じじぃの「科学・地球_60_エネルギーの世界ハンドブック・リスク回避・核兵器保有」

How North Korea Appears to Be Expanding Its Nuclear Arsenal

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=rb-eg9P-HAM

Institute for Science and International Security

●Nuclear Weapons Programs Worldwide: An Historical Overview
We are often asked which countries have nuclear weapons, are seeking them, or may seek them in the future.
In trying to answer the question, we have had to consider which countries possessed or tried to obtain nuclear weapons in the past. Our findings about both current and historical nuclear weapons programs are outlined on an interactive world map, and summarized in a companion table.
https://isis-online.org/nuclear-weapons-programs

『地図とデータで見るエネルギーの世界ハンドブック』

ベルトラン・バレ、ベルナデット・メレンヌ=シュマケル/著、蔵持不三也/訳 原書房 2020年発行

リスク回避 より

エネルギーはさまざまなシステムの状態を変える。制御が不十分なエネルギーはその生産や輸送、変換、そして最終用途の各段階で事故をひき起こしかねない。こうしたリスクに対処するため、航空・原子力産業は「安全文化」を発展させてきた。深層防御、セキュリティ・システムの再設計と多様化、シミュレーターによる人材の教育・育成・確率分析などである。

原子力のセキュリティ

原子力産業は潜在的に危険な放射性生成物をきわめて大量に扱っている。その点で、この産業は、放射能のように無職無臭だが、かなり有害で、検出と測定がはるかにむずかしい製品をもちいているほかの産業(化学、製薬業など)と似かよっている。ただ、原子力産業はさらにふたつのリスクを克服しなければならない。[核分裂の]連鎖反応の制御と、この反応の停止後に放射性生成物が放出しつづける残留熱の除去である。チェルノブイリ原発事故は前者のリスク、スリーマイル島(1979年)と福島(2011年)の事故は後者のリスクに起因する。
原子力のセキュリティに求められる要件は、いかなる状況においても放射能を封じこめることである。この封じこめは容器に入れられた。だが、相互に独立している多様な障壁によって保証される。

原子力関連の異常事態(事象)の重大さをいかにして測定するのか?

地震にかんするリヒター・スケール[アメリカの地震学者チャールズ・リヒター(1900-85)が考案した地震のエネルギー量を表わす指標値。ローカル・マグニチュードともよぶ]との類比にもとづいて、1991年、原発施設に影響をあたえる異常事態(逸脱や事故、異常事象など)の重大さを、一般人が見定めることを可能にする国際原子力事象評価尺度(INES)が策定された[策定者は国際原子力機関IAEA)と経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)]。この異常事態は重大さに応じてレベル1からレベル7に分類されている。フランスでの原子力事業者は、毎年のようにレベル1の逸脱を約100件、レベル2の異常事象を1-3件報告している。ただ、レベル4のいわゆる事故は、これまで2度しか起きていない。レベル7[深刻な事故]に属する異常事態は、世界全体でチェルノブイリと福島の大事故2件である。

拡散防止とは正確になんとよぶか?

「プロリフェレイション(拡散)」とは核兵器を有する国の増加を意味する。これとは反対に、「不拡散」はこの拡散を防ぐために導入される政治的ないし技術的な対策をさす。1970年に発効した「核兵器不拡散条約(NPT)」は、5ヵ国[アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国]の核兵器保有だけを正式に認め、それ以外の国への核兵器の拡散を防止するものである。そのかわりに、核保有国は核兵器を削減し、民間の技術移転[核平和利用]を抑制しないということを誓約した。こうした原子力の平和利用をコントロールする役目は、1956年に国連によってウィーンで設立された国際原子力機関[本部ウィーン]に託されている。