じじぃの「科学夜話・宇宙から見る地球は驚くほど美しい!宇宙飛行士に聞いてみた」

小惑星リュウグウ」 壊れた天体の破片でできたか(18/07/20)

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=j3LMmDXWKo8

古川宇宙飛行士が撮影した日本

『宇宙飛行士に聞いてみた! 世界一リアルな宇宙の暮らし Q&A』

ティム・ピーク/著、柳川孝二/訳 日本文芸社 2018年発行

宇宙から地球について考えよう より

Q 宇宙から見る地球は、昼と夜、どちらが美しいですか?

A 地球は驚くほど美しい、昼も夜も。

ミッション中、夜間に観察するのが楽しみだったのは雷雨とオーロラだ。
冬の間はすばらしいオーロラをたくさん見る機会に恵まれた。太陽の活動が活発化し、太陽からの荷電粒子は地球の磁気圏へ突入して、大気の中で原子や分子に衝突することでオーロラは発生する。緑から赤の神秘的な光のカーテンが、国際宇宙ステーションISS)の下で波打ったり、地平線で踊ったりするさまは壮観だった。
夜、宇宙から見える激しい雷雨も印象的だった。地上ではせいぜい自分のいる場所の周辺、おそらく50~60km圏内の雷雨しか見えない。宇宙yからは数百kmに広がる雷雨の最前線を見ることができる。
嵐の最中、一度に膨大な数の稲妻が走るのは、なんと驚くべき光景だったことか。南アフリカ沿岸の数百kmに広がる雷雨前線を見た時は稲妻が激しくて、まるでストロボのように夜空を明るく照らした。
夜間は都市の明かりを目のあたりにする。宇宙からはとても美しく見えるが、世界の広い都市部でどれほどの光害が起きているのかとつい思ってしまう。
昼間は人々の営みを追うのがずっと難しくなる。その代わり、45億年かけて自然がゆっくりながらコツコツと大陸に刻んできた地質学上の特徴があらわになる。あまり知られていない地域も、宇宙から見るとため息が出るほど美しい。カムチャツカの火山、パタゴニアの氷河、サハラ砂漠、そしてカザフスタンや中国の秘境の山々などは、今でも心に浮かぶ。
地球と言う惑星は文句なしに美しい。あえて選ぶとしたら昼間の地球。まさに青い宝石だ。真っ黒な宇宙空間とは対照的に、生命のオアシスのように光り輝いている。
月まで行ったアポロの宇宙飛行士たちのように、宇宙のはるか遠くに行けば、「故郷である地球」の景色はもっと尊いものだったに違いない。