Just Add Water
水の用途ー南北の違い フランス 対 スーダン
Master in Water Engineering Water Supply and Drainage Systems.
Presentation on theme: "Master in Water Engineering Water Supply and Drainage Systems."- Presentation transcript:
slide 12:France vs. Soudan
6 はじめに より
水問題はいたってシンプルである。世界で6億人以上の人々が飲料水にアクセスできず、世界の農業生産の40パーセントが灌漑農業に依存している。
水辺の生態系は自然のプロセスに欠くことのできない役割を果たしているにもかかわらず、きわめて脆弱である、ということである。
103 すべての人に水を? より
116 水へのアクセス――世界的な課題
2015年をめどに2000年に定められたミレニアム目標は野心的だった[国連のミレニアム開発目標(MDGs)は2015年に持続可能な開発目標(SDGs)に引き継がれた]。
水の分野では、飲料水と基本的な衛生設備に持続的なアクセスのない人口の割合を半減させる、というのである。1990年から2016年までに、26億人の水へのアクセスが改善された。しかし、飲料水に最小限のアクセスさえできない人が6億人、衛生設備にアクセスできない人が12億人以上いる。目標にはとどかなかったように見えるかもしれないが、北の諸国では、いまよりはるかに多くの資金をつぎこんで国民全員が水にアクセスできるようになるまでに1世紀近くかかったことを、世の人々はしばしば忘れている。
南の都市におけるさまざまなアクセス方法
南の諸国には、「接続している」人々、つまり自宅でいつでも飲料水にアクセスできる人々と(これが西欧の標準だが、南の諸国では大都市の裕福な地区にかぎられる)、飲料水にまったくアクセスできない人々のあいだに、いくつかの段階がある。
前者に近いのは、たしかに水道とつながっているが、水量(しばしば断水し水圧も低い)と水質(飲用に適さない)の両面で不完全な状態にとどまっている人々である。彼らはボトル入りの水を買うが、その多くが集団で管理されている水くみ場に水をくみに行かなければならない。それでも、そうした水くみ場があれば、比較的容易に水にアクセスできる。だが、水道があまりに貧弱だと、住民は水売りに頼らなければならない。小さな自営業者のなかには給水車を使って大量販売する者もいれば、別の輸送手段(ロバ、自転車、手押し車)で小口の販売を行なう者もいる。
さらに、もっとも恵まれない人々は安全性の低い水源でがまんしなければならず(川や浅井戸は汚水でしばしば汚染されている)、水量も水質も保証されない。ほかの商品とは異なり、水にかんしては、サービスの質は支払われる金額と関係がない。それどころか、サービスが不安定で、中間業者の数が多いほど、水の値段は高くなる。
あいかわらず大きい南北格差
世界保健機関(WHO)とユニセフによると、世界人口の91パーセントが良質の飲料水の水源を利用している。トイレなどの衛生設備を利用している人々の割合は68パーセントに低下する。こうした平均値の裏には、先進国とそれ以外の国々との大きな格差が隠されている。先進国ではすべての人がアクセスできるのに対し、それ以外の国は、飲料水にアクセスできるのは80パーセント、衛生設備では50パーセントにすぎない。
サハラ以南のアフリカでは、その割合はそれぞれ68パーセントと30パーセントになる。家庭での飲料水へのアクセスを調べると、南北の差はさらに大きくなる。北の諸国では100パーセント近いが、発展途上国では44パーセント、サハラ以南のアフリカではたったの16パーセントである。
さらに、1990年から2004年までに南の諸国で水へのアクセスが改善された人々の割合が増えたとしても、自宅で水道に接続している割合はそれほど増えていない。サハラ以南のアフリカな南アジアとともに、16パーセントにとどまっている。中国だけは、家庭の接続率が急速に伸びている(48パーセントから95パーセントに増加)。
世界のどこであろうと、共用の水くみ場が発達しているところなら、水へのアクセスは容易である。それでも全世界的にうまくいっていないといえるのだろうか? 人口が増えたために割合はそれほど変わってないが、新たにサービスを受けられるようになった人々が大勢いることを忘れてはならない。1990年から2016年までに、世界で毎年約1億人がアクセスできるようになったのである。この数字を見れば、南の諸国がいかに努力しているかがわかる。