じじぃの「韓国がTPP参加の意思・朝鮮戦争・血の同盟が意味するものとは?報道1930」

韓国、TPP加入申請へ…“方針転換”の思惑は 【12月15日(水)#報道1930】

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=FTXrjXZyjWc

The Korean War (1950~53)

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https://www.youtube.com/watch?v=yxaegqvl4aE

韓国とオーストラリアは「血の同盟」?

韓国、北京五輪への外交ボイコット「検討してない」 文大統領が表明

2021年12月13日 朝日新聞デジタル
韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は13日、中国の人権問題を理由に、来年2月の北京冬季五輪に政府当局者を送らない「外交ボイコット」を「韓国政府は検討していない」と表明した。訪問中の豪州で、モリソン豪首相との首脳会談後の記者会見で明らかにした。
文政権は北京冬季五輪を舞台にした外交で、南北関係や米朝関係の改善を目指そうと模索してきた。
https://www.asahi.com/articles/ASPDF3HP0PDFUHBI00N.html

報道1930

2021年12月15日 BS-TBS
【キャスター】出水麻衣、松原耕二 【コメンテーター】堤伸輔 【ゲスト】
杉山晋輔(前駐米大使)、平井久志(共同通信 客員論説委員)、権容爽 クォン ヨンソク(一橋大准教授)、松本哲哉(国際医療福祉大学 主任教授)
韓国政府が環太平洋経済連携協定(TPP)の加盟を申請する方針であることが13日、わかった。
韓国政府はかねてTPP加盟に意欲を示していたが、高水準の市場開放が求められることについて産業界や農業団体の懸念が強かった。9月に中国と台湾が相次ぎ加盟を申請したことで、巨大経済圏から韓国が外れることへの懸念が高まっていた。
●TPPに韓国が参加の意思 文大統領が豪州訪問 狙いは「中国依存からの脱却」 米韓「血の同盟」が意味するもの

TPPに韓国が参加の意思

TPPに中国が入った場合、本来のTPPとは異なったものになってしまうのではないか。
中国が入ったら、事実上、アメリカと台湾は排除されることにならないか。
杉山氏はこんな事例を話した。
1997年、30年に及ぶ紛争終結で国連平和維持活動(PKO)の派遣が決議されたが中国側が拒否権を発動した。
グアテマラは台湾の国連加盟決議案の提出を断念。
するとわずか10日後に中国が拒否権を取り下げた。
1969年には約70ヵ国が台湾と外交関係があったが現在は約14ヵ国まで減少。
129日、民主主義サミットの初日、ニカラグアは台湾と断交を発表。
杉山晋輔、「14対1でグアテマラPKO国連安保理決議は否決された」
●TPP加盟国
日本、シンガポールベトナム、マレーシア、ブルネイ、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、メキシコ、ペルー、チリ。
【加入の条件】高水準のルール順守、全加盟国の承認。
2017年1月・米国離脱、9月・中国・台湾・加盟申請
2021年12月13日(おととい)、韓国・文在寅大統領就任中に加盟・申請手続き開始を表明。
韓国・副首相は「中国と台湾のTPP加盟申請などアジア太平洋地域の経済秩序が変化、これ以上政府内での議論だけにとどめることは難しい」と語った。
松野官房長官は「高いレベルを完全に満たす用意ができているかまずは見極める必要がある」と語った。
杉山晋輔、「日本も韓国もEU経済連携をして自由貿易を拡大していこうとしている」

脱“中国依存”で連携強化?

おとといオーストラリアのキャンベルでモリソン首相と韓国の文在寅大統領の首脳会合が開かれた。
会談後、モリソン首相は「台湾問題について中国が誤判断した時、韓国も深く関与する事でインド太平洋諸国に恩恵を与えられる」と語った。
文在寅大統領は「韓国政府は北京オリンピックに対する外交ボイコットを検討していない」と語った。
権容爽、「文在寅政権の外交の基本は、主体性のある外交。米国に対しても中国に対しても一定の距離を置くというのがある。経済と安全保障をがっちりパートナー組んでいくとなると中国からにらまれていくので、バランスとしてあえてオーストラリアに行って北京オリンピックの外交ボイコットはしないと中国にもメッセージを送る」
平井久志、「中国と、反中国の間のバランスをとる意味で、あえてオーストラリアに行くことを選んだのではないか」
今、米国を中心に日本も米国と日米同盟を結んでいる。
そして韓国と米国も米韓同盟を結んでいる。

