じじぃの「中国経済の光と闇・米中対立と台湾リスク・日中関係の行方!プライムニュース」

中国経済の“光と闇” 米中対立と台湾リスク 依存する日本の危険度 【後編】

動画 fnn.jp
https://www.fnn.jp/articles/-/191172

中国経済の“光と闇” 米中対立と台湾リスク 依存する日本の危険度 【後編】

中国からの直接投資額(2000~19年)

「強権」中国との距離感 欧州が抱えるジレンマ

2020.10.23 日経ビジネス電子版
2019年までは対面での会議だったこともあり、双方の首脳たちに笑顔が見れられたが、今年に入ってからは緊張感のある会談が続いている。
それはリモートでの会議を余儀なくされていることばかりが原因ではない。新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、欧州と中国の関係が大きく変化し始めているからだ。
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/00117/00120/

プライムニュース 「中国経済の“光と闇” 米中対立と台湾リスク 依存する日本の危険度」

2021年6月2日 BSフジ
【キャスター】新美有加、反町理 【ゲスト】興梠一郎(神田外語大学教授)、柯隆(東京財団政策研究所主席研究員)、富坂聰拓殖大学海外事情研究所教授)
中国の1~3月期GDP成長率が前年同月比で18.3%増え、統計開始以来、最大の伸びを記録した。世界が未だコロナ禍にある中、中国だけが一足先に経済を回復させている。
その恩恵を日本も受けており、コロナ禍の中でも中国への輸出が牽引する形で輸出が伸び、日本経済の中国依存がますます高まっている。
この日は中国経済の現状と行方を徹底的に分析し、米中の対立が続く中で日本がとるべきスタンスと、その経済的影響を考える。

中国経済の光と闇  米中対立と台湾リスク 日中関係の行方

●急激な少子化と成長モデル
中国経済に大きな影響を与えるとされる少子高齢化問題について聞く。
5月31日、中国共産党中央政治局会議で今まで1組の夫婦に2人までしか認めなかった出産を3人目まで認める方針を示した。
背景には急速に進む少子高齢化があると言われている。
中国の国家統計局が5月11日に発表した2020年の国勢調査によると、総人口が約14億1178万人。
このうち60歳以上の高齢者の人口は18.7%と10年前に比べて5.4ポイント増加。
経済活動を支える15~59歳の生産年齢人口の割合は63.4%と前回の調査と比べて6.8ポイント減少。
1人の女性が生涯に産む子どもの推計人数である合計特殊出生率は1.3と、少子化が進む日本(1.36)より低い数値となっている。
柯隆、「1980年代に入ってから中国は一人っ子政策をスタートした。今のタイミングで緩和したかというと、人口ボーナスになった。長い間、中国は若者が多く労働力がたくさんあって高い成長に貢献した。そのボーナスが失われていって労働力はこれから不足するだろうという心配があり、今回急いで発表されたと思う。日本は高齢化しているが、社会保障介護保険がほとんど整備されている。中国はほとんど整備されていない中で高齢化していく」
●「第3子容認」背景と効果
中国の少子高齢化問題について。
中国の総人口は2020年で約14億1178万人。
2016年に「一人っ子政策」が撤廃され、2人目の出産を全面容認。
生産年齢人口は2020年で約9億6776万人。
興梠一郎、「特に都会の人はずっと人口が少ない方がいいと教えてきた。住宅費、教育費のコストが高い。なぜ3人目なのか。農村などの地域では子どもを多く作って出稼ぎに出して送金させる仕組みがある。だから全面的に解放するのは怖いんだろう。中国の都会の人は子どもがいらないと言う人が多い」
富坂聰、「少なくとも『一人っ子政策』はうまくいかなかったという結果。自分の周りでは国籍を移したり、罰金を払って2人目を作っていた。蓋を開けてみたら意外に効果はなかった。子ども1人を育てることへのプレッシャーがあまりにも大きい。中国は教育費が結構かかる。競争を勝ち抜かせないといけないので、それに対して1人あたりにかける金銭だけでなく面倒を見てやっていくことは大変なので1人で十分となっているのは確か」
柯隆、「中国には農村部と都市部農村と都市部の3つがあると分けて考えたほうがよい。農村部の人間が都市部で働いても農村戸籍のあるため、都市部の教育、医療を受けられない。都市部農村と都市部は豊かな生活ができるが、農村部には年金・医療・失業保険の社会保障が行き渡っていない」
習近平政権の成長戦略

