じじぃの「アルツハイマーに新薬・アミロイドβ・専門家が有効性を徹底議論!プライムニュース」

アルツハイマーに新薬 有効性×国内承認問題 専門家が課題徹底議論 【後編】

動画 fnn.jp
https://www.fnn.jp/articles/-/198447

アルツハイマーに新薬 有効性×国内承認問題 専門家が課題徹底議論 【後編】


   

アルツハイマー病になった人の脳

【独自】日本発のアルツハイマー予防薬、来月にも治験…発症前の人対象に欧米と共同で

2021/01/24 読売新聞オンライン
認知症で最も多いアルツハイマー病の発症を防ぐ予防薬の開発を目指し、認知機能が正常な人を対象にした国際共同治験が、来月にも日本でスタートする。
日本の製薬大手エーザイが開発した薬剤「BAN2401」を、世界の1400人に4年間投与し、効果を検証する。日本発の新薬候補が、高齢化が進む世界の共通課題となっているアルツハイマー病克服の突破口となるか、国際的に注目されている。
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20210124-OYT1T50037/

血液検査による認知症診断:実用化を加速 認知症の早期診断や効果的な予防法・治療法の開発に貢献

2020年6月23日 プレスリリース
国立長寿医療研究センターを中心とした研究グループは、認知症の診断や認知症未発症の方の発症リスク予測等を血液検査で可能にするシステムの実用化に向け、産学連携の多施設共同研究「血液バイオマーカーによる認知症の統合的層別化システムの開発」(略称BATONプロジェクト)に着手致しました。
本プロジェクトは、日本医療研究開発機構の支援を受け、東京都健康長寿医療センター、国立量子科学技術研究開発機構近畿大学名古屋大学、株式会社島津製作所東レ株式会社との共同研究体制で行われます。
https://www.shimadzu.co.jp/news/press/aazr4q9hbj7qhr8h.html

プライムニュース 「アルツハイマーに新薬 有効性×国内承認問題 専門家が課題徹底議論」

2021年6月18日 BSフジ
【キャスター】長野美郷、反町理 【ゲスト】武見敬三自由民主党参議院議員 元厚生労働副大臣)、田崎博一(弘前愛成会病院院長)、下山進(ノンフィクション作家 『アルツハイマー征服』著者)
米保健当局が特例措置として「迅速承認」を決めた、アルツハイマー病の新薬「アデュカヌマブ(抗アミロイドβ抗体)」。世界人類共通の課題“認知症との闘い”に、今回の新薬はどのような進化をもたらすのか。
現時点で期待される効果や対象者の条件など、今後の実用化に向けた様々な課題を検証。更なる新薬の開発や治療法の確立が望まれる中、日本国内の研究開発を推進していくために求められる取り組みを専門家と共に考える。

アルツハイマー病に“新薬” ターゲットは「アミロイドβ

米国で新たな治療薬に特例的な承認が下りたことで期待が集まるアルツハイマー病の治療について考える。
日本では軽度認知障害の予備軍も合わせると65歳以上の4人に1人が認知症とも言われ、ほぼ6割がアルツハイマー病と診断されている。
今回の新薬が今後にどのような可能性を開くのか。
アルツハイマー治療に光明? 米国承認“新薬”期待と課題
日本におけるアルツハイマー病の現状について。
1900年代初めにこの病気を発見したドイツの医学者が名前の由来とされている。
認知症には原因の違いなど他にも様々なタイプがある。
認知症全体の患者数は増加を見越した推定で2025年には730万人、2050年には1000万人を超えると予測されている。
新薬はアルツハイマー型以外の認知症にも何らかの効果が期待されるのか。
武見敬三、「アルツハイマーそのものにどこまで効果があるか、科学者の間で意見の食い違いがあるというところが今回の承認に関わる様々な課題を提示していると思う。今回どういう判断がFDAの中で大きな役割を占めたのか。有効性に関わる科学的根拠について、FDAの諮問委員会の中でも有効性については賛成者1人、留保1人、その他は反対。そうした状況下においてもFDA当局はなぜ条件付きの迅速承認をしたのか」
認知症アルツハイマー病 高齢化が進む日本の現状は
6割を占めるアルツハイマー型の認知症の症状について。
田崎博一、「アルツハイマー病は慢性進行性の認知機能障害を症状とする病気。認知機能とは脳のいろんな働きがあり、そのうち複数の障害がある時に認知症と判断する。症状は脳のどの部位が障害されるかによって違ってくる。多くの方が記憶の障害が先行することが多い。家族や周りの人が前と違うということがあったら医療機関に行った方がいい。何を食べたかは忘れることがあるが、食べたことを忘れるのは何かある」
下山進、「今回の『アデュカヌマブ』の承認まで結びつくのは90年代にカリフォルニアの非常に天才的な科学者が2002年にワクチンでアルツハイマー病は治るということで、実際にマウスにアミロイドβそのものを注射すると抗体ができるので脳内に固まったアミロイド斑が溶けて出てくるのではないかとやってみたら無くなった。そのワクチンで治験を始めたことから失敗を重ねながら今回初めて承認申請、条件付き承認まで行った。デール・シェンク(サンフランシスコの医療ベンチャー天才的な科学者)に2002年7月に会った」
アルツハイマー病に“新薬” ターゲットは「アミロイドβ

