【気鋭の学者・斎藤幸平氏が問う“脱成長”と“コロナ後”】報道1930 まとめ21/6/11放送
the common people of Barcelona en Comu
資本主義を問う声は未来への希望となるか。「脱成長コミュニズム」が示す答えとは
2021年5月20日 Yahoo!ニュース
この本では、これまで公開されていなかったマルクスのノートも含めて新たなマルクス・エンゲルス全集を出版するプロジェクト「MEGA」の一員である著者が、マルクスの晩年の思想の転換を読み解きながら、脱成長コミュニズムという在り方を提案します。
SDGsや環境に配慮した活動を免罪符になるためむしろ害があるとしている点など、それでいいのかと疑問に思うところもあるのですが、個人的に興味深いと感じたのは、2013年に破綻した米・デトロイト市のその後の市民たちの取り組みや、新自由主義に反旗を翻すフェアレス・シティを打ち出したスペイン・バルセロナなど、いくつかの自治体で行われている取り組みを紹介しながら、希望を抱かせてくれる点です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6bdac8b6e22c203f974e435beee7ba029978c82e
報道1930
2021年6月11日 BS-TBS
【キャスター】出水麻衣、松原耕二 【コメンテーター】堤伸輔、【ゲスト】斎藤幸平(大阪市立大学准教授、『人新世の「資本論」』)、パトリック・ハーラン、松本哲哉(国際医療福祉大学主任教授)
気候変動問題の解決策をマルクスの新しい解釈をしながら論じた『人新世の「資本論」』。
著者の斎藤幸平さんは、人類の経済活動が地球を破壊する時代「人新世」において、現状のSDGsをはじめとした環境問題対策では問題の根本解決にはならないとしている。
本書で解決策として提唱するのは「脱成長コミュニズム」。それは一体どういう概念なのか?
気鋭の学者・斎藤幸平氏が問う 脱成長コミュニズム
●ベストセラー“人新世の「資本論」”
斎藤幸平がウーバーイーツ(Uber Eats)を1日体験した時の体験を語る。
斎藤幸平、「非正規雇用で月収10万円台な方たちが大勢いる一方、年収は1000万円を超え、大きなSUV車を乗り回すといったライフスタイルの人たちがいる。二極化がコロナ禍でますます顕在化していると感じた。歴然たる格差というのは何なのかっていうことを疑問に感じてる人たちが、この“人新世の「資本論」”の本を読んでくれているんじゃないかと」
●問題は「資本主義そのもの」
温暖化と格差。
富裕層トップ10%が二酸化炭素49%を排出。
低所得層(50%)の排出は7%のみ、気候変動の影響を最も受けている。
斎藤幸平、「経済成長によって私たちは豊かになったけれども、そのことがこれからも今までと同じように成長を求めることがさらなる豊かさや社会の繁栄につながるかというのは、切り離して考えないといけない」
新世代の脱成長論について斎藤幸平は、「問題は行き過ぎた資本主義ではなく、資本主義そのもの。今、本当に変えなくてはならないのは、無限の経済成長を目指す資本主義というシステムそのものなのです。ところが、SDGsは経済成長を掲げている」
●バルセロナ 市民がコモンを管理し使い方を決める
ありとあらゆるものを囲い込んで商品にしていく社会ではなく、そうした状況を解体していって、みんなで「コモン(自分たちで共同管理する)」の領域を再建したほうが、多くの普通の人たちの生活は安定していく。
市民が立ち上がり、自分たちのリーダーを市長に据えたことが大きい。
斎藤幸平、「横の連携から得られる知識を助けとして、大企業や政治家の思惑に対抗し、自分たちのルールをつくっていくことができるのです」
●視聴者からの質問
質問、「富裕層、あるいは環境に悪いと思われることをしている人々の攻撃を生んで、分断を生みはしないか」
斎藤幸平、「私は完璧な行動は求めていない。人間には欲もあるし愚かなことをしてしまうこともある。しかしいまのシステムはあまりにも競争を煽って、あまりにもその勝者たちに好き勝手やらせすぎているんじゃないですか。本当にプライベートジェットは必要ですか。僕には全く必要に思えない。まず出しすぎている人たちの排出量を一気に減らすことはまず第一歩として十分実行可能なことなんじゃないかと思う。それを取り組まないで技術革新だけで解決しようとしているから、いまの手詰まりが永遠と続いて時間を無駄にしている」
https://www.bs-tbs.co.jp/houdou1930/