じじぃの「科学・地球_50_SDGsの世界ハンドブック・リスクと公害・原子力災害」

Understanding the accident of Fukushima Daiichi

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=YBNFvZ6Vr2U&t=3s

The 2011 earthquake was the most powerful ever recorded in Japan

Fukushima disaster: What happened at the nuclear plant?

10 March BBC News
●Ten years ago, on a Friday afternoon in March, the most powerful earthquake ever recorded in Japan struck off the country's eastern coast.
The 9.0-magnitude quake was so forceful it shifted the Earth off its axis. It triggered a tsunami which swept over the main island of Honshu, killing more than 18,000 people and wiping entire towns off the map.
At the Fukushima nuclear power plant, the gigantic wave surged over defences and flooded the reactors, sparking a major disaster. Authorities set up an exclusion zone which grew larger and larger as radiation leaked from the plant, forcing more than 150,000 people to evacuate from the area.
https://www.bbc.com/news/world-asia-56252695

『地図とデータで見るSDGsの世界ハンドブック』

イヴェット・ヴェレ、ポール・アルヌー/著、蔵持不三也/訳 原書房 2020年発行

19 持続可能な開発からほど遠い不平等な世界 より

地球上に住む人々のあいだにはつねに大きな不平等(格差)が存在してきたが、その一部はなおも増幅しつづけている。25年前には最貧困層(10%)の約7倍であったOECD諸国における最富裕層(10%)の可処分所得の平均は、今日では約9.5倍となっている。衛生環境や食生活の分野において改善こそみられるものの、社会的不平等は顕著である。極度の貧困状態で暮らす人々の数はここ30年で10億あまりに減少した(世界銀行調べ)。2005年から2015年にかけての10年間で、栄養失調状態にある人々の数は10億から8000万になった。とはいっても、環境問題(生物多様性の劣化、気候変動ないし温暖化、海洋汚染)は山積しており、これらは不適切で容認しがたい管理の仕方に起因する。人類全体としては持続可能な開発のスタンダードから今もほど遠い状況にあり、最貧困層は社会的・経済的な機能障害のあおりを真っ向から受けている。それゆえ、貧困の削減と根絶は持続可能な開発目標の核心をなすものといえる。

64 リスクと公害 より

多くの人々、とりわけ最貧層が、きわめて広域的かつ潜在的に大惨事の原因となりうる自然と科学技術、そして核のリスクに脅かされている。気候変動によって天災は頻度と深刻さを増しており、これからもそれはさらに悪化してゆくのだろうか。騒音公害にかんしていえば、それは人々の安寧を制限し、その健康にも影響をおよぼす。

自然災害

世界の多くの国が自然災害の影響を受けている。気候変動のためにさらに悪化の可能性がある地質学的災害(地震、地形の変動、火山活動など)や気候上の災害(暴風、洪水、サイクロン、そしてとりわけ旱魃)がそれにあたる。ミュンヘン再保険会社(Munich Re)によれば2017年に生じた自然災害はそれに先立つ5年間より多くの被害をもたらしたという。それはとくに極端な気象現象に起因する(ハリケーン・イルマ・ハリケーン・マリア、カリフォルニアの洪水や大火災など)。ミュンヘン再保険会社の責任者たちによれば、同社の専門家集団が「将来的にこうした出来事がよりひんぱんに起こると予測している」という。
自然災害は、リスクに直面した際にダメージを受けやすい要因である貧困を悪化させる。したがって、持続可能な開発を実現していくうえで重要な最貧困層の人々の抵抗力を向上させるのは、これらの人々がより安全な居住環境のみならず、しかるべき生活手段や武器(とりわけ知識)を得られるようにすることが不可欠である。この観点からすれば、開発途上国におけるリスク地域の大部分とそこに住む人々は、持続性からはほど遠い状態にあるといえる。

自然と科学技術によってひき起こされる災害の連鎖はすさまじい影響をもたらしうる。2011年に日本の沖合(仙台市の沖合130km)で発生したマグニチュード9の突発型地震と、それに続いて福島の大惨事をもたらした津波は、このことを立証するものである。福島第一・第二原子力発電所は太平洋沿岸に位置している。第一原子力発電所は1970年から79年にかけて建設された6基の沸騰水型原子炉(軽水炉)を、第二原子力発電所はそれよりのちに建設された同型の原子炉4基を保有している。この2ヵ所の原子力発電所地震にもちこたえ、自動的に停止した。だが、続いて生じた津波により、重大な故障の際に代わりをつとめるはずの、冷却システムと緊急システム(非常用のディーゼル発電機)への電力供給がそこなわれた。こうして原子炉を正しく冷却できなかったこと[炉心溶融メルトダウン)]が、大事故の発端となった。原子力発電所から放出された水素が周囲の酸素にふれ(くわえて高温)、1号機原子炉建屋の屋根、ついで3号機原子炉建屋のそれを吹き飛ばしたのである。

世界規模での原子力災害

今日、437基の原子炉が、地球上でもっとも人口稠密な国をふくむ30ヵ国(アメリカ、フランス、日本、中国、ロシア、韓国、インド、カナダなど)に分散して稼働しており、多くの人々をリスクにさらしている。このリスクは、放射性元素を閉じこめておくことが想定された構内から放射性元素が排出されるという、起こりえるべくして起こる原子力事故の結果として生じる(チェルノブイリの例のような内部に起因する事故、またはテロによる事故、福島のような連鎖的な事故など)。事故はまた放射性生成物の輸送の際や放射能元素の医療、軍事、工業分野での使用の際にも生じうる。こうした事故は、施設周囲の広い範囲において土壌と水を汚染する。大気中に運ばれた汚染物質は降水とともにふたたび地表に降下して、さらに広い地域に汚染をもたらすことになる。リスクはまた廃棄物の存在ともかかわっており、その危険度は放射性核種の放射能の強さのレベルとこの核種の寿命(または放射能を含む期間)によって異なる。