じじぃの「水素エンジン・人工光合成へ・反応はなぜ速く進むのか!触媒の働き」

トヨタ自動車が、世界初、水素を燃料にした車で『スーパー耐久第3戦富士24時間レース』に参戦しました。

動画 news.tv-asahi.co.jp
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/amp/000217091.html

水素エンジンでトヨタスーパー耐久に参戦。その仕組みはこんな感じ!

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=MEaciFHgkVA

Ei-ichi Negishi

触媒に関する解説

触媒学会
水素と酸素から水が生成する反応 H2+1/2O2 → H2Oを考えてみましょう。
水素と酸素の混合ガスをガラス容器に入れ200℃に加熱しても何の反応も起こりません。しかし、混合ガスに少量の銅(Cu)を入れて加熱すると、水素と酸素は速やかに反応して水を生成します。反応後、加えた銅には何の変化も起こっていません。
光触媒
光を吸収して化学反応をおこす固体材料、これが光触媒です。反応の前後で光触媒は変化しないので「触媒」ということばが使われています。
光触媒は、光のエネルギーによって光触媒の中に生じる励起電子と正孔が活性種としてはたらき、光触媒の表面にあるさまざまな化学物質に対して酸化還元反応をおこします。たとえば、水が電子と正孔により還元、酸化されると、それぞれ水素と酸素が生成します。この反応の原理は1970年代はじめに発見され、「本多-藤嶋効果(Honda-Fujishima Effect)」として知られています。水を酸素と水素に分解することは、光のエネルギーを化学のエネルギーに変換したことになります。
https://catsj.jp/outreach-activities/outreach-activities-01

『分子レベルで見た触媒の働き 反応はなぜ速く進むのか』

松本吉泰/著 ブルーバックス 2015年発行
第6章 未来を担う触媒へ より

そして人工光合成

太陽電池は光エネルギーを電気エネルギーに変換する装置だが、植物のように光エネルギーを化学物質の変換に使えないだろうか。つまり、生成エネルギーの低い安定な物質Aを、光を使ってより生成エネルギーの高い物質Bに変換することができれば、光のエネルギーをそのエネルギーの高い物質Bに閉じ込めたことになる。すなわち、太陽電池と蓄電池の組み合わせで光のエネルギーを電気エネルギーとして溜めるのではなく、化学物質としてエネルギーを溜めることができるはずである。もしこれができたら、今度は物質Bを化学反応でより生成エネルギーの低い物質に変換するときに発生するエネルギーを、電気に変えることができるかもしれない。
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そこで、第1章でも述べた中学校の理科で習った水の電気分解を思い出して欲しい。この場合は電解質の水溶液に浸した2つの電極(例えば、白金や炭素電極)の間に電圧をかけると、陰極からは水素分子が、陽極からは酸素分子が発生する。水の生成エネルギーは228.6kJ/molだから、H2+1/2O2はH2Oよりエネルギーの高い状態にある。
この反応をヒントに次のようなことを考えよう。すなわち、太陽電池で電気を起こし、この電気を使って水を分解して水素と酸素を得る。水素と酸素は別々にしておけば、それ自身はすぐに他のものと反応するほど不安定でないので貯蔵することは簡単である。
しかし、このプロセスを実用化するためには克服しなければならないことと、電気分解における電極での反応がまた高い効率で起こせなければいけないということである。実際に、この太陽電池電気分解という方式で水を分解しようという試みが世界で行われている。
日本ではこの方式と異なった方法で、水を光分解する試みが行われている。上記のように2つのプロセスに分けるのではなく、電極を使わずに一気に水を完全に分解してしまおうという方法である。
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ここでは反応機構の面から太陽光による水分解の問題点を挙げたが、よりよい光吸収体でかつ表面反応を触媒する優れた物質を開発しなければならない。

このような物質により新たなエネルギー源を開発するには、反応研究とともに材料を開発する2つの研究が両輪となって互いにフィードバックをしながら前進する必要がある。これはたいへん長い道程であることは間違いないが、20世紀初頭にハーバーやボッシュが果たした役割を私たちは担っていかねばならない。

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どうでもいい、じじぃの日記。

5月24日、トヨタ自動車が世界初、水素を燃料にした車で『スーパー耐久第3戦富士24時間レース』に参戦した。

燃料電池(FC)は水素を酸素と結合させて電気を取り出すのに対し、水素エンジンは燃焼によって酸素と結合させ熱エネルギーとして取り出す。
エンジン自体の仕組みは、通常のガソリンエンジンとほとんど変わらないらしい。
今年は電気自動車(EV)元年とか言われていたが、やはり本命は「水素」だ。
「そこで、第1章でも述べた中学校の理科で習った水の電気分解を思い出して欲しい。この場合は電解質の水溶液に浸した2つの電極(例えば、白金や炭素電極)の間に電圧をかけると、陰極からは水素分子が、陽極からは酸素分子が発生する」
問題はいかに効率よく、水素を取り出すかだ。
カギを握るのが「触媒」らしい。
無い頭を使って、少し「触媒」を考えることにした。(ここがお馬鹿さんなのです!)
2010年にノーベル化学賞を受賞した米パデュー大学特別教授の根岸英一さんが6月6日、米国・インディアナ州インディアナポリスで死去したとの報道があった(85歳)。
ノーベル賞受賞後は人工光合成を目指す国の事業の助言役を務め、新しい反応方法の開発に取り組んでいた。
空の上から、日本を暖かく見守ってくださいね。