じじぃの「プレクリニカルAD・アルツハイマー病の発症を防ぐ研究が始まっている!プライムニュース」

アルツハイマー病の病理変化 (amed.go.jp HPより)

血液数滴でアルツハイマー検査 島津製作所、サービス開始 2018.8.8 産経ニュース
島津製作所は7日、わずかな量の血液で、認知症の一種であるアルツハイマー病の原因物質が脳にどれだけ蓄積しているかを調べられる検査法を使った受託分析サービスを始めたと発表した。まず日本や米国の製薬会社からの受注を受け付ける。新薬の開発でコストを抑制できるなどの効果が期待できるという。
同社によると、今回の受託分析サービスは、人間から採取した血液0.6ミリリットルを質量分析計で分析し、数分から数時間程度で脳内にアミロイドベータというタンパク質がどれだけ蓄積しているかを推定できるとしている。
こうした分析手法は、1月31日付で英科学誌ネイチャー電子版に掲載。平成14(2002)年のノーベル化学賞受賞者で、同社の田中耕一シニアフェローらが開発した質量分析技術の手法を使った検査法を事業化した。
https://www.sankei.com/west/news/180808/wst1808080013-n1.html
アルツハイマー病の分子病態と超早期治療に向けての研究開発診断 2017年3月4日 健康医療開発機構シンポジウム
プレクリニカル期(症状発現前)のADに対する抗Aβ薬予防治験 ”Anti-Amyloid treatment in Asymptomatic AD” (A4)。
米国、日本、カナダ、豪で、アミロイド陽性、認知機能正常の高齢者(プレクリニカルAD) 1150名を対象とする、抗アミロイド薬(ソラネズマブ)のランダム化治験。米国国立老化研究所、ハーバード大、イーライ・リリー社などが官民パートナーシップ(PPP)型の協力。
http://www.tr-networks.org/PDF/20170304iwatsubo.pdf
プライムニュース 「人類はアルツハイマー病を克服できるか? 日本の認知症対策最前線」 2018年11月23日 BSフジ
【キャスター】生野陽子、松山俊行 【ゲスト】田村憲久(元厚労相 自由民主党政務調査会長代理)、岩坪威(東京大学大学院医学系研究科教授)
認知症は世界で3秒ごとに1人発症…」今年9月に出された国際アルツハイマー病協会で記されたレポートだ。さらに認知症にかかるコストが1兆ドル(約140兆円)に及び、現在世界で5,000万人いる患者数が2050年には1億3,200万人に達するとの推計も掲載された。
認知症患者の増加は、医療費の高騰を招くだけでなく介護離職や患者の資産凍結など経済や社会への影響も大きく、日本でも政府が対策を進めているが、介護など社会的な対策が中心で、検査・予防・治療など医療分野への対策は遅れている。認知症の原因の大半を占めるアルツハイマー病については、いまだ根本的な治療法が見つかっていないが、仕組みの解明などの面では近年大きな成果が上がっている。
東京大学・岩坪威教授らが日本人の早期段階での進行過程を解明したと発表、アメリカでの早期段階の投薬によるアルツハイマー病予防の治験に日本から岩坪教授が参加するなど、日米共同研究による“認知症克服”に向けて期待が寄せられている。
●「認知症研究」最前線 アルツハイマー病の治験
アルツハイマー病の治療について。
ADNIでの研究成果をもとにハーバード大学東京大学などではアルツハイマー病を治療する研究として「A4(Anti-Amyloid treatment in Asymptomatic AD)」と呼ばれる治験が始まっている。
症状が出る前の段階から薬を投与してアルツハイマー病の発症を防ごうという研究が始まっている。
参加国は米国、日本、カナダ、オーストラリア。
アルツハイマー病の進行過程について。
プレクリニカルAD(症状発現前)、軽度認知障害認知症発生を示す指標に「タウ」「アミロイドβ」がある。
岩坪威、「日本でもアミロイドPETを使ってプレクリニカルADの段階で診断できるようになった。症状が重くなってからでは十分な効果もないことも分かってきた。日本もこの機会に参加したいと。治験に興味のある方に集まっていただく取り組みが始まっている」
松山俊行、「アルツハイマー病の進行過程を見ると初期の段階ではプレクリニカルADがあり、その後軽度認知症がありその後に認知症であるアルツハイマー病が発症するという形です。それを示す1つの指標としてタウとアミロイドβがあります」
岩坪威、「仮にある患者が80歳にアルツハイマー病になったとき、その手前でどんなことが起こっているのかを図(画像参照)にしたものです。軽度認知症に段階で脳の神経細胞がかなり失われてきています。まだ残っている神経細胞にタウが異常になって固まっている。タウがたまることがアルツハイマー病の直接の原因になっている。さらにタウがたまる10年前ごろからアミロイドβがたまっている。これは細胞の外にたまってきています」
ハーバード大学・リサスパーリング教授、「プレクリニカル期から治療することでアルツハイマー病発症を防ぐことは可能。がん、糖尿病、心臓病はすでに予防が開始できている。治験は今折り返し地点で2022年に結果が出る」
前編:http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d181123_0
後編:http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d181123_1