じじぃの「使い勝手の良さを追求して・世界4冠スパコンが日本を救う!富岳」

SC20 TOP500 Birds of a Feather (BoF)

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Jk59mVlOJqI

日本のスパコン「富岳」が世界一に=中国ネット「順位より実用性」「これからは量子コンピューター」

レコードチャイナ
2020年6月24日、宝安日報は、世界のスーパーコンピューターランキングで日本の「富岳」が1位となる一方で、中国がトップ500の半数近くを占めたと報じた。
このことについて、中国のネットユーザーは「スパコンの処理速度ランキングは本来抜きつ抜かれつするもの。もうすぐ出てくる『天河三号』が日本を抜き去るはず」「競争があってこそ進歩し続けられるからね」「中国のスパコンはもう数年前のものだから、新しいものが強いのは当然」「今はもう1位になる意味よりも、実用的な部分に使えるかの方が重要になっている」といったコメントを残している。
また、「日本のスパコンのCPUは国産ではない」など、自前の高性能CPUの開発においては中国が大きくリードしていると主張するユーザーも見られたほか、「これからの時代の勝負は、量子コンピューターだ」との意見もあった。
https://www.recordchina.co.jp/b816023-s0-c30-d0135.html

スパコン世界4冠の「富岳」、そのすごさを丸っと解説!

2020年6月25日 ニュースイッチ
理研富士通、共同開発快挙
理化学研究所富士通と共同で開発したスーパーコンピューター「富岳」が快挙を成し遂げた。
高性能計算技術に関する国際会議「ISC2020」で22日発表された演算速度を競う世界ランキングで1位を獲得し、日本勢として約8年半ぶりに世界首位を奪還した。また世界主要ランキングの4部門で世界で初めて同時に首位となり、総合的な性能の高さを証明した格好だ。速度と使いやすさを重視した富岳の今後が注目される。
●アプリ/AI/ビッグデータ 主要部門首
「複数の部門で突出して1位になればプロジェクトの技術力の高さと方向性の正しさを示せる」―。理研計算科学研究センターの松岡聡センター長は17日開催のオンライン説明会でこう語っていた。
その願いは届き、単純な演算速度を競う「TOP500」で1位を獲得。計算性能は415.53ペタフロップス(ペタは1000兆、フロップスは浮動小数点演算能力)を示した。産業利用など実際のアプリケーションでの性能を競う「HPCG」、人工知能(AI)で活用される性能を競う「HPL-AI」、ビッグデータ(大量データ)の解析に使われる超大規模グラフの探索能力を競う「Graph500」でも1位となった。松岡センター長は「アプリケーションで最高性能を出そうと思った結果、全てにわたって性能ベンチマークで1位を取れた」と喜ぶ。
●「A64FX」商用化 モノづくりの底力発揮
今回のスパコン首位奪還は国産コンピューターの底力に加え、日本のモノづくり力を世界に知らしめた。
その象徴とも言えるのが、富岳の心臓部を担う中央演算処理装置(CPU)「A64FX」だ。スパコン「京」でも理研とタッグを組んだ富士通は、長年培ってきたプロセッサー設計の知的財産とノウハウをA64FXに注ぎ込んだ。
A64FXは携帯電話向けでも知られる英ARM(アーム)仕様の64ビットプロセッサー。ARMと共同で、スパコン向けに新しいアーキテクチャー(設計概念)を開発し、世界に先駆けて商用化した。
アーム仕様はオープンソースを推進する開発コミュニティーなどが多く、稼働するアプリケーションの数も多い。これが京と富岳との大きな違いだ。
https://newswitch.jp/p/22744

