じじぃの「科学・地球_195_新型コロナ本当の真実・ワクチンは本当に効くのか」

[サイエンスZERO] mRNAワクチンは免疫細胞を活性化!CGで科学的に解説 | 新型コロナ収束のカギ!mRNAワクチンに迫る | NHK

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=2JhwNg22nOc

新型コロナウイルス感染症を疑わせる症状

(aokiclinic.biz HPより)

新型コロナ詳細

青木クリニック
新型コロナウイルス感染症を疑わせる症状を以下に示します。
(1) 発熱
(2) 風邪の症状(頭痛、喉の痛み、咳、痰、鼻水)
(3) だるさ、筋肉痛、息切れ、においがわからない、味がわからない、目の充血
(4) お腹の症状(食欲低下、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛)
https://aokiclinic.biz/examination/hatsunetsu/covid-19b.html

新型コロナワクチン 本当の「真実」

宮坂昌之【著】
免疫学の第一人者として絶大な信頼を得ている著者が、最新の科学的エビデンスをもとに新型コロナワクチンの有効性と安全性を徹底分析。
これ1冊読めば、ワクチンに対する疑問と不安がすべて解消する新型コロナワクチン本の決定版!
序文
プロローグ 新型コロナウイルスはただの風邪ではない
第1章 ワクチンは本当に効くのか?
第2章 ワクチンは本当に安全か?
第3章 ワクチンはなぜ効くのか?
第4章 ワクチン接種で将来不利益を被ることはないのか?
第5章 平穏な日常はいつ戻ってくるのか?
第6章 新型コロナウイルス情報リテラシー
第7章 「嫌ワクチン本」を検証する
第8章 新型コロナウイルス感染症の新たな治療法、そして未来

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『新型コロナワクチン 本当の「真実」』

宮坂昌之/著 講談社現代新書 2021年8月発行

プロローグ 新型コロナウイルスはただの風邪ではない より

多くの方は、新型コロナウイルスへの感染を避けるため、マスク直用、「3密回避」、換気の励行などの感染予防策をとられています。その一方で、「新型コロナなんてただの風邪。恐るるにたらず」「高齢者が重症化しやすいのは他の風邪と同じこと。マスコミや御用学者が作り出したTVウイルス」「マスクなんてやめて自然感染をしてとっとと免疫をつけたほうがいい」といった、新型コロナウイルスの危険性を軽視される方がいらっしゃいます。これは正しい理解ではありません。新型コロナウイルスは、実にやっかいな性質を持った手強いウイルスです。本編ではワクチンの解説を主に行ないますが、その前に、この難敵についての説明をしておきましょう。

感染すると80%は軽症のまま回復、5%は集中治療室へ

では、新型コロナウイルスに感染すると、実際にどのようなことが起きるのでしょうか。一般的な風邪ウイルスの場合、感染した数日以内に発症するのが普通です。ところが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、平均5日前後で発症し、潜伏期間(感染した日から症状が出現するまでの期間)は最長で14日に及びます。うまり感染していても、2週間も症状が現れないこともあるのです。
不思議なことにCOVID-19は、感染しても症状が現れない方が感染者の5割近くもいます。こうした方の中には他人に感染させるだけのウイルス量を排出している場合もあり、無自覚のまま感染を広げているケースがあるようです。
有症状者に典型的な病歴は、発熱、呼吸器症状(咳、痰、息切れ、咽頭痛)、頭痛、筋肉痛などです。ただし鼻水や鼻詰まりなどの頻度は低いといわれています。
全体的にインフルエンザやふつうの風邪によく似た症状ですが、嗅覚や味覚の障害を訴える方が多いのが特徴です。下痢や嘔吐などの症状は、近縁のコロナウイルスであるSARSやMERSよりは少なめですが、不安感や抑うつを訴える患者さんが多いといわれています。
図(画像参照)は、COVID-19の典型的経過です。約80%の方は軽症のまま治癒しますが、約20%が肺炎症状がひどくなり、5%が人工呼吸器を付けたり、集中治療室に入るようになります。インフルエンザの致死率は0.1%程度ですが、COVID-19の致死率は2~3%程度ですから、決して「ただの風邪」ではありません。後述しますが、高齢になればなるほど重症化するリスクが高まりますから、かなり怖い病気です。

