じじぃの「科学・芸術_321_清華大学と米財界人」

清華大学 経済管理学院顧問委員会

Tsinghua University School of Economics and Management
http://www.sem.tsinghua.edu.cn/en/
錚々たる清華大学経済管理学院の顧問メンバー | 清華大MBA→ヘルステックの世界へ 2015年11月16日
●顧問委員会
先週一週間は、清華大学の経済管理学院(経済&経営学部)の学生にとって、実にワクワクどきどきな一週間でした。というのも、世界中のビジネスリーダーが経済管理学院の顧問委員会に出席するため、集まったからです。
そのメンツは本当に豪華で、ティム・クック、マーク・ザッカーバーグイーロン・マスク、ジャック・マーから始まり、有名なベンチャーキャピタリストやカーライルグループの創業者、ハーバードやスタンフォード大の学長、有名どこの外資投資銀行CEOなんかが、顧問になってます。
●顧問によるスピーチ
去年は、ティム・クックでしたが、今年は新しく顧問に加わったイーロン・マスクマーク・ザッカーバーグのスピーチでした。
http://masaonline.sakura.ne.jp/wordpress/2015/11/16/%E9%8C%9A%E3%80%85%E3%81%9F%E3%82%8B%E6%B8%85%E8%8F%AF%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E7%B5%8C%E6%B8%88%E7%AE%A1%E7%90%86%E5%AD%A6%E9%99%A2%E3%81%AE%E9%A1%A7%E5%95%8F%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%BC/
プライムニュース 「中国“百年戦略”全貌 米国防総省顧問が暴く 中華帝国復活への野望」 2015年10月27日 BSフジ
【キャスター】秋元優里、反町理 【ゲスト】マイケル・ピルズベリー(アメリカ国防総省顧問)、古森義久産経新聞ワシントン支局駐在客員特派員)
アメリカの対中戦略は根本的に間違っている」。
こんなメッセージの本が今年2月にアメリカで出版され、関係者から注目を集めている。著者は、アメリカの国防総省顧問を務めるマイケル・ピルズベリー氏。ピルズベリー氏は、ニクソン政権から約30年にわたり、中国の専門家として政府機関で勤務した親中派として知られているが、中国が進める“100年戦略”に気付き、立場を180度転換させた。中国が本当に目指していることとは一体何なのか。
中国指導部には1949年の建国以来、100周年にあたる2049年を目標に経済、政治、軍事の各分野で米国を凌駕し世界覇権を確立する野望があるという。
そのためには野心を隠して米国を油断させ、その油断に乗じて多くの支援と援助を引き出し実力を養わなければならない。
●中国“世界制覇100年戦略”キッシンジャーの対中観
4年前に来日したキッシンジャー国務長官は「中国は支配国としての考え方、覇権を求める考え方は捨てていない」と語った。
中国に対する見方は同じか。
ピルズベリー、「すべてキッシンジャー博士に同意。伝統的な立場、支配に戻りたいと表現しているが、中国人側に悪い気持ちにさせないギリギリの言い方。中国が覇権を狙うという「Ba」を使うことになると問題になる。中国側に言われれば米国側が『覇』で容赦無い征服者の意味。ギリシャ語のヘゲモンは指導者の意味。習近平国家主席は4つの字で示している」
●中国“世界制覇100年戦略”「中華帝国復活」の野望
中国が100年マラソンを目指す背景に、「勢」(Shi)があると指摘しているがどのようなものか。
中国が米国を「覇」(Ba)の国と見ていたのか。
ピルズベリー、「英語に翻訳不可能。勢い、力、自分自身を歴史の力になぞらえていくということ。そしてチャンスが到来した時にその先に行かないということ。スターウォーズの中でもフォースがあなたとともに有りますようにと言っているがこのフォースに似ている。対立は避ける。ジェブ・ブッシュは演説で4%成長を約束しているが、中国の成長が鈍化し米国が成長を早め、アベノミクスが上手く行けば中国は勝てない。2049年で終わるのではなく期日を用意した。米国の中国専門家はマラソンがあること自体信じていない。株式市場が下がったのは中国の崩壊だと見出しに踊っているが回復している。中国は米国を『覇』だと思っている。米国はずるいと思っている。対等する力を米国が抑えてくると習近平国家主席は思っている。中国は米国が大好きだと言い続けて偉大な国同士の付き合いだと言っているが、日本とインドは入っていない。ソ連を崩す最高の友人は中国だと信じている人がいる。中国は民主主義になると信じてきたが中国は約束しなかった」
提言 「日米は中国とどう向き合うべきか」
ピルズベリー 「COOPERATION WITH CAUTION + CONDITIONS」
 協力を提言したい。3つのC。慎重さが必要。中国でタカ派が拡大している。南シナ海の領土問題でも穏健派、タカ派ディベートを見ていかなければならない。日本、米国、ヨーロッパ、インドなど海外の国々が中国国内の討論に影響力を与えることができる。しかしこの討論には注意が必要だ。秘密裏の協力関係について明らかにしたのは読者が新たな証拠から中国の本、書籍などから学んで欲しい。
古森 「冷徹に、柔軟に」
 日本のあるべき基本的な態度。日本は米国と違い中国を見る目が歪んでいる。中国の軍事状況を直視する。人権状況を直視する。この2つを国政の場で論じるくらいの意識の変化を提言したい。

