The Big Freeze Universe
動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=qRToVz4sB1w&t=18s
One Day the Universe Will End: Researchers Have a Couple Ideas of How It Will Happen
Apr 04, 2020 INTERESTING ENGINEERING
●The universe could collapse
On the opposite end of the spectrum, the Universe could go on to collapse in on itself. Let’s go back to our balloon idea.
Rather than popping and tearing itself apart, the balloon would deflate shrinking to its original point of origin. This is basically what would happen during the Big Crunch.
https://interestingengineering.com/one-day-the-universe-will-end-researchers-have-a-couple-ideas-of-how-it-will-happen
特異点定理
天文学辞典 より
一般相対性理論では重力崩壊や宇宙初期における超高密度の極限状態で、時空の曲率が無限に大きくなる状況が出現する。この状況を特異点、あるいは空間的に点とは限らずリング状の場合もあるので特異領域とも呼ばれる。
どのような状況で特異点が出現するかを証明したのが特異点定理である。1965年ロジャー・ペンローズ(Roger Penrose)によって、重力崩壊がある程度以上進行し、また物質のエネルギー密度と圧力が適当な条件を満たせば、ブラックホールの内部で必ず特異点が存在することが証明された。その後、スティーブン・ホーキング(Stephen Hawking)とペンローズがやはり物質が適当なエネルギー条件を満たす限りビッグバン宇宙論で初期特異点が存在することを証明した。
特異点定理において、特異点は時空の中に存在するのではなく、時空の果てとして表現される。また特異点の形状やそれがどこにできるかを指定するものでもない。
現在の物理学では特異点を扱える理論がないため物理法則が破綻する。
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宇宙の終わりに何が起こるのか
ケイティ・マック (著)
この宇宙は必ず終わる。―いつ、どうやって!?「万物が究極的に破壊される」瞬間を描く5つのシナリオ。19ヵ国で翻訳!話題の最新宇宙論に待望の邦訳登場!
第1章 宇宙について大まかに
第2章 ビッグバンから現在まで
第3章 ビッグクランチ―終末シナリオその1 急激な収縮を起こし、つぶれて終わる
第4章 熱的死―終末シナリオその2 膨張の末に、あらゆる活動が停止する
第5章 ビッグリップ―終末シナリオその3 ファントムエネルギーによって急膨張し、ズタズタに引き裂かれる
第6章 真空崩壊―終末シナリオその4 「真空の泡」に包まれて完全消滅する突然死
第7章 ビッグバウンス―終末シナリオその5 「特異点」で跳ね返り、収縮と膨張を何度も繰り返す
第8 未来の未来
第9章 エピローグ
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『宇宙の終わりに何が起こるのか』
ケイティ・マック/著、吉田三知世/訳 講談社 2021年発行
第3章 ビッグクランチ―終末シナリオその1 急激な収縮を起こし、つぶれて終わる より
「無限にリサイクルする宇宙」は可能か
「宇宙はビッグバンからビッグクランチにいたり、ふたたびビッグバンに戻る」というプロセスを永遠に繰り返すと考えるサイクリック宇宙論は、すっきりしているという点では魅力的だ。
「無」から始まり、壊滅的な最期に終わる宇宙に比べ、サイクリック宇宙は原理上、時間の中を順方向にも逆方向にも、果てしなく「バウンス」を繰り返し、いっさいのムダなく無限にリサイクルを続けることができる。
もちろん、宇宙のすべてがそうであるように、これもじつははるかに複雑だったとやがてわかるかもしれない。アインシュタインの重力理論である一般相対性理論にのみ基づいていえば、十分な量の物質を含む宇宙はどれも、その一生が決まっている。宇宙は特異点(時空が無限大の密度にある状態)に始まり、特異点に終わるのだ。
だが、一般相対性理論には、最終時点の特異点から開始時点の特異点へと移行できるようなメカニズムは含まれていない。それに、それほどまでに高密度の条件を記述することができる物理理論など、私たちが持ち合わせていないと考えるのは至極当然だ。巨視的な尺度や、比較的弱い重力場で重力がいかに作用するかについては十分理解されている一方、極微の尺度における重力の作用についてはまったくわかっていない。
そもそも、宇宙全体が原子以下の一点に収縮しつつあるときの場の強度は、どんな種類のものであれ、計算不可能だ。その状況では、量子力学が重要になり、しかもそれは事態がめちゃくちゃにする何かをしでかすはずだということはかなりの確信をもっていえるが、それが何なのかは正直なところわからない。
「バウンス」によって収縮と膨張を繰り返す宇宙が抱えるもう1つの問題は、「バウンス」のプロセスを切り抜けるものとは何か、ということである。1つのサイクルかた次のサイクルへと持続するものが何かあるのだろうか?
