じじぃの「中国と台湾・TPP加盟巡り激突・議長国日本はどう捌く?プライムニュース」

中国・台湾相次ぎTPP加入申請 「経済」攻防の真意と行方は

動画 fnn.jp
https://www.fnn.jp/articles/-/243528

台湾・蔡英文総統、日本語で「TPPに加盟したい」

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=3GGw58u9Xug

中国・台湾相次ぎTPP加入申請 「経済」攻防の真意と行方は

蔡英文総統、日本語で「TPPに加盟したい」

プライムニュース 「中国と台湾・TPP加盟巡り激突、難題を捌くのは議長国・日本」

2021年9月23日 BSフジ
【キャスター】長野美郷、反町理 【ゲスト】興梠一郎(神田外語大学教授)、朱建榮(東洋学園大学教授)、小原凡司(笹川平和財団上席研究員)
中国は9月16日、TPP(環太平洋経済連携協定)への加入を正式に申請。その真意と現実味をめぐって、議長国を務める日本では懸念の声が上がっているものの、加盟国にとって中国との経済は大きな要素を占めることから、今後の対応が注目されている。
一方、台湾は9月22日、TPPへの加盟を正式に申請した。
国の根幹をなす「安保」と「経済」をめぐり、インド太平洋地域を舞台に民主主義陣営と中国の攻防戦が熱を増す中、日本はどう向き合うべきなのか?

中国と台湾 TPP加盟巡り激突 議長国日本はどう捌く?

●中国めぐる動きの背景と波紋は?
今、中国を巡る「経済」と「安全保障」の動きが大きな波紋を生んでいる。
中国の不動産大手「恒大集団」が33兆円の巨額負債を抱え経営危機に直面。
もし経営破綻すれば、世界的経済危機につながる可能性もある。
一方、中国は16日、TPP(環太平洋経済連携協定)への加入を申請したと発表。
「中国包囲網」とも言えるTPPにあえて参入を図る中国に世界が注目する中、昨夜、台湾もTPPに加入申請したことを発表。
TPPを巡って、中国と台湾の新たな摩擦が生じつつある。
また、安全保障を巡っては15日に、米国、英国、オーストラリアの3ヵ国が、中国に対する軍事的抑止を狙った、インド太平洋地域の新たな安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」の発足を突然公表した。
日本はどう振る舞うべきなのか。
●台湾のTPP加入表明に日本「歓迎」
TPP(環太平洋経済連携協定)に台湾が加入を申請したことについて、米国を訪問中の茂木外務大臣は「歓迎したい」「台湾がTPPの高いレベルを完全に満たす用意ができるかについて見極める必要がある」と話した。
中国側は台湾の動きに対し反発。
中国・環球時報はネット上に、「かく乱だ」とする見出しの記事を掲載し、強く批判した。
●中国・台湾・相次ぎTPP加入申請 「経済」攻防の真意と行方は
経済的な中国包囲網ともみられていたTPP(環太平洋経済連携協定)の加入を巡る中国と台湾の攻防戦について議論。
まずTPPについて確認。
TPPは2016年に署名された経済連携協定
米国が離脱した後、加盟国は11ヵ国。
現在の議長国は日本。
事務局はニュージーランドにあり、新規加入には全加盟国の同意が必要。
TPP加入を巡る動き。
2月1日、英国が加入を申請。
6月2日、英国の加入交渉入り決定。
9月16日、中国が加入を正式に申請。
きのう、台湾が加入を正式に申請。
台湾がこのタイミングで申請した背景について。
小原凡司、「台湾は元々、TPPに加入したいという意向は示していた。中国が各国に対して影響力工作を行うかもしれない。そうなる前に台湾もほぼ同時に申請したい。各国が台湾を受け入れてくれるという状況を見極めて申請したかったのだと思う。日本が議長国である間に申請したかった」
朱建榮、「国家間のプロセスを経て承認するもので、台湾はTPPに入る見込みがないと中国はみている。TPP加入国の大半は中国と親しい国、台湾は規模からしても両岸の対立の中でしか話題にならない。中国では環球時報が“かく乱”というくらいで、中国自身はそんなに取りあげないと思う。APECは、中国と台湾一緒に入ったが、日本が強い立場で、双方うまくやった」
国際機構に台湾と中国、両方入っていることについて。
朱建榮、「両岸関係がいい時には、互いに妥協を求めた。WHOの時には台湾を入れた。将来的には台湾との平和統一を求めている以上、台湾の民衆の気持ちを遠ざけることはできないと思うが、現時点では双方の政治の対立が厳しいので難しい」
興梠一郎、「中国・国務院参事が、TPPに入るのは簡単ではないだろうと言っている。なぜなら、米国、日本、オーストラリアが邪魔するかもしれないから。米国・上院で超党派で、バイデン政権にTPPに入れという声が出てきている。茂木外務大臣もブリンケン国務長官に言っている。環球時報の『かく乱』の記事は、台湾の加入を否定はしていない。『台湾地区が地域の経済協力に参加するなら、1つの中国の原則の元が前提である』と書いている。主権国家として協議をしてはいけないということ。オーカス、中国TPP、台湾TPPと玉突き。中国は、インド太平洋の軍事的なつながり、安全保障上のネットワークに入れないから、とりあえず経済から入ろうとしている」
●興梠一郎×朱建榮×小原凡司 中国めぐる動きの背景と波紋
台湾・トウシンチュウ政務委員は「中国が先に加盟を果たせば台湾にとってはリスクとなる」と述べた。
中国・趙立堅外務省報道官は「台湾のあらゆる公的な協定や組織への加入に断固反対する。世界に中国は1つで台湾は中国の不可分の一部だ」と述べた。
小原凡司、「米国不在のTPPは中国が今後、国際社会において中国のルールを実装していくためのステップとして考えていると思う。中国が入るにあたって国営企業の問題などがある。他にも強制労働とか。中国はいまこのタイミングで日本に対してもけん制になると思う」
朱建榮、「現時点で、聞かれたら答えざるを得ない。台湾は中国より公の表明が早かったはず。TPPの加盟は中国が軽く口にする話ではない。このままの国有企業では中国は未来はない。TPPをハイレベルなFTAに自己改革していけば、中国自身の先進国仲間入りのための、ある意味で覚悟はあると思う」
●中国がTPP加入を正式申請「承認」の可能性とカギは?

