じじぃの「科学夜話・宇宙から地球を見れば人生観が変わる?宇宙飛行士に聞いてみた」

『宙亀通信』(Vol.14) 宇宙から見た絶景!!! 地球の昼と夜

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monty python - the meaning of life, eric idle galaxy song

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月面から見た地球

宇宙からの帰還 (中公文庫) 1985/7 立花 隆 (著)

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●宇宙体験といっても、地球軌道をまわるだけの体験と月に行く体験とではまるで違う
宗教は創立期には熱の入った信仰を獲得するが、教派が大きくなると官僚化し、日常的ないいかげんな信仰の上に教団も安住するようになる。すると、ほんとうの信仰はそんないいかげんなものではないと説く人が現われて信仰復興運動(リバイバル運動)が起こる。親鸞日蓮もこのパターン。強烈なリバイバル運動は新しい教派を生む。アメリカでは今日に至るまでリバイバル運動が繰り返されており、それがアメリカ・プロテスタントの活力となっている。
宇宙体験といっても、地球軌道をまわるだけの体験と月に行く体験とはまるで違う。月からは地球が暗黒の宇宙に浮かんで見えるが、地球軌道では地球が圧倒する大きさで見える。この違いは大きい(アーウィン・宇宙飛行士)。

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『宇宙飛行士に聞いてみた! 世界一リアルな宇宙の暮らし Q&A』

ティム・ピーク/著、柳川孝二/訳 日本文芸社 2018年発行

宇宙から地球について考えよう より

Q 宇宙から地球を見たことで、この惑星や人生についての見方は変わりましたか?

A これはすばらしい質問だ。

1番よく聞かれる質問でもある。宇宙から地球に戻るのは、母校の小学校を訪れるのにちょっと似ているような気がした。
小学生はごくかぎられた世界に住んでいる。家庭と学校が生活の中心で、触れあうのは家族と友だちだけ。この時期には、学校での経験が大きく影響する。だが成長するにつれて外の世界に触れ、見方が変わってくる。
宇宙へ行くことで確かに世界は広がる。以前よりも地球に感謝するようになり、親しみを覚える。おかしな話だが、行ったことのない国でもよく知っているような気がする。
ISSでの毎朝の日課は、その日の軌道を確認し、地球のどのあたりの写真を撮れるかチェックすることだった。ヒマラヤ山脈バハマ諸島、アフリカ、アラスカ、インドネシアなど、名前がスラスラ出るばかりか、それぞれの土地の特徴が驚くほど鮮明に浮かぶ。渓谷と氷河、火山の島々、山脈、川など、しっかり記憶に刻まれている。
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ある日、窓から外を眺めながら世界の主要国をほぼ識別できていることに気づき、自分を誇らしく思っていると、船長のスコット・ケリーが浮遊しながら横ぎり、「ソマリア沿岸にはいいビーチがあるよ」と言った。彼のレベルまで地球を知りつくせたかはわからないが、この出来事から半年経つと認識できない地域はかなり少なくなっていた。
とはいえこの惑星に関する知識は、かなり厳しく地理学の指導を受けたおかげかもしれない。だが私の経験は、地球上の地域を識別できるようになっただけではない。宇宙から地球を見ると、太陽系、天の川、そして宇宙からでさえも、自分の立ち位置についての気づきと理解という感覚が生まれる。
過去の宇宙飛行士の多くが同じ感覚を報告していて、概観効果と呼ばれている。軌道上や月面から地球を眺めているうちに、ものの見方が変わることに気づくのだ。
とはいえ400km離れたところから地球を見た私の経験と、アポロ飛行士の経験を比較するのはいささか無謀だろう。彼らは地球から40万km近く離れ、宇宙船の窓のほんのわずかな場所を占める円盤として地球が見える場所まで旅をしたのだ。
地球から離れた距離だけではなく、時間も概観効果の一因になる。確かに私は宇宙で過ごすうちに、壊れそうな小さい故郷に対し、新たな見方と感謝の気持ちが生まれた。
モンティ・パイソンの『銀河系の歌』は、私の説明よりもずっとうまくこの感覚を表現している。聞いたことがないのならぜひ。人生にちょっとした視点が加わるはず。