『富岳 世界4冠スパコンが日本を救う』

日経クロステック編集 日経BP 2021年発行

第2章 「2位じゃだめなんでしょうか」が残したもの より

「2位じゃだめなんでしょうか」
蓮舫参議院議員のこのあまりにも有名な質問が飛び出したのは2009年11月13日、当時の民主党政権による「事業仕分け」のワーキンググループでのことだった。
このとき見直しの対象となった次世代スーパーコンピューター事業とは、総額1230億円を費やし、1秒間に1京回(10の16乗、10ペタFLOPS)の計算ができるスパコン京速計算機」を2010年をメドに開発する(完成目標は2012年)というもの。これが後のスパコン「京」である。もちろん、その名前は1京回の計算能力にちなんでおり、「きょう」ではなく「けい」と読む。
次世代スーパーコンピューター理化学研究所理研)が中心となり、NEC日立製作所富士通の3社が参加し、2006年9月から開発を進めていた。同じ計算を多数のデータに対して同時に行うベクトル型と、複数のプロセッサで並行して処理を行うスカラー型の両方を併せ持った複合型と呼ばれる方式で、富士通スカラー部を担当、NECおよびNECとの契約で参加した日立製作所がベクトル部を担当していた。
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米国ではIBMが開発中の「ブルー・ウォーターズ」というスパコンが10ペタFLOPS程度の性能で、2011年6月に完成するという情報や、同じくIBMが開発中の「セコイア」というスパコンが2011年10月以降10~20ペタFLOPSの構成で納入予定、といった情報が流れていたという。中間評価時の状況では、これらより先に開発するのは難しいと判断されたわけだ。
つまり2社(NEC日立製作所)から撤退を言い出さなくても、中間評価を受けた見直しによってベクトル型の部分をなくすという結論にいたる可能性は高かったのである。
そういったこともあり、2社がやめた後はスカラー部だけで開発を継続することになった。「技術的にはスカラー部だけでも十分に10ペタFLOPSの実現が可能」(理研)であり、複合型を続けるよりも実現性が高いと判断された。世界的な趨勢としても当時はベクトル型よりもスカラー型が優勢だった。2005年時点でTOP500のうちベクトル型は10%未満になっており、次世代スパコンが完成する2012年ころにはベクトル型は1%程度という予想もあった。日本では従来からベクトル型が強かったため、そのソフト資産を生かす意味で複合型が選ばれたのだが、その判断自体が危ういものだった。
2000年代後半においてスパコンの世界では米国がリードする状況が続いていた。日本のスパコンでは宇宙開発事業団(現・宇宙航空研究開発機構)、日本原子力研究所(現・日本原子力研究開発機構)、海洋科学技術センター(現・海洋研究開発機構JAMSTEC)、およびNECが開発したベクトル型の「地球シミュレータ」が、スパコンの性能ランキングを年2回集計しているTOP500で2002年6月から2004年6月まで1位を5回続けたが、その後は米国の後塵を拝していた。ちなみにTOP500の順位は連立一次方程式を解くLINPACKというベンチマークテストの性能で決めている。
また、日米以外では、中国が当時世界最速レベルとなる1ペタFLOPS級のシステムを2010年に向けて開発中と表明しており、日米に迫ってきていた。実際、中国は2010年11月に「天河1号A」で初のTOP500の1位を獲得している。
このように、2社の離脱によって方式変更を余儀なくされただけでなく、海外との競争を見ても、1位を取ることや10ペタFLOPSを最初に実現するのは容易でないと見られていた。また、1位を取ったとしてもすぐに抜かれる可能性も高い。コスト面では、既に100億円以上予算を超過しており、プロジェクト完了までにさらに700億円近くの国費投入が必要と目されていた。目標は簡単には実現できない。そう考えるのに無理はなかった。

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どうでもいい、じじぃの日記。

「2位じゃだめなんでしょうか」

実は、蓮舫参議院議員のこの言葉はかなり効いたらしい。
2011年6月にスパコン「京」がTOP500で世界一になった。
「京」は性能に目標を置いて作ったために、使い勝手が悪くあまり使われなかったらしい。
それで、「富岳」の場合は蓮舫さんに言われたこともあって使い勝手の良さを目標にしたのだという。
「富岳」は使い良さはもちろん、富士通が開発した中央演算処理装置(CPU)「A64FX」の性能の良さが大きく関わっている。
また、半導体では台湾の半導体大手TSMCに製造を委託したことなどがあるらしい。
量子コンピューター」の場合は2位でもいいから、なんとかしてください。