アルツハイマー型の認知症はどのように進行していくのか。

たんぱく質アミロイドβが増大し、除去の低下が起きる。
アミロイドβの凝集して老人斑というシミのような状態になる。
タウと呼ばれるたんぱく質が蓄積し、脳の神経細胞で神経原線維変化が形成される。
神経細胞が死滅して認知症が発症する。
田崎博一、「新薬はアミロイドβに対する抗体。凝集したところを除去する」
下山進、「今回の治験の結果ではアミロイドβの量自体が約57%減る。アミロイドβは溶けて回っているが、集まってくると神経細胞の外に付着していく。これが老人斑、アミロイド斑と言われるもので、神経細胞の中にタウが出来る。アミロイドβが溶けているものと固まったものを両方とも標的にして抗体がくっ付いて体の外に出ていく」
アルツハイマー病に“新薬” 効果&対象「現実的課題」は
下山進、「発症の約15年前から発症直前までのいろんな段階の人に入ってもらって、抗体薬を投薬する治験がすでに2016年から始まっている。難しいのは表面上健康な人たちなので、どうやって分かるかというとJTRC(熟年体育大学リサーチセンター)というサイトでアンケートを取ってアミロイドβが溜まっているかもしれないから検査をするかというのが来る。検査をしてアミロイドの量がある程度溜まっていると治験に参加できる。健康な人なので入ってくれる人が少ない」
武見敬三、「アルツハイマー病の発症のプロセスは非常に可能性が高いと言われているアミロイドβプラークだけではなく、他にもいくつも要因はあるということが検討されている。アミロイドβアルツハイマーの症状を作り出す大きなきっかけであるのかという点についての議論もあった」
田崎博一、「高齢者の脳を調べてみるとアミロイドβがあるが全く健康な人も30%いる」
アルツハイマー病に“新薬” ターゲットは「アミロイドβ
健常な高齢者とアルツハイマー病のアミロイドPET画像を紹介。
下山進、「赤い免責が少ない図だがそれによってどれぐらい溜まっているかが分かる」
田崎博一、「これがアミロイドβがあるかないかということ」
武見敬三、「PETで見た時にアミロイドβだけがこうして赤く写し出されるようにするには事前に試薬を打つ。その試薬は日本ではまだ承認されていない。驚いたのは、1回検査すると保険がきかず20~30万円かかる」
造影剤、FDAについて言及。
下山進、「PETを受ける前にバイオマーカー、血液や髄液を見ることによって脳内のアミロイドの量が大体これぐらいあるというのが分かる」
武見敬三、「これは数万円と言われている、富士フィルム富山化学が開発している。日本初の血液のバイオマーカーが実際に承認されて活用されるということになると、診断が幅広くしやすくなる。アミロイドがアルツハイマーのトリガーになることが確認されれば、ますます日本初のバイオマーカーは世界でも重要な診断薬として活用されることになる」
アルツハイマー病に“新薬” 未承認に残された課題は
下山進、「海外でワシントンのバイオベンチャーが承認申請、研究目的では使えることになっている」
武見敬三、「この試薬を作る機械が必要。その機械は島津製作所が作っている。2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんが開発した」
下山進、「機械は出来ていて12月には承認が降りている。しかしまだその機械を使いながらやるバイオマーカー自体の承認を待っている段階」
武見敬三、「科学的な根拠という意味で科学者の純粋な知見からすると未だ十分承認するには早いというものであったとしても、その確率からいえばかなり効果がありそうだという時点で当面市販して活用しても良いという仮免許のような条件付迅速承認を米国はやった。米国は日本以上にアルツハイマー患者が多く死亡原因の6位がアルツハイマー。バイオジェン(Biogen)とエーザイ(Eisai)が共同で開発している。主な開発主体は米国のバイオジェン。承認を得るための戦略は承認申請をする最初の段階でバイオジェンはFDAに先に申請する。社会的要請が大きいので優先的に配慮される可能性が高いので先に米国で7月に申請を出し、次にEUに出し、次に日本に出した。この順番が大事。早く承認を出してくれるところに申請を出して、同じデータで承認を受けておけばEUにしろ日本にしろ、より承認しやすくなるだろうという戦略的判断がある。日本も承認に向けた判断を下す可能性は確実に高くなる」
アルツハイマー病に“新薬” 深刻な副作用の可能性は

