じじぃの「検証・文在寅×バイデン・最高の韓米首脳会談!プライムニュース」

文在寅×バイデン会談 ワクチン・中国・対北 松川るい武藤正敏ほか 【後編】

動画 fnn.jp
https://www.fnn.jp/articles/-/186881

文在寅×バイデン会談 ワクチン・中国・対北 松川るい武藤正敏ほか 【後編】

「最高の韓米首脳会談」…バイデン大統領と密着する文大統領

プライムニュース 「文在寅×バイデン会談 ワクチン・中国・対北 松川るい武藤正敏ほか」

2021年5月24日 BSフジ
【キャスター】新美有加、反町理 【ゲスト】松川るい防衛大臣政務官 自由民主党参議院議員)、武藤正敏(元駐韓国特命全権大使)、李泳采(恵泉女学園大学教授)
日本時間22日、米国・バイデン大統領と韓国・文大統領が対面形式での初会談を行った。
中国包囲網の意味合いもあるクアッドへの韓国参加、任期が1年を切った文大統領の悲願である南北融和に向け前進など、何が読み取れるのか。
さらに、韓国で供給不足が指摘されるワクチンをめぐる動向や、バイデン政権が重視する日米韓、日韓関係への言及など、米韓両首脳の発言、両国政府の発表、周辺国の反応を踏まえながら、会談の焦点と波紋を徹底検証する。

検証 文在寅×バイデン 最高の韓米首脳会談

●検証!米韓首脳会談 米国の接遇に見る米韓関係
李泳采、「今回の米国のもてなしは非常に文在寅大統領にとっては高いレベルの接待だった。ハンバーガーは食べるために出しているものではなかったと思う。カニはワシントンでシーズンで非常に高級料理。文大統領の好みに合わせて準備するほど文在寅大統領を迎える準備を細かいところまで考えながら準備をしていたという象徴ではないか」
武藤正敏、「韓国の人はプライドを気にするから非常に重視していると思う。特にトランプ大統領の時は記者会見でトランプ大統領が国内問題を抱えていたこともあるが、冒頭36分間、国内問題について1人で喋った。今回の場合は非常に大事にしてくれた。会談の途中で新しい北朝鮮の特別大使を任命するとか、ワクチンで55万人分を軍に出してくれるとか、文在寅大統領を大事にするような雰囲気を表に出したことは韓国にとっては心地の良いこと」
松川るい、「トランプ政権下で米韓同盟が少しギクシャクしているところがあったし、中国に追いやってはいけないということもあり、今回バイデン政権は良い外交をしたと思う。今回の会談は文在寅大統領も自分の欲しいもの、南北対話を取った。米国が欲しかったのは米韓同盟の強化と半導体のセンターを大規模投資をすること」
●検証!米韓首脳会談 「ワクチン」めぐる成果は
フジテレビソウル支局長・渡邊康弘、「米韓共同記者会見で、米国・バイデン大統領は『米国軍に定期的に関わる韓国軍兵士55万人にワクチンを提供する』と明らかにした一方で、共同声明などで一般国民への供給は約束されなかった。韓国メディアからはこれに対して批判の声も出ている。韓国政府としては菅首相が訪米した時にファイザーワクチンを5000万回分確保したことに刺激され、韓国政府としても事前にワクチンをもらって、終わった後に落ち着いてからワクチンを返す『ワクチンスワップ』という韓国独自の造語まで使って国民の期待感をあおっていたが、一般国民に行き渡るようなワクチンは入手できなかった。一方で、米国・モデルナ社のワクチンを韓国国内で製造することが成果としてあげられているが、蓋を開けてみるとモデルナのワクチンを瓶詰め作業を韓国国内で行うということ。そのワクチンもすぐに韓国国内で消費されるわけではないということで、期待が大きかった割にワクチンに関しては国民の期待には応えられなかった」
●検証!バイデン 文在寅“初会談”

韓国企業による対米直接投資は約4.3兆円。

内訳は半導体サムスン、SKが約2.0兆円。

バッテリーはLG、SKが約1.5兆円。

電気自動車はヒュンダイが約0.8兆円。

李泳采、「4.3兆円でワクチンを買いに行ったわけではない。ワクチンはすでにステージが変わっていて、今は確保の段階は終わっている。どれほど国ごとに接種率を早く高めるのかがモチベーションの問題。韓国も接種は非常に軌道に乗っていて、7月になると5割以上が接種するというスピードに上がっている。半導体とバッテリーは米国が戦略的な産業として中国と対抗するための1つの戦略。これを韓国と契約を結んだということは米韓の安全保障同盟がワクチン同盟と共に経済同盟まで密接になって未来産業の中心に韓国が入ったということになる。それをサムスンとSKは利益があったので投資に行った。中国も米国も韓国の存在を無視できなくなった」

バイデン大統領が文在寅大統領と最初の対面首脳会談した日に朝鮮戦争参戦英雄に名誉勲章を授与した。バイデン大統領のメッセージは「韓米同盟を忘れるな」と要約される。共に血を流した韓国戦争から始まった韓米同盟を記憶し、より一層発展させようという無言のメッセージだ。

反町理、「朝鮮戦争時に米韓一緒に戦った軍人への勲章の授与というニュースは韓国でも大きな話題になったのか」

フジテレビソウル支局長・渡邊康弘、「保守系のメディアは高く評価していたようです」
●検証!米韓首脳会談 韓国経済界“訪米の狙い”

韓国の輸出(2020年)

