じじぃの「炭火でのバーベキュー・宇宙に匂いはありますか?宇宙飛行士に聞いてみた」

What Does Space Smell Like?

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=dEpKCSuGEjE

宇宙は一体どんな匂いがするのか?

宇宙は一体どんな匂いがするのか?

2021年11月06日 GIGAZINE
宇宙空間は真空に限りなく近いので匂いはしなさそうなイメージですが、厳密にはわずかな分子が存在しています。
3回の船外活動を経験した元宇宙飛行士のトーマス・ジョーンズ氏は「エアロックを再加圧してスーツから降りると、はっきりとしたオゾンの臭い、かすかな刺激臭があります」「匂いは、宇宙遊泳後のシャトルまたは宇宙ステーションでのみ発生します」と、宇宙関連ニュースサイトのSpace.comに語りました。
https://gigazine.net/news/20211106-smell-of-space/

宇宙飛行士に聞いてみた! 世界一リアルな宇宙の暮らし Q&A - 日本文芸社

ティム・ピーク(著)
●ティム・ピークってどんな人?
イギリス陸軍航空隊を経て、欧州宇宙機関ESA)所属の宇宙飛行士へ。
2015年、国際宇宙ステーションISS)第46/47次長期滞在クルーとしてミッションを遂行し、船外活動でも活躍。
国際宇宙ステーションからロンドンマラソンに参加したり、SNSISSや宇宙の様子をリアルタイム配信したりと、
宇宙を身近に伝えて大人気となっている宇宙飛行士です。

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『宇宙飛行士に聞いてみた!』

ティム・ピーク/著、柳川孝二/訳 日本文芸社 2018年発行

第5章 宇宙から地球について考えよう より

Q ISSから恒星や惑星は見えますか? 地球とは見え方が違いますか?

もちろん、恒星や惑星は見える。地上からは「キラキラ光る」星明かりとして見えるのに対して、宇宙からは光りっぱなしの光源としてはっきりと見える。
地上では、地球の大気の乱れが「キラキラ」を生み出し、光をさまざまな方向へ屈折させるため、宇宙から見るのに比べ、はっきりとは見えなくなる。
世界の天文台の多くが山の上にあるのもこれが理由だ。光が通過する大気の量を軽減しようとしているのだ。光害が少なくてすむのも山の利点だろう。
ISSの窓の外に大気はないので、地球から見るよりも惑星はわずかに明るいように思う。木星、火星、金星は確かにそう見えた。
私は地球の向こうにのぼってくる金星や木星、火星、土星を写真に収めた。ISSのほとんどの窓は地球を見おろす位置にあるため、地平線からのぼったり沈んだりする惑星は見えても、ISSの天井側に位置する惑星を見るのはかなり厳しい。
宇宙で物体どうしの距離がどれくらいあるのか判断するのもおもしろい。大気の干渉がほぼないため、遠く離れていても物体ははっきりと見える。
ミッション中、シグナス補給船が物質補給をおえてISSから分離され、かなたに消えていく様子は、目をみはるような光景だった。もちろん離れるにつれて小さくなるが、距離が離れてもその姿は驚くほど鮮明で輪郭がはっきりと見えた。そのため、実際にどれくらい離れたかを判断するのが難しかった。

Q 写真によって、宇宙が真っ暗で恒星も惑星もないように見えるのはなぜですか?

宇宙から撮影した昼間の写真で恒星が見えないのは、太陽に照らされた手前の物体、地球やISS、私の宇宙服などが、背後にある恒星の何千倍も明るいからだ。
地球があまりにも明るいため、恒星やほかの惑星からの光は全部ではないにしてもほとんど圧倒されてしまう。昼間の撮影で使用する短い露出時間では十分な光を集められないため、恒星の姿は見えないわけだ。
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宇宙で恒星や惑星の写真を撮るには、ISSが太陽からの光を遮る地球の影に入るのを待つ必要がある。カメラのセンサーが十分な星の光をとらえられるよう露出時間を1~2秒と長くセットする。露出時間を長くするとブレるおそれがあるので、カメラはしっかりとにぎって固定しなければならない。私はマジックアームというアクセサリーを使い、カメラを望んだアングルに、しっかりと固定して撮影した。
地平線からのぼる天の川の写真、オーロラのコマ撮り写真、夜の地球や激しい雷雨など、宇宙から獲ったお気に入りの写真は、この方法で撮影したものだ。

Q 宇宙に匂いはありますか?