膨張する若い宇宙と収縮する古い宇宙のあいだにある非対称性について触れたが、放射場に関しては、この非対称性はきわめて厄介になる可能性がある。というのも、それはサイクルごとに、宇宙はいっそう滅茶苦茶に(物理的に筋の通る正確な意味において)なるということだからだ。だとすると、本書の後続の章で論じる物理学のきわめて重要な原理の観点からすれば、サイクリック宇宙論の魅力は低下してしまうし、「リデュース-リユース-リサイクル」(縮小して再利用して繰り返し使う)という理想のエコロジーにあてじはまらなくなるのも間違いない。
加速膨張している宇宙
宇宙の歴史のなかで、ある時代の膨張速度をそこそこの正確さで測定するには、合理的に速度を論じダレルだけの長期間にわたって過去の銀河の運動を特定しなければならないため、現在のわれわれからみて、ある距離範囲に分布している膨大な数の銀河を観測する必要がある。そして、個々の銀河について、2つの事柄を明らかにしなければならない。「速度」と、われわれからの実際の「距離」である。
天文学者たちは、1929年に発表されたハッブル-ルメールの法則(旧称「ハッブルの法則」。宇宙が膨張していることを述べた法則。「宇宙のどの方向を見ても、遠方の銀河ほど速い速度で天の川銀河(銀河系)から遠ざかり、その遠ざかる速度(後退速度)は銀河までの距離に比例する」と要約される)を使って、われわれの近傍における宇宙の膨張速度を計算した(しかし、距離と後退速度の比例定数の正確な値については、その後の数十年にわたって議論が続き、いまなお異論が絶えない)。だが、ビッグクランチに関する疑問に答えるためには、宇宙が経過してきた時間のきわめて長い範囲にわたって膨張速度を知る必要があり、それはとりもなおさず、宇宙のきわめて長い距離範囲にわたる観測が必要だということだ。銀河の後退速度を測定するかぎりにおいては、これはそれほど問題ではない。赤方偏移の観測によって特定でき、一般的には容易なことだと見なしてかまわないからだ。しかし、数十億光年の範囲にわたって距離を正確に測定するのは、はるかに困難だ。
1960年代後半の、写真乾板の像の使って銀河の距離と後退速度を特定する研究により、天文学者たちは、多くの不確定要素を残しながらも、ますます確信を強め、「じつは宇宙は収縮する運命にある」と主張するにいたった。天文学者のなかには、宇宙の正確な未来を詳しく掘り下げて検討した論文を発表した者も幾人がいた。学者たちが、熱烈にこの研究に取り組んだ時代だったのだ。
ところが、1990年代後半になると、天文学者たちは宇宙の膨張を観測する。もっと正確な方法を完成させた。宇宙の距離を測定する方法をいくつかつなぎ合わせ、それをきわめて遠方で爆発している恒星に適用したのである。ついに彼らは、宇宙を正しく測定することに成功し、その最終的な運命を決定的に特定したのだ。
宇宙が加速膨張していることに見出した彼らの発見は、ほとんどすべての人に衝撃を与え、物理学の根本的なしくみについての私たちの理解をひっくり返した。このプロジェクトを率いていたソール・パールマッターら3名(2011年のノーベル物理学賞を、宇宙の膨張を観測で突き止めたローレンス・バークレー国立研究所のソール・パールマッター氏、オーストラリア国立大学のブライアン・シュミット氏、ジョンズ・ホプキンス大学のアダム・リース氏)はノーベル賞を受賞している。
ところが、その発見が、宇宙はビッグクランチの超高温における死をほぼ確実に免れていると示しているというのは、じつは慰めになっていなかったことが明らかになった(現在の理解からすると、収縮はありえなくはない。次章で議論するダークエネルギーが、きわめて奇妙で意外な性質をもっていたとしたら、それは膨脹を逆転させることも可能だからだ。しかし、これまでのところ、その方向を指し示すような証拠は見出されていないようだ)。
収縮に代わるものは「永遠の膨張」だが、それは不死と同じで、真剣に考えてみると、俄然よさそうには聞こえなくなる。プラス面をみれば、この宇宙は、黙示録さながらの地獄の業火で死ぬ運命にはないということだが、一方でマイナス面がというと、可能性がきわめて高い他の運命もまた別のかたちで、いっそう悲惨であることが明らかになるのだ。