じじぃの「科学・地球_80_水の世界ハンドブック・農業由来の汚染・農薬」

The Unintended Consequences of Pesticides

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=p2xR5EK8m7I

Sylic® Agricultural Silicone Spreading & Penetrating Agent CY-408

Sylic® 408 Agricultural Silicone Spreading and Penetrating Agent/ Silicone Surfactant Agriculture chemical/Productos agroquimicos

Spraying pesticides may cause damage to the plants themselves while preventing pests and diseases.
After spraying 2,000 times of chlorpyrifos, we caused serious damage to the cucumber leaves, which inhibited the photosynthesis of the plants. The uneven distribution of drug droplets caused local burns on the leaves. After adding CY-408, the dosage of pesticide was reduced, the agent was spread evenly, the photosynthesis was not damaged, and the plants grew normally.
https://m.made-in-china.com/product/Sylic-reg-408-Agricultural-Silicone-Spreading-and-Penetrating-Agent-Silicone-Surfactant-Agriculture-chemical-Productos-agroquimicos-932150055.html

『地図とデータで見る水の世界ハンドブック』

ダヴィド・ブランション/著、吉田春美/訳 原書房 2021年発行

6 はじめに より

水問題はいたってシンプルである。世界で6億人以上の人々が飲料水にアクセスできず、世界の農業生産の40パーセントが灌漑農業に依存している。
水辺の生態系は自然のプロセスに欠くことのできない役割を果たしているにもかかわらず、きわめて脆弱である、ということである。

75 脅かされる資源 より

88 農業由来の汚染

農業汚染の広がりは集約農業の飛躍的な発展と関係がある。肥料と農薬の使用量が陸でも海でも環境の自己浄化力を上まわり、生態系のなかに蓄積されているのである。硝酸塩肥料とリン酸肥料は富栄養化の原因になる。農薬は食物連鎖全体に悪い影響をおよばす。無数の汚染源からまきちらされた汚染物質は、北の諸国で膨大な量にのぼり、南の諸国でも急激に増加している。汚染物質の処理に多額の資金が必要となるうえ、農業の生産方法を根本的に変えなければならない。

塩害

塩分の増加は灌漑農業にとって大敵である。水の供給が多すぎたり、排水システムに不備があったりすると、土壌の水収支が悪化して塩分が蓄積される。水分の蒸発の激しい乾燥地帯や半乾燥地帯では、その過程で農作物の生産量が急速に低下し、やがて耕作にまったく適さない土地になってしまう。
メソポタミアの最初の農業文明が衰退した原因は、塩分の増加にあったと考えられている。こんにちでも、世界的に見て灌漑されている土地の面積の8パーセント近く、パキスタン中央アジア諸国では4分の1近くが、塩害を受けている。灌漑システムを改良したり、有効な排水システムを整備したりするなどして、塩分の増加を抑え、塩害を緩和するための技術は存在するが、いずれもまなりの費用がかかる。ようすうに金がないのである。

肥料と農薬の使いすぎ

農業汚染の原因となる物質にはおもにふたつのタイプがある。富栄養化をひき起こす肥料(窒化化合物の硝酸塩肥料とリン化合物のリン酸肥料)と、農薬(防カビ剤、除草剤、殺虫剤)である。
硝酸塩肥料とリン酸肥料は植物の生長に欠かせない栄養素である。これが不足すると、作物の生産量はいちじるしく低下する。しかし大量に使われると、地下水を汚染し、河川に流れこんで多量の栄養分が水生植物を増殖させる。植物の呼吸と分解によって水中の酸素濃度が低下し、動植物を死滅させる。こうして「死水域」ができると、、メキシコ湾の事例のように、魚の養殖や観光に壊滅的な打撃をあたえる。フランスの多くの取水施設で地下水を調べたところ、硝酸塩肥料は1リットルあたり50ミリグラムの基準をを上まわり、とくにブルターニュ(経営規模の大きい養鶏と養豚の排水による)、概して大規模農業が行なわれている地域で濃度が高くなっていた。

農薬

有害生物を除去するために使われる農薬の影響については、まだよくわかっていない。農薬の種類が多く、長期の疫学研究が行なわれていないからである。フランスでは約300の有効成分が8000種以上の製品に使われている。地表水の取水施設の91パーセント、地下水の測定ポイントの55パーセントから、そうした農薬が検出されている。浅い地下水の取水施設の10パーセントでは、飲料水とするには適さない含有量であったし、26パーセントの水質は中か下であった。水質悪化の原因となる成分にグリフォサート(サンモント社の除草剤ラウンドアップの有効物資)とジウロン(2007年に禁止された)[DCMUとも。尿素系除草剤成分のひとつ]がある。汚染された地域の多くが大規模農業地帯(パリ盆地とアキテーヌ盆地)だが、ローヌ川流域やラングドックの果物やブドウ栽培も大きな影響を受けている。汚染はまぬがれているのは山岳地帯だけのようである。
汚染物質との闘いには息の長い取り込みが求められる。現在見つかっている汚染物質には、何十年も前にまかれたものもあるからだ。肥料や農薬をより適切に使用した農業の実践、湿地の回復(湿地は自然のフィルターの役目をする)、生け垣の植林なども、同時に行う必要がある。こうした地道な活動は長期にわたるものであり、成果が出るまでにも何年もかかる。ヨーロッパはいままさに、そのような状態なのである。