じじぃの「台湾のTSMC・半導体をめぐる世界情勢を読み解く!報道ライブ インサイドOUT」

半導体世界大手TSMC 日本拠点の姿【Bizスクエア】

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=ptlGwri606M

ファウンドリ業界におけるTSMCの強さ

TSMCのどこがすごい?日本の半導体産業はもうダメなの?TSMCの日本進出はどうなるの?台湾半導体産業基礎の基礎

2021年8月1日 パングー
ファウンドリ業界におけるTSMCの強さ
前工程を専業とする「ファウンドリ」の最大手が台湾の「TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company、台湾積体電路製造 有限公司)」であり、最近は5割以上の売上シェアを獲得しています。UMC、PSMC、VISなども含めると台湾の半導体産業の強さがご理解いただけるかと思います。
https://www.pangoo.jp/10617

水不足で半導体産業ピンチ……台湾の降雨を世界中が願う理由 【執筆者】野嶋剛

週刊文春 2021年4月8日号
●“台湾の至宝”TSMCがカギを握る
なにしろアップル、クアルコムソニーなど世界の大手が供給枠の確保を頼み込んでいる。TSMC半導体を搭載できるかどうかで製品のクオリティが大きく左右されるためである。
1987年創業の同社は半導体生産の設計と製造を分離する垂直分業の流れに乗って規模を拡大し、技術を磨いた。現在主流の7ナノメートル半導体で優勢を確立しただけでなく、巨額の資金を研究開発につぎ込み、今後の主流になる5ナノ、10年後の主流とみられる3ナノ・2ナノでも開発競争をリード。まさに台湾の至宝だ。
新冷戦のなかでサプライチェーンの米中分断が起きつつある。中国のファーウェイ排除に動いた米国だが、台湾抜きにはIT分野での対中優位は維持できそうにない。万が一、中国による台湾侵攻でTSMCを押さえられれば、西側諸国にとって悪夢となる。逆に言えば、同社の存在が、米国が台湾防衛に本腰を入れる動機にもなり得るのだ。台湾ではコロナ対策に成功したものの、ワクチンの入手が遅れているため「半導体とワクチンの交換を行うべきだ」との議論も国会で出ている。
同社を創業から育て上げた伝説的経営者、張忠謀(モリス・チャン)前会長はかつてこう語った。「TSMCは世界の地政学政治の争点になる」。その予言が現実味を帯びてきた。
https://bunshun.jp/articles/-/44532?page=2

台湾のTSMC半導体をめぐる世界情勢を読み解く!報道ライブ インサイドOUT

2021年8月23日 BS11
【司会】岩田公雄、川口満里奈 【ゲスト】真壁昭夫(法政大学大学院教授)、野嶋剛(ジャーナリスト)
米中対立の焦点の1つとなっているのが台湾情勢だが、台湾は軍事上だけでなく、ある重要分野での「主戦場」となっている。半導体だ。
コロナ禍の巣籠り需要で、コンピュータや家電などあらゆる産業で半導体需要が激増し、半導体不足は深刻な状態にある。最新鋭兵器にも不可欠な半導体の不足が、米中の覇権争いを激化させているのだ。
半導体産業は国際的な分業体制にあり、世界の受託製造の7割を占めるのが台湾。台湾の半導体は最先端技術面でも、米韓に「3~5馬身」、中国に「10馬身」リードしているとされる。台湾との協力体制を確立した国家が断然優位に立つということに。台湾が有する半導体の開発・生産能力をめぐっても激化する米中対立の行方を読み解く。

米中覇権争いの"主戦場"! 台湾の半導体TSMC

●米中派遣争いの“主戦場”台湾の半導体
今、新型コロナウイルスによって世界の形が変わりつつある。
世界最大の自動車メーカートヨタは、来月から4割の減算に踏み切ると発表した。
その理由は、コロナ感染の拡大、そして深刻な半導体不足だという。
コロナ禍でコンピューター機器の利用が急増したため。
半導体は、スマホ、自動車、家電などあらゆる日用品に組み込まれ、効率よく働かせるための頭脳として欠かせないものとなっている。
米国のバイデン大統領も半導体分野での世界的覇権確保を目指すと宣言。
実は、この分野でも米中が覇権争いを激化させている。
現在、米国と中国は、共に5兆円規模の巨額を投資し、半導体の覇権を狙っている。

