じじぃの「科学・地球_255_生態学大図鑑・森林伐採」

The destruction of the Amazon, explained

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=SAZAKPUQMw0

Base Map. Forest loss hotspots across the Amazon in 2020.

MAAP #132: AMAZON DEFORESTATION HOTSPOTS 2020

JAN 27, 2021 MAAP
Base Map. Forest loss hotspots across the Amazon in 2020. Data: UMD/GLAD, RAISG, MAAP. The letters A-G correspond to the zoom examples below.
https://maaproject.org/2021/amazon-hotspots-2020/

生態学大図鑑』

ジュリア・シュローダー/著、鷲谷いづみ/訳 三省堂 2021年発行

わたしは全人類のために闘っている 森林伐採 より

【主要人物】シコ・メンデス(1944~1988年)

森林伐採とは、森林をそれ以外の土地利用のために取り除くことで、農地や牧場、住居、工場、輸送路や輸送施設などに変えられる。森林は完全に破壊されなくても、チークのような高価な成木だけを選択的に伐採したり、道路造成のために一部を伐採したりしても、その健全性を失う。たとえ大半の樹木が残ったとしても、そのような伐採は、森林の生物多様性に見かけ上の喪失とは不釣り合いなほど大きな悪影響を及ぼす。別の形の問題の大きい森林伐採としては、インドネシアで盛んに行われている。アブラヤシなどの単一栽培のプランテーションを作るための自然林の皆伐をあげることができる。
森林伐採は、森林のあらゆる種類のハビタット(生息・生育場所)に影響を与えうる。しかし最も深刻な被害を受けているのは熱帯雨林――北回帰線と南回帰線の間にある熱帯湿潤広葉樹林である。熱帯雨林の問題への関心が高まったのは、1970年代に、のちにブラジルのゴム樹液採取人の労働組織設立メンバーとなった活動家シコ・メンデスが、政府に対して地域住民が木の実や果実や繊維などの天然産物を持続的に採集できるように森林保護区の設置を訴えたおとがきっかけとなった。メンデスの保護活動は、命までを犠牲にし、森林伐採が与える生態的被害を世界に広く知らしめた。

熱帯雨林

熱帯雨林の破壊は、地球の生物多様性の深刻な脅威となっているといえる。それは地球の動植物の2分の1から3分の2が熱帯雨林に生息・生育していると推定されるからである。熱帯雨林には、150~180万種の生物――ほとんどが昆虫で、次いで植物と脊椎動物――がすでに確認されており、今後発見され、記載されるべき種が数多く存在する。たとえばインドネシアでのボルネオ島熱帯雨林には、わずか0.5km2の面積に、ヨーロッパと北米を合わせたよりも多くの樹種が存在すると推定されている。このような生物多様性は、人類にとってきわめて重要であるが、その理由の一つは、新薬の多くが植物に由来するためであり、熱帯雨林の豊かな植物の貯蔵庫を失えば、潜在的な病気の治療法が失われることになる。
熱帯雨林は、他のすべての木々や森林と同様に、降雨を吸い込むスポンジとして働く。木の根は水分を吸い上げ、地表を流れる水の量を減らす。森林が伐採されたり焼かれたりすれば、土壌からは含まれていた栄養分の多くが流れ出す。傾斜地であれば土壌の流出が起こり、植物の生育に適さない土地が残される。流水が作る深い溝は、伐り倒されていない木々を根元から倒してしまう可能性がある。
近年、激しい降雨による大規模な地滑りが頻繁するようになったが、それは斜面を崩し、人間の集落も含めてすべてを破壊する。たとえば、2014年5月にカリブ海ヒスパニオラ島の伐採された斜面に振った大雨は、2000人以上が死亡する地滑りと洪水を引き起こした。逆に日照りが長く続けば、露出した地面は樹木の下より乾燥が激しく、風による浸食を受けやすくなる。

地球規模の森林再生

現在、地表の約31%を森林が占めているが、一部の地域では急速に減少しつつある。それに対して、ヨーロッパなど森林がしだいに再生しつつある地域もある。森林を保護する地域コミュニティへの支払い、地元の人々が持続的に生産物を収穫できるような特別保護区の設定など、森林伐採の規制に役立つさまざまな方策がとられている。
化石燃料の代わりに、燃料の需要を満たす代替エネルギー源を見いだすこと、そして土地を新たに開発せずに持続的に使う農業のあり方が世界的に求められている。いくつかの国は先駆的な森林再生プログラムを推進している。たとえばセネガルでは、海岸沿いの500村ですでに1億5000万本ものマングローブを植えるプロジェクトが進められており、将来マングローブ林は、漁業を支え、稲田を塩害から守るだろう。中国は2018年、アイルランド一国の面積に相当する660万ヘクタールの土地に植林する計画を立てた。2000年には森林の占める割合は19%まで落ち込んだが、これを2020年までに23%、2035年に26%まで引き上げることを目標としている。