じじぃの「未解決ファイル_169_人工酵素」

万病のもと 活性酸素 No1 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=SWmnoLfhACU
活性酸素の研究.wmv 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=u5gD8kFC7Pw
人工酵素 ウィキペディアWikipedia)より
人工酵素とは、生化学、有機化学超分子化学で取り扱われるトピックのひとつ。例えば、酵素の機能(分子認識、選択性、触媒作用など)を持つ人工化合物や、天然にある酵素や生体分子に人工的な改変を加えて新しい性能(新たな反応性や選択性、固相表面や人工膜中への導入)を持たせたものを「人工酵素」と表す。
【例】
分子認識能と選択性を持つホスト分子と触媒作用を持つ触媒部位を結合させ、酵素的な反応を行わせるもの。ホスト分子としてはシクロデキストリンやカプセル型分子などの人工物である場合や、ペプチドやDNAや抗体など天然由来の化合物が利用される。触媒部位としては酸・塩基部位、酸化還元活性部位、遷移金属触媒部位など。
アデノシン三リン酸 ウィキペディアWikipedia)より
アデノシン三リン酸とは生物体で用いられるエネルギー保存および利用に関与するヌクレオチドであり、すべての真核生物がこれを直接利用する。生物体内の存在量や物質代謝における重要性から「生体のエネルギー通貨」とされている。IUPAC名はアデノシン 5'-三リン酸。略記として ATP (Adenosine Triphosphate) が一般的に用いられる。
【歴史】
・1951年 - Lehningerによって呼吸鎖複合体の電子伝達およびATPの合成は共役しているという「酸化的リン酸化」が提唱された。
・1961年 - Mitchellによってプロトンの電気化学ポテンシャルがATPの合成に寄与していると言う「化学浸透圧仮説」が提唱された。
・1997年 - Boyer、WalkerらがATP合成酵素の反応素過程を解明したことによりノーベル化学賞を受賞した。
・2008年 - 岡山大学森山芳則教授らの研究グループがATPのトランスポーターを特定し、3月25日『米国科学アカデミー紀要 (PNAS)』電子版に掲載・発表された論文において、これを「小胞型ヌクレオチド・トランスポーター (vesicular nucleotide transporter, VNUT)」と命名した。
スーパーオキシドディスムターゼ ウィキペディアWikipedia)より
スーパーオキシドディスムターゼ (Superoxide dismutase, SOD) は、スーパーオキシドアニオン(・O2-)を酸素と過酸化水素へ不均化する酸化還元酵素である。
がん細胞では活性酸素が高頻度に産生されており、SODの阻害に感受性を示す場合があるため、抗がん剤の標的として研究が行われている。
カタラーゼ ウィキペディアWikipedia)より
カタラーゼ(catalase)は、過酸化水素を不均化して酸素と水に変える反応を触媒する酵素。ヘムタンパク質の一種であり、プロトヘムを含んでいる。

