じじぃの「活性酸素は死神それとも救世主?カラダの知恵」

試してガッテンから活性酸素と病気 動画 YuTube
https://www.youtube.com/watch?v=kT5NMeFDi0c
 活性酸素 (sod-japan.com HPより)

活性酸素が原因でおこる病気  日本抗酸化
ここ数年来。がんや成人病、皮膚のトラブルを始め、種々の疾病を引き起こす原因として、活性酸素がクローズアップされています。
通常、体内で活性酸素が増えても、SODという活性酸素を除去する酵素が私たちの健康を守ってくれています。しかし、この活性酸素とSODのバランスが崩れ、活性酸素が過剰に増えてしまうことにより、さまざまな疾病を引き起こすと考えられています。
病気の90%が活性酸素が原因して起こるということですが、的を絞って主な病気をいくつか取り上げてみました。
http://www.sod-japan.com/%E4%B8%B9%E7%BE%BD%E5%85%88%E7%94%9F%E3%81%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%8A%97%E9%85%B8%E5%8C%96/%E6%B4%BB%E6%80%A7%E9%85%B8%E7%B4%A0%E3%81%8C%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E3%81%A7%E3%81%8A%E3%81%93%E3%82%8B%E7%97%85%E6%B0%97/
『カラダの知恵 - 細胞たちのコミュニケーション』 三村芳和/著 中公新書 2017年発行
活性酸素――酸素の派生語 より
傷や細菌感染した炎症巣には白血球が群がる。むしろ白血球が集まることこそが炎症である。その白血球のなかに必殺の飛び道具をいくつもくり出す暴れ者がいる。好中球だ。100億〜380億個がつねに血管内を循環しているが、多くは2日以内にみずから死んでいく。異変時にほかの白血球が発令する警報分子サイトカインに反応し、血管の壁をすり抜け、現場へ急行してくる。好中球の、数ある枝とアイテムのなかで際だっているのが3つの必殺技――侵入者を食べ、溶かし、そして燃やす――である。
このうち「燃やす」とは、きわめて強力な酸化剤である活性酸素を酸素分子からつくり、侵入してきた敵に浴びせ、細胞膜を破壊し死滅させることだ。その活性酸素の製造機が好中球の細胞膜にある。この製造機は活性酸素の基本形である「スーパーオキサイド」をつくる――活性酸素は酸素分子と反応する電子の数によりできるタイプがちがう――。そして、スーパーオキサイドから順次ほかの活性酸素がつくられていく。
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光合成細菌のシアノバクテリアがはじめて酸素を発生させたのはいまから27億年前のことだ。当時、地球はほとんど海におおわれ、大気中の二酸化炭素濃度は現在の1万倍以上もあった。そして太陽光から降り注ぐエネリギーはありあまっていた。これで役者はそろった。光合成をおこなうには絶好の気象条件だった!(こういう偶然のもと、生物は行き当たりばったりに進化したのだろう)。シアノバクテリアの体内で海水が太陽光のエネルギーによって分解(酸化)され、電子と水素とが放出された。(そのときに酸素が発生)。その電子はシアノバクテリアの電子伝達系を転がり、発生するエネルギーをつかって、海水の片割れの水素と大気中の二酸化炭素から炭素化合物がつくられるようになった。
さて、うがった見方をすると、光合成は最終的に炭化化合物をつくることが本質で、酸素を発生させることではない(生物はDNAの基幹をなす糖を自分でつくるか、他者に依存しないかぎり子孫を残せず、生命を維持できない)。酸素ガスの発生は「おまけ」なのである。
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だが、わたしたちの祖先は酸素分子を利用する冒険(快挙)に出た。そして酸素呼吸というこれ以上ない最良の、人智を結集しても思いつかないほど効率のよいエネルギーシステムを創り出したのである。そしてひたすら組織と臓器とを分化させ大型化を目指した。しかし、その対価は莫大であった。活性酸素という毒を体内にかかえた。
ここで不思議なことがある。抗酸化システムは実に系統だって整備されている。その見事さは生物が完璧を目指して未完に終わるなどという間抜けなことをするわけがない、と思うほど整然としている。それなのに、である。生物は未完全な活性酸素処理系をそなえた。活性酸素の脅威からフリーとなるための完璧な対応手段をつくれないでいるのか、それとも「敢えて」つくらないでいるのか、とにかく不完全なのだ。
読者は活性酸素に悪いイメージを抱いているであろう。世界で死亡する人の60パーセント以上が非感染性疾患(心臓血管病、がん、慢性肺疾患、糖尿病)で命を落とす。それらに活性酸素がかかわっている(ほかにアルツハイマー病、白内障膠原病などもそうだ)。また、活性酸素は傷や感染にともなう炎症を飛び火させ、いっきょに増幅させる首謀者でもあるから、生物が「敢えて」完璧な対抗システムを構築しないことなどあり得ないと大方は思うであろう。だが筆者はむしろ、抗酸化システムをわざわざ不完全なままにとどめておいただろう生物に逆説的な知恵を感じる。
酸素呼吸生物が活性酸素を完全に排除しない理由は、活性酸素をカラダのコトバとして多用している事実だ。カラダに、ある刺激が入ると生物はなんらかの反応をおこす。細胞れべるでは蛋白質をつくることで刺激を反応する。細胞は刺激を細胞膜上の耳(受容体)で受けとめ、そのシグナル(の文意)が核までとどけられる。そしてDNAから、必要な蛋白質の設計図となる遺伝子がひっぱり出され、それをもとに蛋白質はつくられていく。

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どうでもいい、じじぃの日記。
暇なもので、病気に関する本をよく見ている。
「読者は活性酸素に悪いイメージを抱いているであろう」
そうだ、活性酸素こそ病気や老化の原因だ!
「だが筆者はむしろ、抗酸化システムをわざわざ不完全なままにとどめておいただろう生物に逆説的な知恵を感じる」
あら、そうなんですか。