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習近平vs.トランプ――世界を制するのは誰か』 遠藤誉/著 飛鳥新社 2017年発行
水面下で中国と深くつながっていた米財界人 より
実は、習近平の出身大学である清華大学には「経済管理学院顧問委員会」(以下、顧問委員会)という欧米の財界を中心とした顧問委員会が存在する。これは同大学の出身である朱鎔基元首相(国務院総理)が2000年に設立させたもので、もともとは1990年代後半に朱鎔基首相が強力に推進していたWTO世界貿易機関)に加盟するための経済貿易研究が目的だった。
顧問委員会の名誉主席は今も朱鎔基だが、問題はアメリカの大手財界人が多数を占める顧問委員会50数名のなかに、トランプ政権の「大統領戦略政策フォーラム」(以下、フォーラム)の議長がいるということである。
その名はシュテファン・シュワルツマン。米大手の投資ファンド運用会社ブラックストーン・グループのCEOだ。シュワルツマンは「蘇世民」という中国語名を持っているほどの親中派。同氏はまた「蘇世民書院」(Schwarzman Scholars)という、各界のトップリーダーを目指すグローバル人材養成機関を清華大学の中に設立している。2016年9月10日の開学記念式典には、習近平キッシンジャーなどが祝電を送っている。シュワルツマンは習近平ともキッシンジャーとも実に親密だ。
その他にも顧問委員会にはゴールドマン・サックスの元CEOで元米財務長官だったヘンリー・ポールソンなど、多くの米大手財閥のトップが入っている。
そしてそれは同時に、フォーラムのメンバーの一部でもある。たとえば米銀行最大手のJPモルガン・チェースのCEOであるジェイミー・ダイモンも顧問委員会のメンバーであると同時にフォーラムのメンバーでもある。
習近平は2016年になって、さらに新しく米電気自動車(EV)メーカー、テスラ・モーターズや米宇宙開発企業スペースXのCEOであるイーロン・マスクを顧問委員会の委員に入れた。
実はフィーラムのメンバー全16名をシュワルツマンとトランプの2人で選んだと7と、2016年12月5日に中国メディアは大々的に報じている。
習近平らは、もちろん顧問委員会メンバーとは親しい。
中国は「”一つの中国”原則は中国の神聖なる核心的利益で、それをビジネス交渉になど使うことは許されない!」と声高に叫んでいたが、何のことはない、中国の方から米財界人を「取引」に使ったということになる。
いずれにせよ、トランプが「一つの中国」カードを、彼の「ビッグ・ディール(大口取引)」のために使ったことは確かだ。ビジネスマン出身の国家運営方法は、すべて「ディール(取引)」なのかもしれない。彼はこの取引手法を、次に「北朝鮮問題」に使うことになる。