Dr Li-Meng Yan Says There's No Way That Coronavirus Could Come From Nature, Calls It A 'Bioweapon'.
新型コロナウイルスが人工的に作られた?
【経歴・解説】 閻麗夢(Li-Meng Yan)
14日7月2021 SUBCULTUREAT
●「中国共産党とWHOの疫病隠蔽の協力を告発」
閻麗夢 (Li-Meng Yan)は中国のウイルス学者。日本語読みでは「えん・れんむ」。
彼女によれば、中国共産党とWHO(世界保健機関)は、人から人へ感染する感染症「COVID-19」の詳細な情報を、正式に告知した2020年1月よりもかなり前の時期から知っていたという。
●閻麗夢の主張ポイント
・中共、科学界、WHOは結託してCOVID-19の真相をいまだ隠蔽している
・COVID-19は自然由来ではなく人工ウイルスである
・中国高官は予防法としてヒドロキシクロロキンを服用している
・COVID-19は中共により「故意」に世界に拡散した人民解放軍所有の生物兵器である
https://www.subculture.at/li-meng-yan/
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第1章 新型コロナウイルスと悪魔の科学 より
3 陰謀論とのレッテルと戦う
人工ウイルス説に関する議論の応酬
新型コロナウイルスに人工的な遺伝子改変があるという主張は、1年近く陰謀論に近い扱いを受けてきた。では、ウイルスが天然であると主張する学者たちの科学的根拠は何か。以下の議論は、若干専門的な話を含んでいるが、ある程度知識がある人のために、少し踏み込んだ話をしよう。分子生物学の知識がない人は、細かい部分は読み飛ばしていただいても構わない。
新型コロナウイルスが人工ではなく天然由来であると主張する最も有名な論文は2020年3月4「ネイチャー・メディスン」誌に掲載された”Rhe proximal origin of SARS-CoV-2”である。この論文が人工説を否定する主な根拠は次の2つである。
① ACE2受容体結合部位が最適化されていない。
② バックボーンになるウイルスがない。
このうち、①は根拠として非常に弱い。人間のACE2受容体に最も強力に付くように最適化されていないからといって、人工的に改変されていないとは全く限らない。
次の②について少し説明がいるだろう。バックボーンとは、人工的な改変をする前のもとになるウイルスのことである。もし、新型コロナウイルスが人工的に改変されたウイルスなら、改変部分以外は既に知られたウイルスと同じであるはずだというわけである。
こちらの方は、①と比べると説得力があるように見える。
しかし、②についてもいくつかの反論がありうる。まず、武漢ウイルス研究所が、自然界から採集したウイルスのデータを全て公開していない可能性がある。実際、前述の通り、武漢ウイルス研究所はウイルスの遺伝子情報データベースへの外部からのアクセスを遮断している。ハッキングを防ぐためというのがその表向きの理由である。よって、バックボーンのウイルスの情報が隠されている可能性がある。
次に、武漢ウイルス研究所はこれまでも情報を隠していた形跡がある。2020年になって、同研究所の研究グループがRaTG13というコウモリのウイルスについて論文発表した。これは新型コロナウイルスと遺伝子が96%も類似しており、自然界における新型コロナウイルスの祖先ではないかと注目された。なお、この4%の違いは小さく見えるが半世紀以上突然変異をくり返さないと生じない差であり、新型コロナウイルスのバックボーンにするには差がありすぎる計算になる。
しかし、このウイルスは2013年に最初に見つかって、それから7年間外部に発表されてこなかったというのである。もし、その手のことが日常茶飯事に行なわれているのであれば、バックボーンになったウイルスが隠されていても何の不思議もない。
このように、新型コロナウイルスに人工的改変がないという議論は、科学的に見て根拠は薄弱であり、WHOの調査団の報告書が出た時点で、人工的改変の可能性が極めて低いとは決して言えない状況であった。
政治化するコロナウイルスの起源論争
病理学者のクリス・マーテンソン博士の動画を見て、関連情報を色々調べた私は、新型コロナウイルスに人工的な遺伝子改変がある可能性は科学的にみて高いのではないかと考えるようになった。しかし、私が分子生物学を勉強していたのは20年以上前のことである。正直、自らの判断に自信がなかった。そこで、昔生物化学を専攻していたときに知り合った旧知の友人や大学で生物系の研究をする同僚、インターネット経由の呼びかけで集まった元研究者など7名で、2020年5月末にオンライン勉強会を行った。
そこでの議論では、現役の生物系研究者を含め、ウイルスが人工的に改変されている可能性は低くないとの見解で一致した。オンラインの呼びかけで参加した元研究者は、独自にこの問題について詳細に調べており、後でその資料を私宛に送ってくれた。彼女も人工的改変の可能性が高いという立場だった。
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大きな動きがあったのは、香港からの告発者が登場したときである。ウイルス学者の閻麗夢(Li-Meng Yan)博士は、2020年9月に立て続けに2つの論文をインターネット上で公表し、新型コロナウイルスが人工的に作られたものだとの主張を展開した。
1つ目の論文は、ACE2受容体結合部位やフーリン切断部位など、本書で既に指摘した内容が中心だった。それに加えて、武漢ウイルス研究所の研究グループが2013年に採取し、2020年になって初めて論文で公表した、新型コロナウイルスに最も類似したウイルスであるRaTG13は実在しないのではないかと主張した。さらに、新型コロナウイルスがどのように人工合成されたじかについても、可能性の高い手順が具体的かつ詳細に述べられていた。
この論文を読んで、私にはそれなりに信憑性が高い議論に思えた。しかし、現役の研究者を交えた議論が必要である。
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このオンライン研究会の討論を私なりにまとめると、次のようなものであった。
① 閻博士の論文は穴が多い。
② 一方、これまで天然説を唱えてきたウイルス学者の論拠も薄弱である。
③ 一般的な確率論に基づけば、SARS-CoV-2が天然に生じる可能性は低い。
④ ただし、③の確率計算の正当性の担保には、より詳細な検討が必要である。