じじぃの「科学・地球_76_水の世界ハンドブック・国による不均衡」

FAO and Japan partner to fight cholera on Yemen's farms

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=xh89XxXzTOY

Water: Why the taps run dry

1. MARCH 2018 European Data News Hub
●Map showing countries around the world that have fresh water shortages
This equals 16,216 litres (34,270 US pints) per person per day -- four times the amount required in the United States, for example, for personal and domestic consumption, industry and agriculture.
Depending on diet and lifestyle, a person needs between 2,000 and 5,000 litres of water a day to produce their food and meet their drinking and sanitation requirements, the FAO says.
https://ednh.news/water-why-the-taps-run-dry/

Orange River Canoe Tours

River Hiking in the south of Namibia
The Orange River is one of the few rivers in Namibia with no crocodiles and hippos.
The canoe trip is completely safe and meanders through breathtaking gorges of the Namibian and South-African border area. The river trip with some shallow rafting spots is conducted on the calmer parts of the river, making it also suitable for children from the age of six years and older people.
https://www.info-namibia.com/activities-and-places-of-interest/fish-river/orange-river-canoe-tours

『地図とデータで見る水の世界ハンドブック』

ダヴィド・ブランション/著、吉田春美/訳 原書房 2021年発行

6 はじめに より

水問題はいたってシンプルである。世界で6億人以上の人々が飲料水にアクセスできず、世界の農業生産の40パーセントが灌漑農業に依存している。
水辺の生態系は自然のプロセスに欠くことのできない役割を果たしているにもかかわらず、きわめて脆弱である、ということである。

41 水を集めて利用する より

42 国による不均衡

ある場所の再生可能な水資源を評価するのにいちばん簡単な指標は、総水量を人口で割って求められ、これは行政単位や流域になっている。フランスの水資源は1人あたり年間3300立方メートルと見積もられているが、ローヌ川流域では5400立方メートルに達するいっぽう、ライン川領域では1400立方メートルにすぎない。水不安、水ストレス、水不足のラインは、スウェーデンの水文学者マリン・ファルケンマークによると、それぞれ2500、1700、1000立方メートルである。この指標によって、潜在的に困難な状況にある広い地域を指定できるが、さらに細かく見ていく必要がある。

地中海/アフリカ

地中海沿岸は北と南で大きく異なる。
北岸の諸国は全体的に豊富な水資源をもつが(セルビアで1人あたり年間1万8300立方メートル近く、ギリシャで6000立方メートル以上)、南岸の諸国はすべてストレスライン以下で、リビア(111)、アルジェリア(294)、チュニジア(410)のように危機的状態にある国もある。したがって、南北間の協力援助プロジェクト(バルセロナ・プロセスと地中海連合)が資源管理の重要性を強調するのは驚くにあたらない。だが、あらゆる場所と同様、これらの数字には非常に異なる状況が隠されており、注意深く解釈する必要がある。アフリカにかんしていえば、そのきわめて困難な状況は、マリン・ファルケンマークが提唱する指標の単純な見方にかならずしもあてはまらないのである。

雄弁だが議論の余地のある指標

世界レベルで見ると、きわめて水資源の豊富な国がいくつかある。ブラジル(1人あたり年間4万1600立方メートル)、ロシア(3万1500)、カナダ(8万)である。反対に、いくつかの国はほとんど水資源もたない。クェートがそうであるし(7)、より広い地域で見れば、アラビア半島のすべての国、モルディブ(82)やマルタ(130)のようないくつかの島国もそうである。
水不足の地域は帯状にモロッコからパキスタンまで広がり、アフリカ大陸の東側に沿って南下している。そのいっぽうで、南北アメリカは比較的恵まれているように見えるし、アフリカのギニア湾沿岸諸国も同様である。ヨーロッパの状況は、水資源に恵まれている国(ノルウエー7万5000立方メートル)とより困難な状況にある国(デンマーク1058、チェコ1247)との差が大きい。
いくつかの国の状況は矛盾しているように見えるかもしれないが、空間をもっと細かく見ていけば納得できることが多い。たとえばナミビアは、大半が砂漠地帯だが、国境にオレンジ川、クネネ川、オカバンゴ川という大きな川があるため、使用可能な水の量は多い(1万6230)。3本の川はそれぞれ、南と北と東の国境に沿って流れている。
同様にして、オーストラリアは、公式には水資源の豊かな国になっているが(1人あたり年間2万500立方メートル)、水資源はおもに大陸の北端と東部の沿岸地域に集中している。同じような国内の不均衡は、アメリカ、中国、ブラジルにも存在する。
さらにいえば、国の成長レベルと使用可能な水の量はまったく関係がない。潜在的に水不足の状態にある国のなかには先進国もあれば途上国もあり(シンガポールおよびブルキナファソ)、水の豊富な国のなかにも両方ふくまれるのである(ニュージーランドおよびラオス)。