じじぃの「科学・地球_149_鉱物とは何か・磁石になる鉱物・磁鉄鉱」

地球の鉄を感じよう 意外なほど多い、磁石にくっつく石

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=cDl8qEWdTD0&t=50s

地球の鉄を感じよう:意外なほど多い、磁石にくっつく石

2021-04-23 グラニット
●石ころの中の鉄
用意するものは、ネオジム磁石と石ころです。
海岸や河原、あるいは山など、どこの石ころでも大丈夫です。
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鉱物の秘密がわかる本

科学雑学研究倶楽部(編)
第1部 鉱物の基礎を学ぶ
・鉱物のしくみと性質
・奇妙で不思議な鉱物たち
・面白くてためになる鉱物の知識
・誕生石の謎と神秘
第2部 鉱物と宝石図鑑
・鉱物編
・宝石編

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『鉱物の秘密がわかる本』

科学雑学研究倶楽部 学研プラス 2016年発行

第1部 鉱物の基礎を学ぶ

奇妙で不思議な鉱物たち より

強い磁力を持つ天然磁石 磁石になる鉱物

鉱物の発見者は羊飼い?

磁石と人類のかかりは古い。一説によれば、紀元前3000年ごろ、羊飼いの少年マグネスが、自分が手にしていた鉄の杖を引き寄せる石を発見したという。磁石を意味する「マグネット」は、発見者の少年の名前が語源だといわれている。また、古代ギリシャの哲学者プラトンが残した著書に記述のある「マグネシア(地方)の石」を語源とする説もある。
マグネスが発見した石、あるいはプラトンが記したマグネシアの石の正体は、磁鉄鉱であったと考えられる。ただし、すべての磁鉄鉱が磁性を持っているとは限らない。鉄を引きつけるほどの強い磁性を持った磁鉄鉱は、「天然磁石」と呼ばれる。
古代中国で活躍した蜀の軍師・諸葛亮孔明は「指南車」という道具を使っていたという。これは方位を知るためのもので、これも天然磁石を利用したものと推測できる。その後、中国で11世紀のはじめごろに、磁石によって方位を知る道具として羅針盤(コンパス)が発明されると、12世紀末ごろにヨーロッパへと伝わり、大航海時代を支える重要な道具となったのである。

天然磁石が磁性を帯びる理由とは?

磁鉄鉱は火成岩の中に含まれる鉱物のひとつで、世界中に広く分布している。強い磁性(鉄を引き寄せる力)を持つことが特徴だ。理科の実験などで使われる砂鉄は、磁鉄鉱が風化したものである。
では、磁鉄鉱はどのように磁性を持つようになったのだろうか。まず、一般的な磁石(フェライト磁石)を例に挙げると、磁石を作る工程では、粉末状の金属を通電したコイルの中に入れながら成形する。
コイルに電流を流すことで磁場が発生し、金属中の結晶が一方向に整列することで磁気を帯びるのだ。これを「着磁」という。その後、成形、焼結、熱処理といった工程を経て磁石ができる。しかし磁鉄鉱の場合、自然界で着磁が行われたとは考えにくいため、落雷によって強い電流が流れたことで結晶が整列し、磁性を持ったのではないかと考えられている。