じじぃの「科学・地球_240_生態学大図鑑・生物多様性のホットスポット」

Megadiverse Strength - Protected Natural Areas in Latin America

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=EyqiWO0RJis

Australia’s Key Biodiversity Areas: Discover Nature’s Hotspots

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=65K15eQc1GY

日本も生物多様性ホットスポット

2009年09月03日 ISOな日々の合間に
2010年(平成22年)10月に「生物多様性条約第10回締約国会議」(COP10)が名古屋で開催されるので、種々のメディアで生物多様性に関する情報量が増えつつあります。
当サイトでも生物多様性について折に触れ関連する事項の整理をしておきたいと思います。
今回はホットスポットについて概要を整理したいと思います。
https://blog.goo.ne.jp/conshin4/e/45958630487e9eb6999c46fb18da4fae

生態学大図鑑』

ジュリア・シュローダー/著、鷲谷いづみ/訳 三省堂 2021年発行

わたしたちは大量絶滅の開幕期にいる 生物多様性ホットスポット より

【主要人物】ノーマン・マイヤーズ(1934年~)

生物多様性ホットスポットとは、動植物の種が顕著に集中している区域をいう。この用語は1988年、生物学的に豊かで、しかも絶滅の危機も迫っている地域を記述するために、イギリスの自然保護活動家ノーマン・マイヤーズが考案した。とくに重要性が高いハビタット(生息・生育場所)の破壊により、種の大量絶滅の危機が高まっているという難題に直面したマイヤーズは、できるだけ多くの生物を保護するのは、優先順位を決めて、保全のための資源を集中的に投入すべき場所を定める必要があると主張した。

ホットスポットの定義

マイヤーズは、初めに固有の植物種の保護に不可欠な10ヵ所のホットスポットを特定した。2000年までに、ホットスポットの概念を改良し、次の2つの基準を満たす地域に焦点をしぼった。第一に、固有の維管束植物が少なくとも1500種生育していること、第二に、一次植生(その地にもともと生えている植物)の少なくとも70%がすでに失われていることである。環境保護団体のコンサーベーション・インターナショナルは、マイヤーズの概念を活動に取り入れ、現在36ヵ所をホットスポットに指定する。それらは地球の陸地面積のわずか2.3%をカバーするにすぎないが、地球上の植物と、両生類、爬虫類、哺乳類、鳥類の約60%の種が暮らす場所であり、それぞれのホットスポットにしか見られない種の比率が高い。
ホットスポットのほとんどは熱帯地方か亜熱帯地方にある。最も危機のレベルが高いとされたのは東南アジアのインドーミャンマー地域であり、本来のハビタットは5%しか残っていないが、哺乳類、鳥類、淡水ガメ、魚類の保護にはこの地域の川や湿地や森林が欠かせない。この地域に固有の動物には、外見がアンテロープ(レイヨウ)に似るが、ウシに近縁な森林性の哺乳類で、1992年にベトナムのアンナン山脈で初めて発見されたサオラが含まれる。絶滅危惧種のカワゴンドウは、東南アジアの海岸地域とインドネシア諸島で見つかっている。この地域には他にも、ターミンジカ、スナドリネコ、オニトキなどの希少動物がいる。

保護の手段

自然保護団体はそれぞれのホットスポットの目標について合意している。危機にある種のリストを作成し、保護対象の動植物の適切なハビタットと存続可能な個体群を擁する区域を保護・管理するための計画を立てている。それぞれの区域がどの程度危機にさらされていて、貴重かによって優先順位づけがなされている。
マイヤーズの2つの基準を批判する人々は、良好なハビタットの破壊比率が70%以下の地域でも、土地利用が変化しつつあることが考慮されていないと指摘する。たとえば、アマゾン川流域の熱帯雨林ホットスポットのリストにはないが、地球上のどこよりも高い速度で森林伐採が進んでいる。