インフルエンザをはるかに超える感染力

インフルエンザは発病してから2~3日後にウイルスの排出量がピークを迎えますが、COVID-19の場合は、症状が現れる発症日にウイルス排出量が最大になります。しかも、症状が現れる前から、他人に感染させるだけのウイルス量を排出しています。
これまでの研究で、新型コロナウイルスは、発症する3日前から他人を感染させるのに十分なウイルス量を放出していることがわかりました。また、ほとんども2次感染は発症5日までに起こっていました。つまり、コロナ患者は感染してから約1週間にわたって他人を感染させる危機があります。
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そして、症状が出たときでも、PCRの陽性率は1番高くても8割ぐらいです。それがだんだん下がっていきます。だいたい10日で隔離解除になりますが、この時点でもPCR検査をやると、3割から4割の人が陽性になります。しかし、この時点では、多くの場合、患者からは、感染性のウイルスは出ていません。
つまり、ほとんどの2次感染は発症5日までに起きて、7日以降は感染力がほぼなくなっています。ところが、多くの医療機関では、PCR監査陰性を退院の条件に使っているため、陽性反応が出ている限り、患者さんを退院させることができません。その結果、コロナ患者を収容する「コロナ病床」がすぐに満杯になって、新型コロナの新規患者を受け入れることができずに「医療崩壊」を招いています。
    

第1章 ワクチンは本当に効くのか? より

ファイザー製とモデルナ製、どちらを選ぶ?

「ワクチン接種が遅れているのは先進国では日本だけで、コロナ敗戦国だ」などと批判されていますが、ワクチン確保については、日本は優秀な成績を収めています。日本政府が確保しているワクチンは、2021年6月上旬時点で、ファイザー製が1億9400万回分(9700万人分)、モデルナ製が5000万回分(2500万人分)、英アストラゼネカ製が1億2000万回分(6000万人分)に達しています。
大規模な感染拡大を防いだ「優等生」とされる台湾やシンガポールもワクチン確保に苦労しています。
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mRNAワクチンはウイルスの遺伝情報(mRNA)の一部を主成分にするという新技術を用いています。ここでmRNAについて簡単に説明します。われわれの遺伝情報はDNAに保存されています。DNAの情報は、まずRNAに「転写」され、次にRNAからタンパク質へと「翻訳」されることで、DNAの情報がタンパク質に変換されて読み出します。つまり、「DNA→RNA→タンパク質」という遺伝情報の流れが、生命の営みの基本的な反応です。この過程で作られるRNAはタンパク質を合成する「指令」を写し取ったものであり、mRNA(メッセンジャーRNA)と呼ばれます。たんぱく質に「翻訳」される遺伝情報を含んでいます。新型コロナウイルスは、ウイルスのスパイクタンパク質に相当する部分のmRNAを脂質の膜で包み、安定化したものです。
一方、アストラゼネカ製のウイルスベクターワクチンは、無毒化した風邪(アデノ)ウイルスを遺伝情報のベクター(運び屋)にして体内で弱い感染を起こして、細胞内に入り込み、DNAを放出します。放出されたDNAは、細胞内でRNAに翻訳されます。そこからの反応はmRNAワクチンとほぼ同じです。これらのワクチンが働くしくみについては、第3章と第4章で詳しく解読します。

インド型変異株(デルタ株)にもワクチンは有効なのか

新型コロナウイルス感染のニュースは日本に入ってきたのは2020年1月。中国・武漢で確認されたウイルスは数ヵ月で小さな変異が生じ、ヒトの細胞表面にある受容体に結合するスパイクタンパク質の構造が変わったことで感染力を増し、短期間で全世界に広がりました。その後も新型コロナウイルスは変異を続けており、感染力の高い英国型変異株(アルファ株)、南アフリカ変異株(ベータ株)、ブラジル型変異株(ガンマ株)が相次いで登場しています。2021年に入ると、英国型変異株より60%近く感染力の高いインド型変異株(デルタ株)が登場して、日本国内でも急速に感染拡大する兆しを見せています。
こうした変異株に対してはワクチンの効果が減弱する可能性が危惧されています。日本国内で接種が進んでいるファイザー製やモデルナ製ワクチンは、現在猛威を振るっている英国型変異株や拡大の兆しを見せているインド型変異株に対して効果があるのか気になるところです。
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また、6月3日号の英国医学誌『Lancet』に出た論文では、やはり英国の研究グループが、ファイザー製ワクチンの1回接種と2回接種をした時のインド型変異株や他の変異株に対する中和後退のでき方を比較検討しています。その結果は、インド型変異株に対しては、確かに1回接種では若干中和抗体ができにくいというものでした。この傾向は被接種者の年齢が高いほど顕著でした。しかし、2回接種だと、年齢にもかかわらず、多くの人で十分に中和抗体ができていました。この時には、インド型変異株だけでなく、それ以外の変異株に対しても、高い中和抗体価が見られました。つまり、英国の状況を見ると、ファイザー製ワクチンの2回接種により、インド型を含む種々の変異株に十分対応が可能であることが示唆されます。