中国 25.9%、米国 14.5%、ベトナム 9.5%、香港 6.0%、日本 4.9%。
武藤正敏、「今までは中国に投資していた。韓国の輸出の4分の1が中国向け。中国にある韓国企業向けに輸出しているケースが非常に多い。今回は中国ではなく米国に行くようになったということは韓国にとっても米国にとっても大きなこと。逆に言えば、それだけ韓国国内に投資するメリットがなくなったということでもある。特に最近の新しい法律では組合にすり寄った法律を作って、災害などもすぐ企業に責任を問うような新しい規制を導入している。韓国企業がこれからもっと米国に向いていくと思う」
●検証!米韓首脳会談 韓国“直接投資”の本質
松川るい、「米国は良い外交をやった。半導体は次の時代のいろんなものを作っていく。シェアが台湾・TSMCが6割でサムスンが2割で、インテルを入れてビッグ3。サムスンTSMCは中国にも米国にも工場があるが、思いっきり米国の方にサムスンを持ってきたのは非常に大きい。今、中国が青くなっているのではないか。米国・バイデン政権は中国との戦略的競争、覇権争いに勝つと宣言している。その時に安全保障環境の方が軍事分野だけではなくて経済安全保障、技術の面まで広がっている。そこに対処するために日米同盟も米韓同盟もどういう質的変化をしなければいけないかという問題。だから、日米首脳会談の宣言の中にも単に台湾環境の平和と安定とかだけじゃなく、半導体や次世代のAI、量子力学において研究開発を進めていくとか、経済安全保障における言及が非常に大きかった」
●検証!米韓首脳会談 「対中国」めぐる合意
米中の狭間で難しい舵取りが迫られている韓国・文在寅大統領は、米韓首脳会談でどのような姿勢を見せたのか。

米韓首脳会談の共同声明で「中国」について

台湾海峡の平和と安定を維持する重要性を強調
・国内外での人権と法の支配を促進する意志を共有
・ルールに基づいた国際秩序を脅かす全ての活動に反対し、包括的で自由で開かれたインド太平洋を維持
・クアッド(米国、日本、オーストラリア、インドの4ヵ国による枠組み)を含む自由で透明性のある包括的な地域多国間主義の重要性を確認
などが盛り込まれた。
李泳采、「韓国で文在寅の外交に評価が高いのは中国との関係をうまく抑えたということが大きかった。日本と比べて、中国を名指ししないまま、クアッドもある程度抑えて、その中で米韓関係がもっと強化された。半導体の米国投資は明らかに韓国で経済的な中国への依存度が問題になっていた。THAADでの脅威があると韓国の今の弱点は中国に経済を依存し過ぎたことをなんとか改善しないといけなかった」
●「対中国」日米 日韓の溝
米韓首脳会談での中国を巡る合意について。
武藤正敏、「中国は日本に対してそんなに強く出ない。韓国には強く出るかもしれない。クワッドについてはもっと強く言っても良いのではと思った。バイデン外交はうまく韓国を少し米国寄りに引き戻した。中国が強く出た時に韓国がどう出るか注目」
松川るい、「中国が韓国に厳しくあたると、米国側にますます追いやってしまうから控えてると思う。日米同盟と米韓同盟は違う。日本も中国との関係は大事だと言っている。しかし日本は尖閣諸島を日々圧迫されている。日本がやるべきことは抑止力を高めること。韓国はバランス外交をやってる。日本は米国と一緒ではない。中国は日本のすぐ隣。日本は守らないといけないものがある。米国の力と連携することでオーダーを作っていくことが日本の国益
武藤正敏、「今までの韓国の大統領は米韓同盟を大事にしていた。朴槿恵から中国が大事だと言い出した。地政学を理解しているかしていないかでずいぶん違ってくる。今の文在寅政権は、中国を大事にしないといけないと言っている。最近になって寄り添うようになった」
フジテレビソウル支局長・渡邊康弘、「対米関係、対中関係は右と左で分かれている。朴槿恵大統領が中国で軍事パレードを見学したということがあった。韓国国民の世論調査では、反中国の意識は日本より韓国人の方が強い。世論と政権の齟齬も出てきている」
武藤正敏、「韓国の世論調査で一番嫌いな国は、1番は北朝鮮、2番目は中国」
●米中の狭間で文大統領は
日米韓と中国について。
李泳采、「韓国外交は従来と変わっている。3,4年前から韓国は、米国にとって必要な存在という認識にかわっている。韓国がポストコロナ時代に、新しい時代に必要な国であるとバイデン政権も認めている。今、どういう形で生き残るのか、全ての国で課題。韓国は北朝鮮問題を解決しないといけない」
●「対北朝鮮」への思惑は
米韓首脳会談のもう1つの大きな焦点、北朝鮮への対応について。
フジテレビソウル支局長・渡邊康弘、「韓国では文在寅政権が大きな成果を得たという評価。ただ具体的な道筋というのが出たわけではない。人権問題について完全に向けて努力するとあるが、北朝鮮は反発すると予想される」
李泳采、「文在寅大統領にとって満足度が高いのが、南北対話をしても良いという支持を引き出したこと。文在寅大統領にとってはレガシーを作り出したい。今回お土産のようにソンキム北朝鮮問題特使を任命した」
残りの任期が1年となった文在寅大統領は北朝鮮との「対話」を重視する考えを強調した。
米韓関係の強固さをアピールする狙いで行われた首脳会談だったが、結果的に北朝鮮問題に対する両者の温度差が浮き彫りとなった形だ。

【提言】 「安定的な東アジア情勢を築くための日本の役割」

武藤正敏 「米国を支援」
 米国がやりやすいような環境をつくる。日米韓で北朝鮮や中国に圧力を加える。
李泳采「日朝関係改善」
 今回の文在寅バイデン会談は安全保障関係だけでなくワクチンなど新しい展開があった。日本外交は日朝を含めてグローバル展開する時期にある。
松川るい 「抑止力と外交」
 中国をどういう形で抑止したうえでの日米関係であり、米韓関係である。このことを踏まえて外交をやる。
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