じじぃの「科学・地球_248_生態学大図鑑・大陸の移動と進化」

【世界の地形と気候】2つの造山帯

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=1sqiIj5xhFY

大陸移動、造山運動、火山、地震の謎解明「プレートテクトニクス

2007年12月04日 サイエンスジャーナル
プレートテクトニクスのすばらしいところは、大陸移動だけでなく、造山運動、火山活動、断層、地震など、ほとんどすべての地殻変動の説明ができるところである。
なぜ地震が起きるか? なぜ火山が噴火するか? なぜ海溝ができるか? なぜエベレストはあれほど高くなるか? なぜエベレストの頂上付近でアンモナイトなどの化石が出土するのか? 今日はすべての地殻変動の謎を解くプレートテクトニクスを調べたい。
http://sciencejournal.livedoor.biz/archives/929527.html

生態学大図鑑』

ジュリア・シュローダー/著、鷲谷いづみ/訳 三省堂 2021年発行

プレートの動きがもたらすものは、破壊や絶滅だけとは限らない 大陸の移動と進化 より

【主要人物】アルフレート・ウェーゲナー(1880~1930年)

地球の表面は絶えずごく緩慢に動いており、それは30億年以上も続いてきた。地球の岩石圏(地殻とマントルの最上部)は、7つの大きな部分と多くの小さな部分に分かれており、これらは「テクトニックプレート」と呼ばれる。プレートどうしが接するところでは、運動のタイプによって境界の性格が決まる。互いに押し合えば新しい山脈が生まれる。相互に離れるように運動すると海底に新しい地殻が作られる。
大陸が太古から常に同じ位置関係にあったのかという漠然とした疑問が初めて投げかけられたのは16世紀後半である。ヨーロッパの探検家たちがアメリカ大陸に航海し、新しい地図を作ると、大西洋の両岸の海岸線の形が互いによく似ていることに気がついた。その後、地質学者たちが、北ヨーロッパカレドニア山地と北アメリカのアパラチア山脈が構造的にも地質学にも類似性が高いことを見いだした。

よく似た化石

異なる大陸にまたがって化石が見つかる例がいくつもあることは、大陸移動でのみ説明できる。それらの動植物は、海を渡ることができなかったと思われるからだ。そのような動物の一つが哺乳類に近い爬虫類のキノグナトゥス・クラテロノトゥス(Cynognathus crateronotus)で、2億年以上前にアフリカ南部や南米東部で生きていた。植物化石では木生裸子植物グロッソプテリス(Glossopteris)属が3億年前頃に南米、オーストラリア、インド、南極大陸で生育していたが、それ以外の地域からは化石は見つかっていない。
ドイツの地球物理学者アルフレート・ウェーゲナーにとって、このような化石の分布パターンはかつて大陸がつながっていたことを示すものであった。1915年に彼は、大陸はかつて一つの大きな陸塊「パンゲア」だったが、分裂して移動したという説を記した書物を刊行した。彼の説は、初めはなかなか受け入れられなかった。1943年には、当時最も影響力のあったアメリカの古生物学者ジョージ・ゲイロード・シンプソンが大陸移動説を批判した。そのような化石の記録は、大陸が動かなくても定期的な水位の変化で互いに離れたりつながったりすることでも説明できると主張した。

証拠と進化

最初は疑問視する声も多かったものの、「プレートテクトニクス(プレート理論)」の証拠は増えた。一連の発見により、海底が拡張して地殻が常に作られていることが証明された。今では、プレート移動を駆動するのは地球の深部から表面へと湧き上がるマントルの対流であることがわかっている。
ウェーゲナーの理論が受け入れられると、化石の証拠はさらに大きな意味を持った。大陸の移動は、種がどう進化したかにも大きな影響を与えたはずである。たとえば大陸が分裂すれば、同じ種の2つに分かれた個体群がまったく異なる方向に進化し始めることもありうる。一方、2つの大陸が衝突するか、その間に陸橋ができれば、異なる種どうしが混ざり、競争し、ときには絶滅することもありうる。