Honda Prize 2018 Dr. Fujio Masuoka
米フォーブス誌の表紙を飾った舛岡富士雄氏
世紀の発明「フラッシュメモリーを作った日本人」の無念と栄光
2019.01.28 週刊現代
米国、シリコンバレーにあるコンピューター歴史博物館。スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツといった錚々たる面々と並んで、一人の日本人の写真が掲げられている。
舛岡富士雄(75歳)。あまり聞き馴染みのない名前かもしれないが、'87年、東芝の研究者時代に「フラッシュメモリー」を世界で初めて開発した人物だ。
小さく、安く、大容量。そして何より、電源を消してもデータが消えない。かつて主流だったメモリーは、電源を消すとデータが消える弱点を抱えていた。
この課題を克服する画期的な記憶装置として、フラッシュメモリーは、パソコンから携帯電話まで、身の回りのあらゆる製品に使用されている。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59572
半導体メモリーの種類 より
半導体デバイスの中でも半導体メモリーは、携帯電話やデジカメなどの記録媒体として身近な存在です。
さまざまな半導体メモリーがありますが、大別すると、電源を切っても記憶内容が失われない不揮発性メモリーと、電源を切ると記憶内容が失われてしまう揮発性メモリーに分けられます。
不揮発性メモリーは、デバイス製造時にデータが書き込まれ、読み出し専用に使われることから、ROM(リード・オンリー・メモリー)と呼ばれます。ROMは本来、後から消去や書き込みができないマスクROMを指しますが、紫外線を当てて記憶を消せるEPROMや、電気的に消去・書き込みが行えるEEPROMやフラッシュメモリーも不揮発性メモリーに入ります。
揮発性メモリーの代表格は、パソコンの作業用メモリーとして使われるRAM(ランダム・アクセス・メモリー)です、もっとも普及しているDRAM(ダイナミックRAM)と、低消費電力で駆動するSRAM(スタティックRAM)があります。
DRAMはメモリーセル(記憶単位)がトランジスターとコンデンサが各1個と小さいので、集積度が高くでき、低価格で大容量メモリーがつくられるのが特長です。ただ、漏れ電流によって時間がたつと記憶情報が失われるため、定期的にデータを再書き込みするリフレッシュ動作が必要になります。
SRAMは、メモリーセルが複数のトランジスターで構成されるため、集積度が低く大容量化が難しい一面を持ちますが、リフレッシュ動作が不要で低消費電力で動くため、携帯電話などのバッテリー駆動機器に用いられます。
SRAM、SRAMは揮発性メモリーですが、RAMの中には不揮発性をもたせたFeRAM(強誘電体RAM)やMRAM(磁性体RAM)も実用化されています。FeRAMは、DRAMメモリーセルのコンデンサ部を強誘電体材料でつくり、残留極性電圧でデータを保持します。MRAMは、磁性体を記憶素子に使い、素子部に電流が流れるときの磁界の向きでデータを記憶します。