じじぃの「科学・地球_239_生態学大図鑑・競争排除の原理」

each warbler species divided its time differently among various parts of the tree.

MacArthur's Warblers

MacArthur found that each warbler species divided its time differently among various parts of the tree. The Cape May, for instance, stayed mostly toward the outside on the top, the Bay-breasted fed mostly around the middle interior, while the Yellow-rumped moved from part to part more than either of the other two. This is shown in the accompanying diagrams, in which the zones that contained 50 percent of the birds' feeding activity are blackened.
https://web.stanford.edu/group/stanfordbirds/text/essays/MacArthur%27s_Warblers.html

競争排除則

ウィキペディアWikipedia) より
競争排除則(Competitive exclusion principle)は、群集生態学において、同じニッチ(生態的地位)にある複数の種は、安定的に共存できないという原則である。
ソ連生態学者であるゲオルギー・ガウゼが提唱したため、ガウゼの法則(Gause's Law of competitive exclusion)とも呼ばれる。同じニッチを持つ複数の種が同所的に存在すると、必ず競争によって一方が排除されるため、他の環境要因などがない場合は安定的に共存することはないという考え方である。

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生態学大図鑑』

ジュリア・シュローダー/著、鷲谷いづみ/訳 三省堂 2021年発行

完璧な競争相手どうしは共存できない 競争排除の原理 より

【主要人物】ゲオルギー・ガウゼ(1910~1986年)

競争は進化の駆動因である。相手より大きく、強く、優れている必要性が、必然的に種を有利にする適応へと導く。同じ資源をめぐって2種が競争すれば、なんらかの優位性を持つほうが勝つ。その結果として、弱いほうの種に残された道は絶滅か適応であり、それにより競争はなくなる。「競争排除の原理」として知られるこの仮説は、ロシアの微生物学者ゲオルギー・ガウゼによって提唱され、ガウゼの法則として知られる。
ガウゼの法則は、自然での観察からではなく、実験室での微生物を用いた培養実験から導かれた。自然界には不確定要素が多すぎて、生態学的メカニズムがどう働くかについて結論を引き出せないと彼は述べた。遺伝学のような分野では実験的方法がめざましい進歩を遂げているのに、種の生存をかけた競争に関する理解はダーウィンの時代からほとんど進んでいない、というのがガウゼの主張だった。実際に、競争排除の原理は有用な理論モデルであるにもかかわらず、自然界ではめったに見られない。これは単に、競争に弱い種は生き残りをかけて、迅速に移動するか適応する傾向があるからだ。

競争の回避

大多数の生物は生き残るために必要な変化を起こすことができる。さまざまな鳥が1つの庭で1年を通じて生活できるのは、その鳥たちがみな、異なる「ニッチ」で活動するからだ。互いに異なる形と大きさのくちばしを持っており、異なるタイプの食物を食べることができる。たとえば、コマドリは昆虫を好み、フィンチは種子を食べる。ハビタット(生息・生育場所)と採餌時間の選択が異なる場合もあり、それは資源分割として知られている。
1957年、ロバート・マッカーサーアメリカムシクイ(Warbler)類が見せるこの現象に気づいた。彼が観察した5種はそれぞれ体に色鮮やかな独特の模様があり、針葉樹の林の内部もしくは周縁で地上の小さな虫や他の昆虫を食べていた。種類の違う鳥たちが同じハビタットの樹林で共存できるのは、樹林の同じ部分で食物を探そうとはせず、樹冠の異なる高さや深さで採餌するからである。そのようにして、鳥たちは相互の競争を避けている。
アメリカムシクイ類の5種が同じ樹木で共存できるのは、それぞれ異なる「ニッチ」に暮らしているため。このようにすれは大きな重複がないので、5種の鳥は競争せずに生きられる。
アメリカムシクイは種によって、木の上段、中段、下断に分かれて住みかとしている)

侵略的競争者

外来種が生態系に突然導入されると、しばしば問題が生じる。わかりやすい例は、イギリスのキタリスとトウブハイイロリスだろう。1870年代にアメリカからハイイロリスが導入され、両種が同じ餌とハビタットをめぐって競争し、在来のキタリスの個体数が激滅した。ハイイロリスの優勢は餌への適応による。たとえば、ハイイロリスは青いドングリも食べるが、キタリスは熟したドングリしか消化できない。森のなかで、ハイイロリスが餌を食い尽くし、キタリスには残らない。また、ハイイロリスは、キタリスより密な状態で、多用なハビタットで生きられる。森林が破壊されてもキタリスより容易に生き延びる。その結果、イングランドではキタリスが絶滅に近づいている。