じじぃの「科学・地球_152_鉱物とは何か・空気のリサイクル・ゼオライト」

ISS内の二酸化炭素除去装置(CDRA)

Case Study: HONEYWELL, NASA and the International Space Station

Ace Clearwater Enterprises
●CARBON DIOXIDE “SCRUBBERS” FOR THE INT’L SPACE STATION
Carbon Dioxide, what we exhale, can be very dangerous to humans who are off-world in a sealed environment. Usually this unbreathable gas is collected and expelled from the ship.
However, for long-term occupancy, this closed-loop CDRA “scrubbing” system removed CO2 and restored oxygen from it, enabling its recycling. And that significantly reduced the amount of breathable air that has to be delivered periodically to the station in tanks from the surface. [In NASA “speak”: a 4-Bed Molecular Sieve Air Revitalization System, consisting of a desiccant (drying) bed and an absorbent bed (zeolite)]
https://aceclearwater.com/product/case-study-nasa-cdra/

鉱物の秘密がわかる本

科学雑学研究倶楽部(編)
第1部 鉱物の基礎を学ぶ
・鉱物のしくみと性質
・奇妙で不思議な鉱物たち
・面白くてためになる鉱物の知識
・誕生石の謎と神秘
第2部 鉱物と宝石図鑑
・鉱物編
・宝石編

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『鉱物の秘密がわかる本』

科学雑学研究倶楽部 学研プラス 2016年発行

第1部 鉱物の基礎を学ぶ

奇妙で不思議な鉱物たち より

結晶構造中の隙間が役に立つ 空気をきれいにする石

宇宙では水と酸素のリサイクルは必須

人間が生きていくためには、空気と水が必要だ。空気も水もない宇宙空間で人間が生活しようとすれば、大量の空気や水を持っていくか、限られてた空気や水をリサイクルするしかない。前者は非常にコストがかかるため、現実的ではない。となれば、宇宙空間では、空気や水をリサイクルする必要がある。
まず、水のリサイクルでは、使用した水や尿を蒸留・精製し、フィルターなどを使って有害物質を除去したのち、イオン交換膜を通して飲料水としても使えるきれいな水にする。地表から400キロメートル上空を周回している国際宇宙ステーションISS)でも実際に行なわれている方法だ。
では、空気のリサイクルはどのように行うのだろうか。

石で空気をきれいにする?

宇宙ステーションや宇宙船内のように閉鎖された空間で問題になるのは、二酸化炭素の増加だ。人間は呼吸によって酸素を消費し、二酸化炭素を吐き出す。空気中の二酸化炭素濃度が高くなると、頭痛やめまい、吐き気といった症状が現れ、さらに濃度が高くなると意識を失い、死に至る。空気のリサイクルは、すなわち二酸化炭素の除去にほかならない。
現在ISSには、2基の二酸化炭素除去装置がある。アメリカ製の「シードラ」(CDRA)とロシア製の「ヴォズドゥク」(Vozdukh)だ。どちらの装置にも「ゼオライト」が使われている。
ゼオライトは結晶構造の中に比較的大きな隙間を持っているため、吸着性が高く、イオン交換されやすいという性質を持つ。それを利用し、加熱して乾燥状態にしたISS内の空気を、粒状ゼオライトの容器に通せば、空気中の二酸化炭素が吸着されるのだ。ゼオライトは宇宙空間だけでなく、地上でもイオン交換膜や湿度調整剤などに広く利用されている。