朝鮮戦争があったとき、米国、米兵は3万人以上、英国も1000人以上、オーストラリアも340人が亡くなった。

一緒に戦ったということが、過去の記憶としてしっかりとある。

杉山晋輔、「トランプ政権もバイデン政権も韓米同盟。米韓同盟を考えるときに、我々はともに血を流した同盟だということを忘れてもらっては困るということはさんざん言われた。血の同盟に対して日米の同盟っていうのはそういう意味では違う。経緯が違うが和解の力によって実は日米同盟というのは韓米同盟に勝るとも劣らず、あるいはひょっとすると米国から見てみると日米同盟の方がはるかに強いと思ってるかもしれないぐらい」
権容爽、「ようやく今、韓国も先進国になって文在寅大統領が世界中を回る中で朝鮮戦争のときの感謝の気持ちをようやく述べたり、それをてこに経済協力をしていくような形、パートナーシップを結んでいく状態にきたという状況だろうと思う」

“血の同盟” 日本にないもの

平井久志、「韓国人が国連のことをものすごく大好きな理由の1つが、国連軍としていろんな各国が支援してくれたこと。戦後ずっと支援を受ける側だったがようやくそれを支援する側になってることで特に参戦兵士の方たちに対しては、恩に報いなければならないという感情が強い」
堤伸輔、「どちらが同盟として強い弱いを論じる部分ではなくて同盟の性質が違う。どうそれぞれが生かしていくかという問題だと思う」
杉山晋輔、「今の韓国では、嫌中感情って今、非常に強いんじゃないかと思う。韓国の中の対中感情この関係がもとになっているものもあって決してよくはない。ただ気を使わなきゃいけないという現実があるから日本はもうちょっと客観的に理解しないといけない」
https://www.bs-tbs.co.jp/houdou1930/

地政学で読み解く 日本と中国・韓国・ロシアの勢力史』

内藤博文/著 KAWADE夢文庫 2020年発行

朝鮮戦争の勃発――半島統一をめぐりこぞって介入した大国の狙いとは より

1950年、北朝鮮軍が韓国内に侵攻、朝鮮戦争が勃発する。朝鮮戦争は、北朝鮮金日成の仕掛けた戦争であり、彼は朝鮮半島統一を狙っていた。その直接の引き金は、アメリカのアチソン国務長官の先述の発表があった。アチソンは朝鮮半島アメリカの勢力圏外と見なす発言をしたから、金日成はその気になった。
金日成の決断の背後には、スターリンの思惑があった。開戦にあたって、金日成スターリンに許可と援助を求めているが、スターリンは慎重であった。スターリンは、武器の支援には応じても、ソ連の参戦はあり得ないとした。
スターリンは、アメリカの本格軍事介入を恐れた。朝鮮半島ソ連軍とアメリカ軍が衝突するなら、第三次世界大戦を招きかねない。そこで、スターリンは、金日成毛沢東の支援を執り付けるように求めた。スターリンは、自国の安全保障として、ソ連の代わりに毛沢東の中国をアメリカ軍と戦わせようとしていた。
    ・
朝鮮戦争がはじまると、北朝鮮軍のまえに、ソウルはあっけなく陥落、北朝鮮軍は朝鮮半島南端の釜山(プサン)に迫ろうとしていた。
この危機に対して、アメリカのマッカーサー将軍は一大反撃を企画する。マッカーサーは、アメリカ軍をはじめとする国連軍を朝鮮半島の西岸である仁川(インチョン)に上陸させた。これにより、釜山に迫っていた北朝鮮は後背を衝かれた形となって、瓦解する。形勢は一気に逆転、アメリカ軍は38度線を突破、北朝鮮側に侵攻をはじめた。今度は、アメリカ主導の朝鮮半島統一に向かいはじめていた。追い詰められられた金日成は、満州に亡命しようとしていた。
ここで、動いたのが毛沢東の中国である。毛沢東は、金日成の要請に応じて大規模な中国軍を朝鮮半島に送り込みはじめたのだ。
それは、毛沢東の苦渋の決断だった。中国は建国まもなく、未熟である。世界最強のアメリカ軍と戦えば、損耗は確実で、リスクがありすぎた。中国共産党内では、参戦反対の声が強かったが、それでもあえて毛沢東は決断した。