TPPの主なルール

・国有企業・・・優遇策は禁止
電子商取引 ・ 流通の透明性や公平性を確保
・政府調達・・・国内外企業の差別を原則否認
・労働・・・・・強制労働の撤廃、児童労働の廃止、雇用・職業に関する差別の撤廃等の維持
朱建榮、「国有企業と政府調達は、中国は頑張って改革の方向に行くと思う。国有企業は色々な企業と株を持ち合いなど既に変えている。中国もギリギリで他の国も最終的にできるか。交渉は3年から5年かけてやってくる。CPTPPは中国から見れば簡易版TPP。つまりTPPよりは基準を下げている」
興梠一郎、「タイミングの問題。中国とCPTPPの基準はまだ差がある。このチャンスを捉えて開放拡大すると書いてあるので出来ていない。経済の問題ではない」
●中国がTPP加入を正式申請 国内ルール修正の現実味は?
小原凡司、「ポイント制ではなく、3ヵ国が合格したと認めれば入れる。各国が中国の加盟についてどう思うかにかかっている。何年かかるかは別として、最終的には入れるんじゃないかと判断をしたからこそ申請したと思う。我々が思っているような基準でクリアできるということではない。TPP加盟国には中国寄りの国がいくつかある。その国を手なずけて加盟を有利に仕向ける。もしTPPに米国が入っていたら加入は認められないだろう」
反町理、「いまの中国の実力から加盟国を黙らせることができると思っているのか」
興梠一郎、「マレーシアやシンガポールのような親中国を攻めて、シンガポールは来年の議長国だからやりやすい。日本に対しては財界を取り込む。日本の財界には親中派が多い」

中国より先にTPPへの加盟を正式に表明した蔡英文総統は23日、自身のツイッターに日本に対する支援を呼びかけた。

「石の上にも五年! 台湾がTPP加盟に向けて長年、準備をしてました。我々はすべてのルールを受け入れる用意があります。日本の友人たちにこの努力をぜひ支持してほしい」
興梠一郎、「日本としては台湾の加入を認めてやりたい。しかし中国のことを考えると難しい。だから日本として米国に入ってくださいと言っている訳です」
朱建榮、「一部の友好国は良いが、日本が問題にしないことはあり得るか。議長国は交代でやる。交渉は各国それぞれとの交渉。1ヵ国でも手を挙げなければ入れない」
●米英豪が「AUKUS」結成 中国の反応と今後のリスクは
オーカス(AUKUS:Australia、UnitedKingdom、UnitedState)について。
主な内容:米英が豪の原子力潜水艦導入を技術面で支援→豪仏の潜水艦共同開発計画は破棄。
AI・サイバー・量子技術で連携強化。
小原凡司、「各国とも驚いた動きで準備の期間も全く漏れなかった。軍事技術を供与するというのは非常にハードルの高いものだと思う。F-22戦闘機は日本には売ってくれなかった。当事者としてみた場合に日本がなぜここに入れなかったのかということは考える必要がある。情報共有のレベルが違う。英国と米国海軍は運用が一体化しているしオーストラリアにも米国の原潜が入るとなるとこの3ヵ国の運用はもっと緊密になる。日本はここに入れないとなった時にどう関与していくのか、どう認識していくかを考える必要がある」

【提言】 「日本が取るべき 対中姿勢とは」

朱建榮 「建設的コーディネーターに」
 中国と台湾、中国と米国、いろいろ武力衝突が考えられるが、日本はまとめることができるかどうか。
興梠一郎 「しなやか」
 日本は戦略をしなやかに。戦略を持っているけど柔軟にやる。
小原凡司 「安全保障の視点を持って経済問題への対処を」
 アメリカは何を国益にして考えているのか、中国は何を国益にして考えているのかを見極める。
●中国をめぐる動きについて言いたい事、聞きたい事
視聴者からの質問、メッセージ。
視聴者、「中国の政策は全てが共産党独裁をいかに維持強化するかということが基本にある。その基本がある限りTPP加盟の条件をクリアすることは不可能ではないか」
興梠一郎、「そのとおり。WTOに入っても国有企業が逆にいま強大化している。それは国有企業が共産党の母体で経済的基盤。データを自由に移動させない、これは言論統制。技術移転は合弁などの形で強制的にやらせる。この3つ全部改革させるために米国はオバマ時代にTPPを出した。基本的に今これが政権基盤」
視聴者、「中国のTPP加盟は台湾加盟を止めるためだけとも思えず、加盟後の米国包囲を考えているのか」
朱建榮、「中国は米国に対して包囲してやるというのは考えていないと思う。国内の改革がもっと重要。共産党のいまの独裁で本当に先進国になれるかどうか実験をやろうとしている」
視聴者、「日本もAUKUSに加盟すべきではないか」
小原凡司、「AUKUSに加盟するかどうかは議論する余地があるが、加盟する条件を持っていないというのは問題」
https://www.fnn.jp/subcategory/BS%E3%83%95%E3%82%B8LIVE%20%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9