恒大集団 子会社を別の不動産会社が買収か
債務危機にある恒大集団
恒大救済企業の裏に習近平の大恩人の影が
2021/10/14 Yahoo!ニュース
遠藤誉(中国問題グローバル研究所)
債務危機に陥っている恒大集団傘下の恒大物業を購入することになった企業は、かつて習近平父子を助けた葉剣英系列が関係していた。
恒大を救済しないがソフトランディングさせたい習近平の狙いが水面下で動いている。
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20211014-00263167
今週のニッポン
●韓国が注目 日韓首脳電話会談
韓国の日刊紙・韓国日報「日韓首脳初の電話会談。歴史問題の解決策は平行線」。
岸田総理大臣が15日、就任後初めて韓国・文在寅大統領と電話会談を行い、元徴用工や慰安婦問題について、韓国側に適切な対応を取るよう強く求めた。
記事では「文大統領は岸田首相が就任後7番目に通話した外国首脳」と報道。
岸田首相は10月5日に米国・バイデン大統領、オーストラリア・モリソン首相、7日にロシア・プーチン大統領、8日に中国・習近平国家主席、インド・モディ首相、13日に英国・ジョンソン首相と会談、15日に韓国・文在寅大統領と電話会談。
●パンダ人気 双子赤ちゃん命名でさらに加速
中国の日刊紙・人民日報Web版
「双子赤ちゃんパンダの名前決まる。日本でパンダブームが加熱」と報道
「シャオシャオ」と「レイレイ」に名前が決まった上野動物園の双子の赤ちゃんパンダ。
2頭とも健康状態は良好。
ニュースウォッチャー・韓愈が中国の命名サイトで調べた所「暁暁(シャオシャオ)」は幸運を持ち、繁栄をもたらす。
「蕾蕾(レイレイ)」は多才で芸がうまくなる。
2頭の公開は来年1月。
徹底解説 ニュースの焦点
【ゲスト】武藤正敏(元駐韓大使)、牧野愛博(朝日新聞外交専門記者)
韓国の李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事が与党「共に民主党」の予備選に勝利した。
大胆な言動で『韓国のトランプ』とも呼ばれる一方、「日本は敵性国家」と、対日強硬発言でも知られる。この李在明氏が市長時代に進めた都市開発で、逮捕者が出た。不動産価格が高騰する中、強い反発を招いている。来年3月の大統領選を展望する。
●なぜ? 次期大統領最有力が…人気急落
韓国大統領選挙、与党候補に“韓国のトランプ”決定も…政界揺るがす巨大疑惑が浮上。
野党候補にも疑惑で異例の選挙戦。
与党・共に民主党の候補になった李在明京畿道知事。
予備選最終結果は李在明知事50.39%、李洛淵元代表39.14%で李在明知事が勝利した。
しかし、李在明知事の側近とされる人物が1日、ソウル近郊 城南ソンナム 市の不動産開発を巡るロビー疑惑で検察に身柄を拘束された。与党の候補者選びが目前に迫るタイミングで、政界は大揺れになっている。
ニュースの本質に向き合う! 時事論考
【ゲスト】遠藤誉(中国問題グローバル研究所)
中国の不動産大手、恒大集団がまたしても社債の利払いを見送った。他の不動産会社も、資金繰りの悪化が懸念されている。
中国政府が不動産価格抑制のため、不動産業界への資金流入を規制したのがきっかけだが、背景には、中国特有の社会事情があった。習近平政権は、どのように対応するのか。その影響は日本経済にまで及ぶのか。
●“危機”続く恒大集団 中国経済への影響懸念
債務危機に陥っている中国の不動産企業・恒大集団と投資家たちの間で行われた話し合いの様子を紹介。
中国第2位の不動産企業である恒大集団は去年の売上高が約8兆6000億円に上る。
負債額は約33兆円。
中国全土で建設作業がストップしている。
不動産バブルを警戒した中国政府は銀行の追加融資を規制。
期限を迎えた社債の利払いは今も履行が確認できておらず、デフォルトとなる可能性も。
遠藤誉は習近平国家主席が危惧しているのは倒産とは別のことだと見ている。
●遠藤が分析! 恒大“危機”警戒する理由
中国第2位の不動産大手・恒大集団の経営悪化について、遠藤誉が分析。
習近平政権が最も恐れているのは中間層の動乱。
【人生をも左右する不動産事情1】 子どもの学校。
2014年、義務教育改革で公立の小中学校の入学試験の実施が廃止された。
試験に関する賄賂や不正を一掃。
居住地学区内での学校入学を徹底、入学時に要求される「不動産所持証明書」提出。
優良な公立小学校に入学するとき「不動産所持証明書」が要求されるという。
【人生をも左右する不動産事情2】 子どもの結婚。
日本と違って中国の場合、男性は持ち家を持っていないと結婚すらできないという。
「家が買えない、結婚もできない。どうなるのか」と、一般市民の不満は高まっている。
●“危機”続く中国恒大・浮上した資産売却先は…
中国第2位の不動産大手・恒大集団の経営悪化について、遠藤誉が分析。
「中国恒大集団」は不動産大手の「合生創展集団」に傘下の不動産管理会社「恒大物業」の株式51%を売却する計画があると報じられている(共同通信)。
遠藤誉が注目するキーパーソンは不動産大手「合生創展集団」会長・朱孟依。
習近平国家主席の人脈に繋がっている。
習近平国家主席の父親習仲勲と親密な関係にあるのは葉剣英である。
葉剣英は広東省梅州市生まれで、その息子の葉選平や葉選寧も朱孟依もまた同じ広東省梅州市生まれ。つまり葉家も朱孟依も「同郷」である。
中国は国土が広いので、どこの生まれかによって「同郷意識」による結束が強く、政治家として広東省の省長や中央の政治協商会議の主席にまで上り詰めていた葉選平と実業家として名を成した朱孟依は何かにつけて協力し合っている。
このたび朱孟依の合生創展が恒大集団傘下の恒大物業の株を買い取ることによって債務危機にあえぐ恒大集団の一部救済に当たったことは、習近平からの(葉家を介した)何らかの連携があったものと考えることができる。
恒大集団は3回にわたって米ドル建て社債の利払いが行われていない状態が続いている。
木内登英のアンカーの眼 「資金のデカップリング」。
資金面でも米中デカップリングが加速。
中国政府はIT企業への統制をさらに強めている。その底流には、データ管理の戦略がある。中国企業が蓄積した個人データが海外、特に米国に流出すること、企業が政府を凌駕する大量の個人データを蓄積すること、の双方を同時に強くけん制するという、2重の構造がありそうだ。
●来年秋に党大会…不動産業界への対応に影響は?
中国・習近平国家主席は来年秋の党大会で3期目の続投を目指しているが、不動産業界への対応に影響はあるのか。
遠藤誉は、社会主義国家の強みと、それでも「人民の声」は怖い習近平という、2つの面を持ちながら、今日も中国の時間は動いている、という。
https://www.bs-asahi.co.jp/sunday_scoop/