じじぃの「科学・地球_210_5000日後の世界・ミラーワールドとは何か」

映画『レディ・プレイヤー1』予告1【HD】2018年4月20日(金)公開

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=BlTCXShunpI

スマートグラス

【2021年最新版】スマートグラスとは? 発表された最新モデルを紹介

2021.02.09 Mogura VR
ディスプレイにデジタル情報を表示できる「スマートグラス」は現在、産業向けから一般ユーザー向けまで、さまざまな種類が登場しており、その用途も実に多様です。
本記事ではそもそも「スマートグラス」とはどういったデバイスなのか、2021年1月時点でどのようなモデルが各企業から発表されているのか、紹介していきます。
https://www.moguravr.com/smart-glasses-new-models-2021/

5000日後の世界 すべてがAIと接続された「ミラーワールド」が訪れる

ケヴィン・ケリー(著)
『WIRED』誌創刊編集長として長年ハイテク業界を取材していたケヴィン・ケリー氏に言わせれば、今ほど新しいことを始めるチャンスにあふれている時代はない。
はじめに
第1章 百万人が協働する未来
第2章 進化するデジタル経済の現在地
第3章 すべての産業はテクノロジーで生まれ変わる
第4章 アジアの世紀とテック地政学
第5章 テクノロジーに耳を傾ければ未来がわかる
第6章 イノベーションと成功のジレンマ

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『5000日後の世界』

ケヴィン・ケリー/著、大野和基/インタビュー、服部桂/訳 NHK出版 2021年発行

第1章 百万人が協働する未来 より

ミラーワールドとは何か

近年私が提唱している「ミラーワールド」という来たるAR世界(拡張現実の世界)も、深い共同作業が必要になる場です。
ミラーワールドとは、イェール大学のデビッド・ガランター教授が最初に広めた言葉です。ミラーワールドでは、スティーブン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』に出てくるように、現実の世界の上にバーチャルな世界が覆いかぶさることになります。
何百万人もの人が関わる、世界規模の何らかのレイヤーです。人々は現実世界ではそれぞれの住んでいる地域にいますが、同時に他の場所にいる人と地球サイズのバーチャルな世界を一緒に紡ぐのです。
ミラーワールドの最も基本的な説明は、「現実世界の上に重なった、その場所に関する情報のレイヤーを通して世界を見る方法」というものです。VR(仮想現実)は外界が見えないゴーグルの中でのバーチャルな世界ですが、ARは、スマートグラスなどを通して現実世界を見ます。すると現実の風景に重なる形で、バーチャルの映像や文字が出現します。
たとえば、スマートグラスをつけて、ある古い家が建っている場所を訪れたとします。グラスを通してその古い家をを見ると、そこがかつてどんな様子だったのがわかるイメージ画像が、仮想的に重なって見える、といった具合です。
現実世界をガイドするのにも使えます。例えば、スマートグラスをつけながら歩くと、ある場所で、目の前にどちらに行けばいいかを示す青い矢印などが出てくる。もしくは何かのキャラクターが出てきて前を歩いて街をガイドしてくれる。また友人が事前に残したメモや、何かの広告などの説明が出てくる。彼らが以前に来たときに、あなた宛てのメモを残していて、そこにそれがずっと置いてあるといった具合です。
面会した人の胸元にバーチャルな名札のようなものが浮いて見えて、名前などを教えてくれる、といったことも考えられます。
他には、こんな例も考えられます。複雑な機械を直そうとするとき、ガイドの矢印が出てきて、どの部分にドライバーを当てればいいかなどを教えてくれる。あるいはまるで誰かが真後ろについているかのように、あなたと同じ目線で機械を認識して、どう修理したら良いか音声でもガイドしてくれる。映像を重ねて使う応用例としては、そういったものも考えられますね。

いまはない新しい組織の形ができる

ARやVRによる共同作業が進むことで、会社と呼ばれる組織自体がどんどん無意味になっていくのではないか、と思われる読者もいるでしょう。フリーランスが増えて、ちょっとした頼まれ仕事で経済が動く、いわゆるギグ・エコノミーが進展するのかどうか、という予想もありますね。
一般的にテクノロジーは、どんどん累積していきます。古いものが消えてしまうことはほとんどありません。現在のようにフェイスブックやグーグルといった超巨大企業がある時代でも、夫婦で経営する小さなレストランは残っていますし、それらは消えるどころか、以前にもまして増えています。ですから株主が支えるグローバル企業が消えてしまうということもないでしょう。たぶんそれに加えて、もっと多くの組織が作られるはずです。
フリーランスはおそらく今後も増えていくでしょう。現在のところまだ世界の人口は増加し続けているので、あと50年はこうした動きが続くと思います。
注目したいのは、これまで存在しなかった種類の組織ができないか、できるとしたらどんなものになるかという話です。
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現在注目されているテクノロジーはパソコンと通信が結びつき始めた35年ほど前から始まったもので、それは共同作業を推進するための、主にコミュニケーションのテクノロジーでした。様々なものがどれも共同作業に関連するもので、ずっと続いており新しいものではありません。
そのためには物理学にその場にいる必要があり、それが限界でもありました。実際に会社に行って共同作業するしかなかったのです。個別の参加者はあまり情報をもっておらず、情報はほとんど上司から降って来るのです。建築現場などではそういうやり方ですね。
しかし新しいテクノロジーを使えば、チームの誰もが同じ情報を共有して共同作業ができるのです。情報はフラットになり上司に頼らなくてもよくなる。全員がスマートグラスで同じ情報を直ちに得られるのです。各人が自分の責任において共同作業を遂行できるようになり、それは労働形態を問いません。フルタイムでもパートでもリモートでも良いのです。つまり、リアルタイムで働けるもっと新しい方法を生み出していくことで、仕事のスケールもアップしていきます。
また、物理的に集まって働く場合は、同じ部屋に数十人ほどが限界でしょうが、VRを使えば千人でも可能です。千人の共同作業とはどんなものでしょうか。以前、エリック・ウィテカーという人が、音楽監督として合唱の指揮を担当して、仮想コーラスをすることにしました。リモート会議の方式を使って、世界各国の2千人の歌手に同じ歌を合唱してもらうもので、それは美しい歌声でした。
ですから彼らは日常のリアルな生活の中でほぼ不可能な共同作業をできたわけです。それは共同作業のためのツールの性能を挙げた一例に過ぎません。ブロックチェーンウィキペディア、ギットハブ(git+hub、ソフトウェア開発プロジェクトのためのソースコード管理サービス)もそうしたツールで、もっとそうしたものが増えていくでしょう。
こうしたリモートで共同作業する人はどんどん増えていくでしょうね。皆が集まってインキュベーションできるような場がもっと増えていくのではないでしょうか。
ちなみに、私は仮想的なリモート環境について力説はしていますが、物理的に人が対面するのも非常に効果的で価値がある話です。たとえばMakerというリアルイベントがありますね。そこにはインキュベーター(起業を支援する事業者)や開発を加速するための人が集まります。こうした仕掛けはとても有効です。こういう場は決してなくならないでしょうね。
唯一言えることは、選択肢がいろいろと広がっているということです。いままでは1つしかなかった方法が増え、昔のやり方も残したうえで新しいやり方を活用するのです。そうして2つのやり方をミックスして、スマートグラスを使って、例えばカンボジアベトナムからも参加してもらえばいいんです。以前にはなかった、仮想的なリモート環境で行なう仕事が増えたということです。それでも物理的な現場で顔合わせもします。ハッカーインキュベーターが集まる場所はずっと続くし、成果も出るし役に立ちますから。