中国の主な目標と戦略

・「2035年までにGDPか1人あたりの所得を倍増」(2020年中国共産党中央委員会における習近平国家主席の演説)
・「双循環。国内経済を循環させながら世界経済とも連携する」(第19期中央委員会第5回総会で策定した「第14次5ヵ年計画」)
柯隆、「不満がいつ爆発するのかという質問だが、答えは簡単で成長していればあまり爆発しないと思う。成長が止まった時に一気に爆発する。中国は何が何でも成長を続けていかなければならない」
富坂聰、「農村から出てきた労働者を利用するモデルは段階があって、2007年の広州で終わっている。当時の汪洋書記が『鳥かごに古い鳥はいらない』と言って労働者の賃金を上げる方向に舵を切っていく政策を出して、広東省労働争議が起きて飛び降り自殺も起きた」
●検証…中国経済の“光と闇” 台湾リスクと日中関係
日・EU首脳間の共同声明(5月27日)では「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し両岸問題の平和的解決を促す」と明記。
中国外務省・趙立堅報道官は「日本とEUは正常な関係発展の範囲を完全に超え第三国の利益を損なっている」(5月28日記者会見)。
富坂聰、「これが書かれたからと言ってEUが本気で突っ込んでくるとは思っていないと思うが、全体的にあのレベルの首脳会談が行われた時に必ず台湾のことを書くのがスタンダードになってくることに関して中国は抵抗感を感じているだろう。中国は日本がEUを煽ったと思っているだろう」
興梠一郎、「中国が今一番気にしているのは、経済一点張りだったドイツが人権などにかなり比重を置いてきている。台湾問題は日本は日米2+2の時も言ったし首脳会談の時も言った。EUは日本と米国の動きを借りてインド太平洋にプレゼンスを示したい。中国にとってEUは米国を牽制するためのカードだった」
●検証…中国経済の“光と闇” 欧州で中国離れか?

ヨーロッパの中国に対する動き

欧州議会は5月20日、中国と基本合意した投資協定の承認手続き凍結を決定
チェコは4月28日、議会が台湾のWHO参加を支持
リトアニアは5月20日、議会がウイグル族の状況をジェノサイド(大量虐殺)と認定。
3月にはEUの執行機関である欧州委員会が、中国を極めて重要なテクノロジー産業における「経済的な競争相手」、政治的には「システミックなライバル(体制的ライバル)」と位置づけた。
興梠一郎、「EUはシステミックライバルと位置づけている。大きいのは最初は香港問題、人権問題。リトアニアはかなり台湾と関係が深くなっていて貿易事務所を作ろうという話もある。中国のEU戦略が崩れかけている、EUは金でなびくと思っていたが、ここに来てEUのメンバー国が制裁を仕返した。中国はEUをカードとして使えなくなると米国に対抗できなくなる」
「17+1」参加国一覧(リトアニア離脱)。
反町理、「東ヨーロッパ、中央ヨーロッパで中国の影響力が崩れつつあるということか」
興梠一郎、「それでもハンガリーとかブルガリアは中国の影響が強い」
富坂聰、「ロシア恐怖症のポーランドなどはトランプ前大統領に対して軍事基地を作るお金を我々が出すから来てくれと言った。そういうところが中に対して厳しい感じになっている。ヨーロッパは必ずロシアを見ながら中国。ヨーロッパと中国の貿易統計が今後どうなっていくかを見ていくしかない」
柯隆、「一帯一路は別として西ヨーロッパと中国との相性と考えると経済的には切り離せない。NATOとロシアの関係と、EUと中国がどう対話していくか」
●検証…中国経済の“光と闇” 日中関係の行方

日本の輸出額グラフ(財務省貿易統計)

2021年4月:中国約1兆5828億円、米国約1兆2762億円。
柯隆、「米中のデカップリングが進むのかどうか、専門家の間でもこの議論は分かれている。5G関連ではデカップリングが続くだろうが、衣料品とかの貿易は増えるのではないか」

富坂聰、「日本の対中輸出は部品などが多い。スマートフォンの完成品は中国から米国に輸出しているが、中国で作られた部品は4%しかない」

興梠一郎、「数字だけ見て依存関係みたいに見るが今は補完関係。今回最大の問題は依存度で、コロナでサプライチェーンが分断された。生産過程として依存しているかということ。中国もこちらに依存している。中国がサプライチェーンを自国で作れるかというとまだそこまでいっていない」

【提言】 「今後の中国経済ここに注目」

興梠一郎 「2つの民主化
 経済の民主化と政治の民主化。国有企業優先だと民間企業が育たない。もう1つは民間企業に雇用を回す。これができないと中国は頭打ちになる。
柯隆 「競争、秩序」
 コロナが終われば競争社会になる。競争の中にルールが求められる。ルールに従って競争をすれば平和と安定した社会が生まれる。
富坂聰 「俯瞰」
 いろいろな情報が飛び交っているが、俯瞰(そら)から見る。もう1つは地政学的に見る。
https://www.fnn.jp/subcategory/BS%E3%83%95%E3%82%B8LIVE%20%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9