これは私のお気に入りの質問だが、答えるのは難しい。答えはイエスだ。宇宙に匂いはある。ただどういう匂いなのか判断するのがとても難しい。
いろいろな場面で宇宙の匂いをかいだ。はじめはISSに到着して数日後、ティム・コプラとスコット・ケリーが船外発動(EVA)から戻るのを手伝っている時。その後も宇宙の真空空間にずっとさらされていたクエスト(ISSで船外活動をする際の出入り口)を開けると、いつも強い独特の匂いがした。
小型衛星の発射や、何ヵ月もISSの外にあった実験装置を回収すつ際には、日本のモジュールのエアロック(気圧の異なる場所を人や物が移動するときに、隣り合う室内の圧力差を調節する機能を持った出入り口として使用する小部屋)を使用するが、その時も同じ匂いがすることに気がついた。
その不可解な匂いは宇宙飛行士たちのおしゃべりのテーマになった。ステーキ、熱した金属、溶接の煙バーベキューのほか、真空と激しい温度のサイクルにさらされた宇宙服、部品から蒸発して排出されたガスの匂いじゃないかという意見もあった。
だが私はまったく同じ匂いを何度か、再与圧したからっぽの日本のエアロックの中でかいだことがある。私は宇宙の匂いは静電気の匂いに似ていると思う。たとえばシャツやジャンパーを脱ぐ時、大きくバチッと静電気が起こることがあるが、その時の焼けた金属のような匂いだ。
実際、みなさんが静電気の匂いだと感じるのは十中八九オゾンだろう。オゾンは高エネルギーの紫外線が酸素分子(O2)に衝突し、ふたつの原子(2O)に分離させる時に自然発生する。酸素原子は自由になり、ほかの酸素分子と結合してO3、つまりオゾンになる。
しかしオゾンは地球の上空20~30km近辺の成層圏の低層に存在し、高度400kmにはない。
では、宇宙でその匂いがするのだろうか?
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1番そそられるのは、死にゆく恒星の残り香という説だ。宇宙空間ではきわめて多くの燃焼が起きている。恒星はほとんど水素とヘリウムガスで、核融合反応が原動力となり、何十億年も生き続ける。最後に水素燃料が使い果たされ、恒星は崩壊し、激しい超新星爆発を起こす。その間により重い元素である酸素、炭素、金、ウランなどが生成される。このすさまじい燃焼は、多環芳香族炭化水素という芳香を放つ混合物を生み出し、これらの分子は宇宙に広く行きわたって永遠に漂うと考えられている。
ということは、私たちはエアロックに鼻を突っ込んだ時に、もっとも古い恒星たちの残り香をかいでいたのか? どうだろう?
いずれにしろ、私にとっては心地よい匂いだ。炭火でソーセージを焼く、イギリスの夏のバーベキューを思い出していた。

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どうでもいい、じじぃの日記。
小惑星探査機「はやぶさ2」は2020年12月に地球帰還後、カプセルを分離して、また新たな深宇宙の旅へと飛び立った。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2021年12月、はやぶさ2が持ち帰った試料に対し、分析を進めた結果、水・有機物に富む始原的な特徴を持つことが明らかになったと発表した。
地球の生命の基になった有機物はどこから来たのか。
地球の生命は、宇宙からの隕石に含まれる有機物が基になって生まれたという説がある。

宇宙に匂いはありますか?

宇宙の香りはラズベリーラム酒のような匂いがする?

「1番そそられるのは、死にゆく恒星の残り香という説だ。宇宙空間ではきわめて多くの燃焼が起きている」

宇宙の匂いには、壮大なドラマが隠されているのです。