実は、その勝利の鍵を握るのが台湾だ。

台湾は、世界の半導体製造の7割という圧倒的シェアを誇る。
最先端の技術では、台湾のTSMCという会社が独走状態。
今や半導体争奪戦は、地球規模で繰り広げられ、日本政府も半導体を「安全保障にも直結する戦略技術」と捉えている。
この最先端の半導体技術こそが、中国から身を守る台湾の最大の盾となっている。
なぜかつて日本の位一下請け工場だった企業が世界一の半導体企業に成長を遂げたのか。
真壁昭夫、「線の幅を小さくする先端技術があるが、これは台湾のTSMCという企業が独占状態なので、それを使わざるを得ないという状況。一番重要なのは、安全保障である。自分の国を守るためには軍事力、それなりの備えが必要で、そのためには最先端のIT技術がどうしても必要となる。今は、情報戦と言われている。そのためにはなるべく優秀な機械を持っている方が強い。それを作るためにはどうしても最先端の半導体が必要となる」
野嶋剛、「技術的に半導体のレベルが年を追うごとに上がっていった。いつの間にか誰でも作れるものからものすごく高い技術を持っていないと作れないものに進化した。諸外国では、膨大な投資が必要で、いつの間にか台湾がかなり先に進んでしまったのでもはや追いつけない。台湾に頼らざる得ない状況になった。台湾の場合は、規模が大きくないので、特定の分野に狙いをつけてやらないといけない。台湾も韓国もそうだが、国の力が半導体で語られるような時代になってしまった」
●台湾を守る盾 “半導体”の威力は?
バイデン大統領が手にしたのは、ウエハーと呼ばれる半導体の板。
1枚に数百個の半導体チップがつまっている。
この極めて精密な技術が必要とされる半導体製造で、唯一無二の技術を誇るのが台湾のTSMCである。
1社だけで世界シェアが56%ある。
中国も自国製造に力を入れているが、先端半導体では、TSMCに3~4世代遅れをとっているという。
この小さな半導体が、中国から台湾を守る最強の盾となる。
野嶋剛、「先駆者であり、代表的な台湾の企業経営者の一人。モリス・チャンが次に何を話すかについて世界中が注目をしているという経営者」
張忠謀(モリス・チャン)・・・半導体の受託生産の世界最大「TSMC(台湾積体電路製造)」の創業者。現在91歳の彼(1931年生まれ)は1987年に同社を設立し、世界的企業に成長させた。張はアメリカの「テキサス・インスツルメンツ」に約25年間勤務した後、台湾政府から同国のハイテク分野を育成するために招聘され、TSMCを創業した。
TSMCは差を絶対に縮められてはいけないという危機感がある。並ばれてしまうと台湾の優位性が失われてしまう。半導体で負けたら次の覇権争いには参加できないという出場権をかけた争いである」
真壁昭夫、「企業を起こして成功していやるという気概が日本人にもっとあっても良いと思う。日本人は技術を戦略的に使う事に慣れていない。成長性の高い企業は、お金を磁石のように引き付ける。日本にとっても正念場であることに間違いない」
●“盟主”再び!? 日本の半導体戦略
真壁昭夫、「半導体といってもいろいろな範囲がある。最先端にだけ限って言うとTSMCの技術に追いつくことはかなり難しい。しかし、特定の分野については日本はまだ強い。半導体の部材、材料などは日本の企業が圧倒的に強い」
野嶋剛、「TSMCが創業した時には、48%が政府の株であった。政府が作った会社である。今は株がだいぶ減ったが今でも6%持っている。TSMCは台湾という国家の中の政府系企業である。何かと半導体を交換するというアプローチをとりながら、台湾とタッグを組んで半導体分野で生き残っていくという戦略を立ててやっていくことが良いだろう」
●台湾から学ぶ 産業育成戦略
野嶋剛、「発想の転換が必要。かつては経済は経済。政治は政治と分けて考えていたが、これからは経済と政治は非常に分かちがたき結びついているものと考えるべきである。巡り巡って経済を育てることがその国の安全、国力につながってくるという発想の転換を持つということを学ぶべきである」
真壁昭夫、「この国をどうするべきかと考える時に、世界的にゲームチェンジしている。経済運営の基本的な考え方が修正され始めている。ここは、確実に認識してもらいたい」
https://www.bs11.jp/news/houdou-live-insideout/