国と台湾は同じくらいのレベル。いずれ追い抜かれる時期は来ると考えた方がいい」
西村康稔、「ずっとデフレだった。デフレは物の値段が下がり続けるので相対的にお金の方が価値が上がる。多くの人、企業が内部留保を増やして貯金して消費はしないし買い控える。企業は設備投資も行わない。物価が下がると売り上げも伸びないので、コストを抑えるために人件費も抑える。非正規社員をものすごく増やして賃金も抑えた。悪循環の中で日本経済が伸びてこなかった。この何年かは大胆な金融緩和もあり、円安が進んでいるのでドルベースで低くなっていくこともあり、全体として伸びが非常に低い。アベノミクスでやり続けてきたデフレからの脱却が最も大きな課題」
●日本経済は再び成長できるか?
韓国、台湾、日本の違いについて。
野口悠紀雄、「日本の対外的な取引について言うと、1990年代に中国が工業化するという大きな変化が起きたことにどう対応するかが非常に重要だった。結果として韓国と台湾はその関係をうまく利用して、米国から注文を受けて、台湾の場合は作って中国に輸出して、そこから米国に輸出するという非常にうまい国際貿易のチャンネルを作り上げた。日本は中国からの安い工業品が出てきたが対抗できず、古い産業をそのままにして生き延びることが目的だった。そのために円安政策を取った」
出生率は日本が1.34(厚生労働省)、韓国が0.84(韓国統計庁)。
西村康稔、「かつては日本もハングリー精神があって戦後、厳しい中で電気製品を世界中に売りまくった。豊かになるにつれて、韓国や中国が安い労働力で色んな製品を作り技術も上がってきて、だんだん入れ替わってきた。もう一度、ハングリー精神で海外に市場開拓を含めて中小企業も思いは持っているので、どう後押ししていくかが大事。韓国は自由貿易協定を早くに多くの国と結んだ。日本は民主党政権の時に六重苦、七重苦の中に海外との自由貿易協定がないというのがあったが、その後、安倍政権になってヨーロッパ、EUと協定を結び、TPPを結び、米国とトランプ政権になって日米協定を結び、今回RCEPもやった。今や日本の方が世界の中で言うと自由貿易協定を結んでいる範囲は広くなっている。日本から人材も含めて技術が流出した。日本が厳しい時に多くの企業が早期退職を求めて、液晶の技術も韓国に人材が行き技術が漏れた。もう一回、経済安全保障という観点から確認していこうと法律も作りやろうとしている。韓国の経済を見ると中国への依存が非常に強い。平均賃金は上がってきているとは言え、最低賃金も無理やりに上げてきているとは言え、財閥とそれ以外の企業との格差がある。韓国の出生率は0.8台で高齢化も進み、高齢化率は2050年に日本を上回る。人口も韓国はピークを迎えていると言われている」
●成長戦略「デジタル」の課題

企業の時価総額ランキング(昨日時点・ブルームバーグ調べ)

1位からアップル(米国・IT)、マイクロソフト(米国・IT)、サウジアラムコサウジアラビア・石油)、グーグル(米国・IT)、アマゾン(米国・インターネット通販)、テスラ(米国・電気自動車)。
10位 TSMC(台湾・半導体)、21位 サムスン電子(韓国・電機)、28位 トヨタ(日本・自動車)、92位 ソニー(日本・電機)。
真田幸光、「ITやデジタル産業が本当に経済成長を牽引しているものなのか疑問がある。人々が生きていくために重要な物やサービスの分野はやはり重要。食料、原材料、エネルギー、物流。実体経済の分野が伸びていかないとITなどの分野も伸びていかない。トヨタソニーは世界が必要なものの根幹的な消費材を作っている。これだけ時価総額でお金をじゃぶじゃぶにしていくと投機性の資金が、株が入りやすい状況が生まれている。大量生産、大量販売、大量消費の時代は第1次産業革命が起こってしばらくは人々を裕福にしたが現在は、大量廃棄があり地球環境に負荷を与えている。だからSDGsという言葉が出てきているはず。今までのビジネスモデルの発展の中で量が多ければ良いという考えはここで捨てていく必要がある。日本には”もったいない”とか精神がある。トヨタにもそれが受け継がれている。日本の中小企業の力を活かせるのではないか。リサイクルな社会を目指すべきた」

反町理、「人口が多ければいいというものではないと言っているのか」

●成長戦略「デジタル」の課題
岸田政権「新しい資本主義」デジタル田園都市国家構想、経済安全保障、科学技術・イノベーション
真田幸光、「GDPを増やすにしても規模の経済性ではなくて質の経済性で人々が暮らしやすく幸せになっていくような世界になっていくべき」
野口悠紀雄、「質の問題はもちろん重要だが、量の問題も重要。賃金を上げるというのは重要、その元手になるものは付加価値、付加価値が成長しないと賃金は上がらない。台湾のTSMCファウンドリー、半導体を作る企業。この設計は主として米国の企業がやっている。アップルが設計するが工場はない。それをTSMCが作る。半導体時価総額トップにいる米国の企業はみな台湾に委託している。TSMCの作っている半導体は他の国では作れない」
●「人への投資」岸田政権の戦略
日本から人材が生まれるためには。
野口悠紀雄、「人材育成のために一番重要なのは大学。日本の大学の現状は大きな問題を抱えている。コンピューターサイエンスのような分野では特に日本は遅れている。日本の大学は19世紀から脱却していない。企業の間を人が動かなくてはいけない、産業構造が変わっていかなくてはいけない。そういった変化がなければ新しい分野に力を注ぐことが出来ない」
2021年世界の大学ランキング(コンピューターサイエンス部門)英国・高等教育評価機関のデータより。
1位 米国・マサチューセッツ工科大学、2位 米国・スタンフォード大学、3位 米国・カーネギーメロン大学
27位 東京大学
32位 韓国・KAIST=韓国科学技術院。41位 ソウル大学(韓国)。

【提言】 日本が再び成長するために必要なこと

西村康稔 「昭和、平成から脱却 → 令和の経済社会へ」
 男性社会から女性が活躍する社会へ。半導体でも大きなイノベーションのなかでやっていく。
野口悠紀雄 「新しい産業構造」
 世界の産業構造が変わった。日本が変わるには大きな痛手を伴う。
真田幸光 「足るを知る経済」
 欲望を膨らます経済よりも、日本のやってきたことを活かしていくべきだ。
https://www.fnn.jp/subcategory/BS%E3%83%95%E3%82%B8LIVE%20%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9