じじぃの「科学・地球_181_人類宇宙に住む・惑星探査衛星ケプラーとTESS」

TESS Mission's First Earth-size World in Star's Habitable-zone

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=QU0qsIGS6MQ

探査衛星TESS、地球サイズの惑星を初発見

探査衛星TESS、地球サイズの惑星を初発見

2021年10月06日 アストロアーツ
探査衛星「TESS」が地球とほぼ同じサイズの系外惑星を発見した。TESSが発見した10個目の惑星で、地球サイズのものとしては初めてとなる。
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/10592_hd21749

人類、宇宙に住む 実現への3つのステップ

ミチオ・カク(著)
地球がいずれ壊滅的なダメージを受けることは避けがたく、人類は生き延びるために宇宙に移住する必要がある。
本書は世界的に高名な物理学者が、1)月や火星への移住、2)太陽系外への進出、3)人体の改造や強化、の3段階で宇宙の進出の方途を示す。NASAイーロン・マスクジェフ・ベゾスらの宇宙開発への挑戦を追いながら人類の未来を見通す、最高にエキサイティングな一冊!
第Ⅰ部 地球を離れる
 第1章 打ち上げを前にして
 第2章 宇宙旅行の新たな黄金時代
 第3章 宇宙で採掘する
 第4章 絶対に火星へ!
 第5章 火星──エデンの惑星
 第6章 巨大ガス惑星、彗星、さらにその先
第Ⅱ部 星々への旅
 第7章 宇宙のロボット
 第8章 スターシップを作る
 第9章 ケプラーと惑星の世界
第Ⅲ部 宇宙の生命
 第10章 不死
 第11章 トランスヒューマニズムとテクノロジー
 第12章 地球外生命探査
 第13章 先進文明
 第14章 宇宙を出る

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『人類、宇宙に住む 実現への3つのステップ』

ミチオ・カク/著、斉藤隆央/訳 NHK出版 2019年発行

第Ⅱ部 星々への旅

第9章 ケプラーと惑星の世界 より

系外惑星を見つける方法

系外惑星を直接見るのは難しいので、天文学者は種々の間接的な方法でそれを見つけている。

マサチューセッツ工科大学(MIT)の惑星科学・天体物理学者のサラ・シーガーは、天文学者が結果に自信をもっているのは、複数の手段で系外惑星を見つけているからだと強調した。なかでもよく使われるのは、トランジット法というものだ。

恒星の光の強度を調べていると、周期的に弱まるのに気づくことがある。この減光はわずかな現象だが、地球から見て、なんらかの惑星が主星の前を横切ることで、主星の光がいくらか吸収されていることを示している。そこから惑星の軌道がたどれるので、軌道のパラメータが算出できる。

ひとつの恒星を7つの地球サイズの惑星がめぐる

2017年、またもや空前の発見があった。天文学者が、惑星進化のどの理論にも反する恒星系を見つけたのだ。その恒星系では、地球サイズの惑星が7つ、トラピスト1と呼ばれる主星のまわりを回っていた。このうち3つの惑星はゴルディロックスゾーン内にあり、海が存在する可能性もある。「この惑星系がすごいのは、惑星がたくさんあるだけでなく、それがすべて地球に近いサイズだからです」と語るのは、この発見をなし遂げたベルギーの研究チームのリーダー、ミカエル・ジロンだ(「トラピスト[TRAPPIST]」という名前は、彼らが使った望遠鏡の略称だが、ベルギーの有名なビールのことでもある)。
トラピスト1は、地球からわずか38光年の距離にある赤色矮星で、質量は太陽の8パーセントしかない。ケンタウルス座プロキシマと同じく、ハビタブルゾーンをもっている。われわれの太陽系へもってきたら、7つの惑星の軌道がすべて、水星の軌道の内側に収まってしまう。どの惑星も3週間とかからずに主星の周りを公転し、最も内側の惑星は36時間でまる1周する。

型破りの惑星

恒星についても驚くべき発見があった。かつて、われわれの黄色い恒星は宇宙によくあるタイプと考えられていたが、今日の天文学者は、われわれの太陽に比べてわずかな光しか発しないため、たいてい肉眼では見えない、暗い赤色矮星が最もありふれた恒星だと考えている。天の川銀河の恒星の85パーセントが赤色矮星だという推定もある。小さな恒星ほど、水素の燃料をゆっくり燃やすので、長く輝ける。赤色矮星の寿命は数兆年にもなり、われわれの太陽の寿命である100億年よりはるかに長い。ケンタウルス座プロキシマbもトラピスト星系も主星が赤色矮星なのは、その数が多いからで、意外なことではないかもしれない。すると、そうした恒星をとりまく領域は、地球に似た惑星をもつと探すのにきわめて有望な場所とも考えられる。

銀河系の統計調査

探査機ケプラー天の川銀河にある惑星を十分多く調べたので、おおまかな統計調査ができる。そのデータが示すのは、一般に、空に見えるどの恒星にも、周回するなんらかの惑星があるということだ。恒星の約20パーセントは、われわれの太陽のように、地球型惑星──つまり、地球に近いサイズで、ハビタブルゾーンにある惑星──をもつ。天の川銀河にはおよそ1000億個の恒星があるから、地球型惑星はほぼ200億個あることになる。実を言うと、これは控えめな推計だ。実際の数は、はるかに多いと考えられる。
残念なことに、探査機ケプラーは、宇宙に対するわれわれの考えを変える情報を山ほど送ってきたあと、調査がおかしくなりだした。2013年にはジャイロスコープのひとつが故障し、惑星を自動追尾できなくなってしまった[2018年10月に燃料枯渇により運用を終了している]。
だが、さらなるミッションも予定されており、どれも系外惑星に対するわれわれの理解を高めてくれるだろう。2018年には、トランジット系惑星探査衛星(TESS)が打ち上げられた。ケプラーと違い、TESSは全天をスキャンする。2年間に20万個の恒星を調査し、ケプラーが調べたものより30~100倍明るい恒星に的を絞る予定だ。そのなかには、銀河系のわれわれの領域にある地球型惑星やスーパー・アースの候補もすべて含まれ、天文学者はその数をおよそ500個と見積もっている。さらに、ハッブル宇宙望遠鏡の後継となるジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡もほどなく稼働を始め、こうした系外惑星の一部を実際に撮影できるはずだ。

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