半導体「材料メーカー」を製造工程と一緒に解説します。どの工程でシェアが強いのか?これで分かります!
シリコンウエハ業界の世界市場シェアの分析
2021.05.30 業界再編の動向
シリコンウエハ各社の2020年度の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、また後述する市場規模を分母にして2020年のシリコンウエハ業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位は信越化学の31.4%、2位はSUMCOの24.4%、3位はグローバルウエハーズの17.8%となります。
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電気抵抗率のレンジの広さこそが半導体の最大の特徴 より
半導体とは何か。一般には「電気抵抗の大きさが、金属と絶縁体(インシュレーター)の中間にある一群の物質」(『物性科学辞典』)と定義されます。
電気抵抗というのは、物質に電気を流したときの電気の通しにくさを表す数値のことですから、半導体は、金属(導体)ほどには電気を通さないけれど、絶縁体(ゴム、ガラスなど)よりは電気を通す物質、ということになります。電気抵抗の値は測定する形状などによって左右されるので、通常は、単位断面積(1平方メートル)・単位長さ(1メートル)あたりの電気抵抗を示す電気抵抗率ρ(ロー、単位:オーム・メートル[Ωオーム・m])の値をもって、物質固有の電気抵抗の大きさを比較します。つまり、電気抵抗率の値が大きいほど電気を通しにくい物質ということになるわけです。
そこで、物質の電気抵抗率を比較して並べてみると、おおむね、導体は10のマイナス6乗(10-6)Ω・m以下、絶縁体は10の8乗(108)Ω・m以上、半導体は10のマイナス6乗(10-6)Ω・m以上~10の8乗(108)Ω・m以下となります。たしかに、半導体の電気抵抗率は導体と絶縁体の中間に位置しますが、「おおむね」と断ったように、必ずしも、それらの境界は明確ではありません。電気抵抗率がいくつなら導体、いくつなら半導体という具合に明確に定義することはできないのです。
したがって、電気抵抗率が導体と絶縁体の中間の物質を半導体とする定義は、便宜的なものと考えたほうがよのです(それが本質だとしたら、半導体は「不完全な導体」のそしりを免れないのです。
半導体の特徴を電気抵抗率で見るなら、むしろ、そのレンジ(範囲)の広さこそ注目すべきポイントです。
たとえば、導体として一般的な主な金属(金・銀・銅・鉄・アルミニウムなど)の電気抵抗率がほとんど10のマイナス8乗付近に集中しているのに対して、半導体のほうは10の14乗もの広い範囲にわたって分布しています。そして、さらに重要なのは、半導体物質(ゲルマニウム、シリコン、ガリウムヒ素など)それぞれが、状態の違いによって非常に大きく電気抵抗率を変化させることなのです。