米国・バイオジェンと日本・エーザイが共同で開発したアルツハイマー新薬「アデュカヌマブ」について

2017年~第3相臨床試験
認知症初期段階の患者3285人の治験データ。
・記憶・言語・日常動作など機能悪化を抑制。
・偽薬群と比べてアミロイドβ:59~71%抑制。
6月8日、米国・食品医薬品局(FDA)迅速承認決定。
追加の臨床試験を要請~結果次第では承認取り消し。
武見敬三、「副作用についてはすでに確認されている、むしろ有効性についての確認。実際にアミロイドβがどこまでアルツハイマー発症に関わりがあるかについての根拠が未だ明確でない」
田崎博一、「いくつかのスケールはあるし技術的には可能だと思う。軽度の初期段階は我々がいつも使っている認知症の検査MMSE30点満点で24点以上が今回の治験の対象となっている」
下山進、「追加の臨床試験の最大の問題はプラセボ群の人たちが治験の3~4年かかる間に症状が進行する、それを分かっていて治験に参加する人があるのか。バイオジェン社の開発責任者に15日にインタビューしたが、治験の設計はこれからだが当然ながらプラセボ群は作りたいと思っていると。どうやって作るかと言うと例えば承認されない国があるかもしれない、そこの人たちが薬にアクセスするために治験に参加したいということがあるかもしれないと。プラセボ群でも治験終了後にオープンラベルといって実薬の投与を受けられる」
●高齢社会の課題“認知症” 診断・治療・患者支援
武見敬三、「科学的に有効性や安全性を確保しようとすれば実際にその薬を使って効果があったかどうかは、薬を使った人と使っていない人の差を見ることで初めて効果が出たか分かる。しかしその中で道義的な問題が出てくるからプラセボで対応した患者については治験後どういう対応をするのかという議論も行われている」
田崎博一、「治験に参加する方はそういう説明をきちっと聞いている。半分の確率と分かった上で参加している。治験というのはそういう構造」
武見敬三、「治験を受ける患者だけでなく投与する医師にも知らせない、ダブルブラインド(治験に関わる人が全員どんな薬を投与されるのかわからない二重盲検試験)」
下山進、「販売価格は投与1回約47万円、年間610万円と薬の値段が高い。そこでこぼれた人たちが当然出てくるので、そういう人たちの参加も見込んでいるのではと推察している。でないと治験できない」
武見敬三、「日本の場合は実際に使う時の条件を整理するのだろう。より効果が高いと目される患者群を対象にして条件を整理して、それによってこういう患者なら新薬を使って良いですよと言う形を整えるやり方で対称群を限定したい」

【提言】 「認知症と如何に向き合うか」

武見敬三 「科学的根拠と社会的要請」
 科学的根拠だけで開発する時代は終わった。今度の新薬のように社会的要請による新しい商品のありかたからの新薬の開発の時代に入った。
下山進 「人類10万年の歴史の中の直近の一瞬のコインの表裏」
 平均寿命が80、90歳まで生きる時代になって人類が必然的に起きた病気。
田崎博一 「認知症になっても安心して暮らせる社会」
 認知症は自分の問題として考えてほしい。
https://www.fnn.jp/subcategory/BS%E3%83%95%E3%82%B8LIVE%20%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9