じじぃの「科学・地球_78_水の世界ハンドブック・巨大ダム・海水の淡水化」

10 Greatest Dams Ever Build in the World | Biggest Dams

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=sNuStbKMNbY

Monticello Dam (USA)

13 Dams That Are Marvels of Engineering

Dec 12, 2020 IE
There are many jaw-dropping structural feats around the world, each with its own interesting engineering designs.
But the one type of structure that always leaves us in great awe is dams.
https://interestingengineering.com/13-of-the-worlds-most-fascinating-dams

『地図とデータで見る水の世界ハンドブック』

ダヴィド・ブランション/著、吉田春美/訳 原書房 2021年発行

6 はじめに より

水問題はいたってシンプルである。世界で6億人以上の人々が飲料水にアクセスできず、世界の農業生産の40パーセントが灌漑農業に依存している。
水辺の生態系は自然のプロセスに欠くことのできない役割を果たしているにもかかわらず、きわめて脆弱である、ということである。

41 水を集めて利用する より

54 近代の技術

産業革命は水利技術を一変させた。同じダムや運河、水道をつくるにしても、その大きさ、長さ、貯水量は、古代水文明最大の構造物とは比べものにならない規模である。ナイル川の増水3回分に相当する水を貯めておく。数百キロにわたって川の流れを変え、ポンプを使って山脈を越えさせる。また国家的規模で灌漑地域を開発するといった大事業は、こんにち、水利技術者たちによって技術的に実現可能となった。

巨大ダム

最初の巨大ダムは1930年代に建設されたコロラド川のミード湖[フーヴァーダム](1935、35立方キロメートル)とヴォルガ川のルイビンスクダム(1935-1947、25立方キロメートル)である。これらの「多目的」ダム(農業、水力発電、治水、都市への給水)は、大河川の完全人工化プロジェクトに組みこまれ、それは第二次世界大戦後も続けられた。
1950年代から70年代にかけて、第2世代の巨大ダムが南の諸国、とりわけアフリカに出現した。代表的なものにアスワンハイダム(1970、162立方キロメートル)があるが、ガーナのアコソンボダム(1965、148立方キロメートル)やジンバブエザンビア国境のカリバダム(1959、160立方キロメートル)もそれに匹敵する規模を誇っている。

「水利ミッション」

河川整備の大プロジェクトは、技術的なノウハウ、政治的意志、投資能力の3つがそろってはじめて実現する。
20世紀初めにヨーロッパとアメリカで、これら3つの要素が結びついた。1933年5月18日に創業したテネシー川領域開発会社(TVA)がその典型である。大河川は29基のダムをつくるという最初の総合的整備事業TVAは、暴れ川といわれた河川を整備するだけでなく、沿岸住民の生活を豊かにし、「新規まきなおし」をはかろうとする意志を象徴していた。

海水淡水化、奇跡の解決策か夢物語か

地球上の水の97.5パーセントが塩水である。この大量の塩水を淡水にすれば、水不足の問題はすべて解決すると思われる。
経済的に手のとどく技術が40年ほど前から開発され、こんにち世界のいくつかの大都市で、アラビア半島では大々的に使われている。世界120ヵ国に1万8500の施設があり、3億人の人々に水をもたらしている。海水淡水化には、蒸留法と逆浸透法というふたつの技術がある。蒸留法では、海水を濃縮させて海水にふくまれる淡水を蒸発させる。つぎにその常軌を冷却して水に戻し、ふたたびミネラルをくわえる。逆浸透法では、あらかじめ処理した海水に圧力をかけ、水分子だけをとおす膜で塩分をとりのぞく。
海水淡水化はとりわけ南の都市にとって、代替的な解決策とされている。大きなダムを建設せずにすむし、際限なく入手可能であって、陸の淡水を農業のためにとっておける。しかしエネルギーのコストが大きな問題である。