じじぃの「歴史・思想_530_老人支配国家・日本の危機・トランプの再選を望む」

Why Are Trump Supporters So Mad?

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=RV2mSyvbxoo

Trump Supporter

Trump, who never admits defeat, mulls how to keep up fight

November 8, 2020 WHYY
Allies suggested that if Trump wants to launch a media empire in coming years, he has an incentive to prolong the drama. So, too, if he intends to keep the door open to a possible 2024 comeback - he would be only a year older then than Biden is now.
https://whyy.org/articles/trump-who-never-admits-defeat-mulls-how-to-keep-up-fight/

文春新書 老人支配国家 日本の危機 エマニュエル・トッド

本当の脅威は、「コロナ」でも「経済」でも「中国」でもない。「日本型家族」だ!
【目次】
日本の読者へ――同盟は不可欠でも「米国の危うさ」に注意せよ

Ⅰ 老人支配と日本の危機

1 コロナで犠牲になったのは誰か
2 日本は核を持つべきだ
3 「日本人になりたい外国人」は受け入れよ

Ⅱ アングロサクソンダイナミクス

4 トランプ以後の世界史を語ろう
5 それでも米国が世界史をリードする
6 それでも私はトランプ再選を望んでいた
7 それでもトランプは歴史的大統領だった

Ⅲ 「ドイツ帝国」と化したEU

8 ユーロが欧州のデモクラシーを破壊する
9 トッドが読む、ピケティ『21世紀の資本

ⅳ 「家族」という日本の病

10 「直系家族病」としての少子化磯田道史氏との対談)
11 トッドが語る、日本の天皇・女性・歴史(本郷和人氏との対談)

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『老人支配国家 日本の危機』

エマニュエル・トッド/著 文春新書 2021年発行

7 それでもトランプは歴史的大統領だった より

「トランプ敗戦=米国の民主主義が復活」ではない

私は選挙前に「それでも私はトランプ再選を望む」という見解を述べていましたが(本書第6章)、米国大統領選はバイデンの勝利に終わりました。この選挙結果は「米国の民主主義が復活したことの証だ!」「自国ファーストから米国が世界に戻ってきた!」と、米国内だけでなく世界中で、概ね評価されています。「過去4年間のトランプ政権への不満や批判」がそう言わせているわけですが、私はむしろ「トランプこそ米国大統領として”歴史に足跡を残す”ことになるだろう」と見ています。
トランプは下品で馬鹿げた人物であり、私自身も人として、とても許容できません。しかし、今回再選を果たせなかったとはいえ、過去4年間にすでになされたトランプ政権による”政策転換”が、おそらく”今後30年の米国のあり方”を方向づけることになる。「保護主義」「孤立主義」「中国との対峙」「欧州からの離脱」というトランプが敷いた路線は、今後の米国にとって無視し得ないもの。その意味で”トランプは歴史的大統領”である、と見ているわけです。
今回の大統領選挙を見ていて抱かざるを得なかった最大の疑問は、「勝利したとは言っても、結局のところ、バイデンとは何か? 民主党とは何か?」です。
バイデン陣営が最も前面に打ち出したのあ「反(アンチ)トランプ」。しかし「反(アンチ)」のみで自らを定義するのは、あまりに”空虚”です。あるいはそもそも”空虚”だから「反(アンチ)」でしか自己を表現できないのです。

「中国封じ込め」戦略

ですから(全体主義体制の方が自由主義体制よりも効率がよいと言われていること)”コロナ後”の今日において”新しいタイプの全体主義国”として世界に”脅威”を与える中国に対して、世界が連携して、これに対抗する必要があります。冷戦期の「ソ連封じ込め」のような「中国封じ込め」です。特に米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドという「英語圏」と「中国」の対抗関係が中心となり、このライバル関係が”今後の世界の新たな形”をつくっていくことになるでしょう。
と言っても、繰り返しますが、これは人類学者として”事実”を指摘しているだけです。中国の家族構造は「外婚制共同体家族」(親子関係は権威主義的で兄弟関係は平等主義的)で、中国社会は初めから潜在的に「全体主義的な傾向」を秘めており、良し悪しの問題以前に、この点は、「英語圏」を中心とする「自由主義社会」とは相容れないのです。
その上で、世界の”平和”や”安定”をどう維持するか。ですから、中国に対して譲歩ばかりの弱腰で良いわけではありません。かと言って、攻撃一辺倒である必要もない。ただし、相容れない点がある以上、大国化していく中国には、忍耐強く対峙するしかないわけです。
私はかつて、「中国は世界の覇権を握るような大国にはならない。非常に不安定で問題の多い国だ。『幻想の中国』と『現実の中国』を分けなければならない」(「幻想の大国を恐れるな」『文藝春秋』2015年10月号)と述べました。基本的には、この見解を変えるつもりはありません。
そもそも「全体主義体制」の国が最終的に世界の覇権を握ることはあり得ない。一時的に効率よく機能したとしても、必ずある時点で立ち行かなくなる。やはり、人類の歴史は”人間の自由”を重んじる社会や国の方が最終的には優位に立つ、と私は考えます。
また中国は、とくに人口動態上、深刻な脆弱性を抱えています。国連の推計にももとづいて2050年、2100年の中国の人口推移を見ると、「全人口」が減少に転じるのは、2050年より後ですが、「25~39歳の人口」は2020~2050年の間に減少に転じます。この間に少子高齢化が急速に進む、ということです。

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