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『新・材料化学の最前線 : 未来を創る「化学」の力』 首都大学東京都市環境学部分子応用化学研究会編 BLUE BACKS 2010年発行
老化を抑える人工酵素 (一部抜粋しています)
地球上の動物のほとんどはエネルギーを効率的に生産するための酸素(O2)を必要とする。ヒトも生命を維持するために大量の酸素を消費し、エネルギー源であるアデノシン三リン酸(ATP)をつくっている。成人がつくる1日のATP量はその人の体重に匹敵する量(約70キログラム)であるが、これは毎日約500リットルもの酸素を消費することで成り立っている。
しかし、酸素はエネルギーをつくり出す一方で、生体成分を酸化し、生体の正常な機能を失わせる。とくに、生体内で発生した反応性の高い活性酸素は生体成分を無差別に攻撃するため、血管障害や臓器障害などのさまざまな障害を引き起こす。
ここで活性酸素とは、酸素原子の最外殻電子軌道に不対電子のある不安定な分子をいい、生体内ではスーパーオキシドラジカルアニオン(・O2-)ヒドロキシラジカル(・OH)などがそれにあたる。その中でも・O2-が最も広範囲に、しかも高濃度で存在する。
大量に消費する酸素のうち3〜10%が活性酸素に変化すると考えられているため、生体内で発生する活性酸素を確実に無毒化することは生命を維持するうえで必要不可欠となる。
体内には活性酸素を無毒化する酵素が多数存在している。1969年、スーパーオキシドラジカルアニオン(・O2-)のみを特異的に消去するスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)という酵素が発見された。SODは、活性酸素毒から身を守る重要な防御システムを司っていることが明らかになった。
SODの生産量は、25歳ごろをピークに、その後年齢とともに減少する。老化の進行とSOD量の減少との間に相関関係が見られることから、活性酸素が老化の促進因子になると指摘されている。
また、ネズミを100%酸素下で飼育すると、1週間前後で死ぬというし、50%酸素下でもショウジョウバエの寿命が78日から35日に短縮することが知られている。
このような極端な例でなくとも、活動度が高まり酸素消費量が増大すると寿命が短縮、すなわち老化が促進するという現象は多い。たとえば、昔からからだの大きな動物種のほうが長寿であることが知られているが、酸素の消費量から説明がつくのである。からだが大きくなると、体表面積は体長の2乗に比例して増すのに対して、体重は体長の3乗に比例して増す。すると、単位表面積あたりの放出量が一定だと考えたとき、単位体重あたりの発熱量つまり酸素消費量はからだの大きな動物のほうが少なくてすむからである。
活性酸素が体内で、一時的に多量に発生すると、SODのみですべてを消去するのは困難となる。もし、活性酸素を消去できる人工酵素ができれば、老化を抑えることが可能になるだろう。
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ところが、これとは別に、SOD活性が高いとかえって活性酸素障害が大きくなる例も報告されている。たとえば、人工的に発生させた活性酸素による赤血球の破壊は、赤血球に挿入したSOD濃度を上げるとかえってひどくなる。また、大腸菌に鉄ーSOD(活性中心に鉄を有するSOD)の遺伝子を導入し、天然の10倍以上の鉄ーSOD活性をもつようにした菌は、予想に反し・O2-の引き起こす毒性が増加する。結局、SOD活性が増加すると・O2-の消去能は高まるが、その結果生じてくる過酸化水素(H2O2)は完全に無毒とはいえないので、これを消去するカタラーゼ活性も同時に高めないと、かえって活性酸素障害が増すこともあるとも考えられている。
したがって、もし、SOD活性とカタラーゼ活性をあわせもつ天然には存在しない酵素を人工的に合成し、そのような人工酵素を生体内へ安定的に供給できれば、老化を抑制することも夢ではないだろう。

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どうでもいい、じじぃの日記。
『新・材料化学の最前線 : 未来を創る「化学」の力』という本を見ていたら、「老化を抑える人工酵素」というのがあった。
「大量に消費する酸素のうち3〜10%が活性酸素に変化すると考えられているため、生体内で発生する活性酸素を確実に無毒化することは生命を維持するうえで必要不可欠となる」
人は老化して必ず、いつか死ぬ。この老化の重要な因子の1つが活性酸素だ。大体、40歳頃から身体の免疫が急に衰え、細胞ががん化していくといわれている。人間の適性寿命は60歳ぐらいなのだろう。
スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)という酵素がこの活性酸素から身体を守ってくれている。だが、この免疫システムが40歳頃から活性酸素の害を十分に防ぐことができなくなるのだ。
SODはまた、体内で過酸化水素(H2O2)を作り出す。その有害な過酸化水素を分解して無害な酸素と水に変える酵素がカタラーゼだ。
この2つの酵素が我々を活性酸素から守ってくれている。
「SOD活性とカタラーゼ活性をあわせもつ天然には存在しない酵素を人工的に合成し、そのような人工酵素を生体内へ安定的に供給できれば、老化を抑制することも夢ではないだろう」
長生きしたければ、これらの酵素を人工的に作って、テロメアミトコンドリアを元気にさせればいいのである。