じじぃの「コロナ感染・気候変動における貧富の格差・コモンの再生!プライムニュース」

気鋭哲学者×伊吹文明 コロナ感染と資本主義 緊急事態宣言と日本人 【後編】

動画 fnn.jp
https://www.fnn.jp/articles/-/181772

『人新世の「資本論」』著者・斎藤幸平さんからのメッセージ

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=WC6WxPNJXE0

気鋭哲学者×伊吹文明 コロナ感染と資本主義 緊急事態宣言と日本人 【後編】

プライムニュース 「気鋭哲学者×伊吹文明 コロナ感染と資本主義 緊急事態宣言と日本人」

2021年5月12日 BSフジ
【キャスター】新美有加、反町理 【ゲスト】伊吹文明(元衆議院議長財務大臣 自由民主党衆議院議員)、先崎彰容(日本大学危機管理学部教授)、斎藤幸平(大阪市立大学大学院経済学研究科准教授)
発生から短期間で世界的な感染拡大が起きた新型コロナウイルス。地球規模の影響が徐々に現れつつも、解決に向けた共通認識が長年にわたり築けないでいる気候変動問題。人類が直面する2つの課題を取り上げ、社会や人のあり方について本質的な議論を試みる。
現代の社会・政治・経済について考えた際に、新型コロナの感染拡大は何が原因で起こり、蔓延が続いているのだろうか。気候変動における根源的な問題はどこにあるのだろうか。

コロナ感染 気候変動における貧富の格差 コモンの再生

今回、番組に初出演する斎藤幸平氏は、マルクス研究を中心とした経済思想・社会思想が専門の34歳“新進気鋭”の研究者だ。
斎藤氏は、コロナ禍や気候変動に資本主義の問題点を見出し、唯一の解決策は「潤沢な脱経済成長」と訴えている。
人新世(ひとしんせい)・・・地球の時代を表す名前の1つ。環境破壊などによる危機的な状況をよく表す言葉。唯一の解決策は潤沢な脱成長経済である。晩期マルクスの思想をヒントに、危機の解決策と豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす。
●長引くコロナ禍で国民の意識は
日本はこれまで2回の緊急事態宣言で感染拡大を抑え込んでいた。
3回目の緊急事態宣言では今のところ第4波の波が収まらず、5月12日から5月末までの延長期間に入った。
先崎彰容、「3回目で一番苦しんでいるのは、どこで終わりにするか。4回目は出せない。問われているのは自由であって、平時の自由は終わりを迎える時代だと意識しておかないといけない。ロックダウンをやらない我が国の場合は、インパクトによる心理的効果しかない。3回目となると言うことを聞かない方が当たり前。2つの自由があって、1つは平時においては私たちは私権を制限されてはいけない。非常時において苦しむごく少数の人たちの自由を確保するためには、僕たちは平時の自由を制限することによって初めて少数者の自由が守られる。それはどういう時かと言ったら、コロナのような非常時。非常時においてはある程度強い私権制限を断行して短期決戦でやって終わりを迎えるべきだった」

憲法第13条

・すべて国民は、個人として尊重される。
・生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
伊吹文明、「憲法第13条に国民の権利について書かれている。強制しないというのは日本的なやり方だと思う。経済理論としてはマルクス経済は非常に分かりやすくていいと思う。その理想をどう実現するかということについては全く共産主義社会主義の独裁的、排他的統治システムには反対だが、人間1人1人の知性でものを処理していこうと思っている人間には理性がないという前提に立ってものを考えた方がいい。公的権力が介入することによって多くの人の公益を守るというシステムが日本には非常に少ない。感染症病床が日本は圧倒的に少ない。重症者を入れる集中治療室、ECMOを持っている病院が比較的少ない。利益だけではなく、非常時に備えておくための無駄を考えないといけないことが今回の教訓だったと思う」
斎藤幸平、「短期的な利益より長期的利益が大事。非常事態が起きたときのために多少余裕をもっていたときの方が危機のときに生きてくる」
●コロナ禍とグローバル資本主義

斎藤幸平は著書『人新世の「資本論」』の中で新型コロナのパンデミックを引き起こした根本的な原因は「資本主義」「グローバル化」にあるとしている。

斎藤幸平、「資本主義とは何か。資本主義とは資本を増やしていく運動。経済学で言えば経済成長、GDPが増えていく形で表れてくる。それに合わせてマーケットはどんどん拡張してきた。その過程においては人々がますます多くを生産し消費するために、より多くの資源を採掘し森林を切り開くことによって人新世と呼ばれるような人類の活動が地球全体を覆うような21世紀の状況に私たちは立っている。その結果、それまであった複雑な自然の生態系を破壊して、豚や牛を大量に育てていくモノカルチャー経済に変えていく。そこは絶好のウイルスにとっては繁殖場になる。ますます人間は森を切り開いていく。我々は何でも手に入れるようになった。この豊かさの裏には人間による自然破壊がある。『人新世』の矛盾がある」
先崎彰容、「資本主義に対して欲望と資本主義と考えた方がいい。人間は欲望を喚起され続けている。鉛筆でも1本で足りるものを2本買う。洋服でもそうだ。新しい洋服を着て他人と差別化したいとか。とりわけ90年代以降の資本主義のあり方は特徴的」
伊吹文明、「資本主義にはいろいろ欠点があるから、制度的に共産主義に直すのはどうやって直すのか。最後は人間の理性に頼らざるを得ない」
●気候変動における“貧富の格差”
斎藤幸平、「このままでいくと2050年には5000万人の環境難民が出るといわれている。日本のような食糧自給率が低い国では中国や米国から食糧が入ってこなくなる。先進国の富裕層の1%から5%は今のような生活を送れるだろうが、95%の人 高齢者や非正規労働者の人たちは見捨てられて危機的状況になることがありうる」
先崎彰容、「伊吹元衆議院議長はリアリティとして政治の現場で共産主義に対する肌で感じる恐怖感などを体験されていると思うが、我々の世代はそういうものがない。ここで話を聞いていてやっぱりなと思ったのはサンダースの名前が出てきたこと。我々は先ほどまで何を批判してきたかというと米国とは何かと、新自由主義の競争社会だと言ってきた。しかしサンダースは、私はこれもまた1つの典型的なアメリカニズムだと思っている。人を不安に陥れた上で、これしか選択肢が無いという思考の態度。米国の大半の人たちはトランプに入れたという不満も米国を見る時に大事。サンダースと、GAFAを始めとしたものは皆同じアメリカニズムなんだと話してきたが、その背景にも宗教がある」
●徹底議論 “共同体の再生”
斎藤幸平、「電気、教育、医療など生活に必要なコモン(共有財)を資本主義はすべて商品にしてしまう。新自由主義があらゆるものを商品経済のもとに飲み込んでしまってコモンズを解体してしまった。結果、お金を持っていないと生活に必要なものでも我々はそれを手に入れることができなくなっている。そういうものは商品にしないで皆でシェア(共有・分配)していくことで我々の生活を安定させる」

【提言】 「目指すべき日本社会」

伊吹文明 「伝統的規範の回復」
 ヨーロッパ、米国は”我思う故に我在り”の国だが、日本は”色即是空”の国だ。村でみんなで助け合って生きていく。
先崎彰容 「信頼」
 伊吹元衆議院議長の言われる通りです。
斎藤幸平 「コモンの再生」
 21世紀を新しい形で考え直す必要がある。
https://www.fnn.jp/subcategory/BS%E3%83%95%E3%82%B8LIVE%20%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9