じじぃの「科学・地球_14_繰り返す天変地異・ダークマター」

Did Dark Matter Kill The Dinosaurs?

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=qEA78j6ay1M

Dark matter’s shadowy effect on Earth

Dark matter’s shadowy effect on Earth

July 31, 2019 Astronomy.com
●A dark matter connection?
Evidence for dark matter comes mostly from the motions of galaxies.
Dark matter explains the fact that stars far from the centers of rotating galaxies have much higher velocities than predicted from the distribution of visible matter alone. Without some additional matter exerting a gravitational pull, the galaxies would fly apart. To explain the “excess velocity” of the stars, scientists think the dark matter likely forms a spherical halo surrounding the galaxies. Evidence for dark matter also comes from galaxy clusters, which require far more matter than what is visible to produce the gravitational forces holding the clusters together. Dark matter also makes its presence known through gravitational lensing. The dark matter halo of a nearby galaxy distorts the light from background galaxies into a ring of mirages around the closer galaxy.
https://astronomy.com/magazine/2019/07/dark-matters--shadowy-effect--on-earth

『繰り返す天変地異 天体衝突と火山噴火に揺さぶられる地球の歴史』

マイケル・R・ランピーノ/著、小坂恵理/訳 化学同人 2019年発行

シヴァ仮説 彗星シャワーと銀河の回転木馬 より

もしもデイヴィッド・ラウプやジャック・セプコスキーが主張するように、大量絶滅は周期的に発生しているとしたら、その周期性を何が引き起こしているのかが大きな疑問として浮上する。1983年9月、大量絶滅に関してすでに複数のニュース雑誌で報道されている記事を、天体物理学者のリチャード・ストーサーズと私は興味深く読んだ。大量絶滅の周期性に関する公表前の論文のコピーをラウプから送られたあと、ストーサーズと私は大量絶滅を周期的に引き起こす原因の候補を探し始めていた。
ストーサーズは博学である。天体物理学者でありながら、古代の文献をオリジナルのラテン語ギリシャ語で読んで、古典古代の天気の変化、太陽黒点の観察、火山の噴火など自然事象に関する記録を見つけた。私たちはすでに共同で、古代の火山の噴火が大気や気候におよぼした影響に関する説明を編集していた。たとえばストーサーズは、気温が低かった紀元536年には「乾霧」が大量に発生して太陽光が遮断されたが、それは史上最大級の火山の噴火の結果であることを発見した。一部のライターは、その年に大気がきわめて不安定だったのは天体の衝突が原因だった可能性さえ指摘している。
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もっとも最近になって2014年には、ハーバード大学の天体物理学者リサ・ランドールとマシュー・リースが、オールト雲で最大の重力摂動は、ダークマターという風変わりな物質で構成される目に見えない薄い円盤が発信源だという結論に達した。天文学者によれば、ダークマターとは、宇宙の全物質のおよそ85パーセントを占める物質である。意外にも、恒星や星雲や銀河のなかで目に見える物質は、全体のわずか15%にすぎない。

地殻の大変動とダークマター より

ホットスポット火山の噴火、海洋底拡大に伴う変動、プレートテクトニクス運動、大陸の分裂などの地質事象は、なぜあの場所とタイミングで発生しているのだろう。ランダムな事象なだろうか、それとも時や場所に関して、ある種のパターンに従っているのだろうか。地球に関する完全な理論は、地質活動を空間領域で説明できなければならない。プレートテクトニクスは現在の説明にはふさわしいが(ホットスポットパラダイムに組み込めばよい)、時間と頻度の領域からも取り組むべきだ。実際、近年の複数の発見によって、地質学では新しい理論が誕生間近のような印象を私は受ける。ここでは天文学のコンテキストで、時間や空間の観点から地球の地質活動の解明に取り組む。
1983年末、「銀河回転木馬説」に関する論文を『ネイチャー』誌に提出したあと、リチャード・ストーサーズと私は追跡調査記事の作成に取り組み始めた。およそ3000万年の周期が地質記録の様々な側面に偏在していることを報告し、『サイエンス』誌に寄稿するつもりだった。この点に注目したのは、プリンストン大学のアル・フィッシャーとマイク・アーサーの論文を読んだことがきっかけだった。1977年に発表されたその論文では、海洋生物の多様性と海洋気候に3200万年の周期が存在している点が示唆されており、ふたりはこれがプレートテクトニクスと関係している可能性を考えた。地質事象がほぼ3000万年の周期で繰り返されるというアイデアは、地質学の文献に古くから記されている。
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この謎を解く鍵となりそうなアイデアは、天体物理学から提供される目に見えないダークマターかもしれない。地球はおよそ3000万年の宇宙軌道で、銀河中央平面に沿って密集したダークマターの塊を通過している可能性があることを思い出してほしい。1986年には天体物理学者のローレンス・クラウス、ノーベル賞を受賞したハーバード大学のフランク・ウィルチェック、(ふたりとは独立に)ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのキャサリン・フリーズが、ダークマターの粒子は地球に捕獲され、核に蓄積される可能性を指摘した。

核の内部でダークマター粒子の密度が一定の値に達すると、相互消滅が引き起こされ(粒子が自らの反粒子になる)、地球内部で莫大な量の熱が発生するという。

私は『アストロパーティカル・フィジックス』誌(地質学者はまず読まない)で1998年に発表された論文を見つけ出した。ユトカル大学に所属するインドの天体物理学者アスファー・アッバスとサマール・アッバス(親子)によって執筆されたもので、ミッシングリンクを提供してくれる可能性があった。ふたりとも、ダークマターならびにダークマターと地球の相互作用に関心を持っていた。そして、地球の通過時に捕獲されたダークマターが、あとで消滅するときに放出されるエネルギーの量を計算した結果、WIMP(ほかの物質との電磁気相互作用がほとんどない重い粒子)とのあいだでの相互消滅からは10の16乗ワット以上のエネルギーが生みだされる可能性が明らかにされた。これは地球の現在の熱流量(およそ10の13乗ワット)の1000倍であり、地球内部で磁場が生み出されるために必要と推定されるエネルギー(およそ10の11乗ワット)よりもはるかに大きい。地球がダークマターの塊とおよそ3000万年の周期で遭遇することと、そのとき捕獲される不安定な物質が生み出す影響を考慮すれば、地質活動が繰り返される原因についての可能性の高い仮説が生み出される。